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【3分間小説】君がいた場所|三角の空き地 ― 乃木坂46

この作品はフィクションです。特定の曲や歌詞にインスピレーションを得て執筆していますが、実在の人物・出来事とは関係ありません。音楽をきっかけに生まれた短い小説としてお楽しみください。

久しぶりに通った道の向こうに、あの小さな三角の空き地が見えた。かつて同棲していた家のすぐ近く。砂場もベンチも、色褪せた遊具も、誰もいない公園は静まり返っていて、まるで時間が止まったかのようだった。

冬の夕暮れで、枯れた芝生にかすかに湿った土の匂いが漂い、遠くの道路を走る車のタイヤ音が、やけに冷たく耳に響く。

「もっと、遠回りすればよかった」

——胸の奥でそんな声が小さく震える。
思い出すのは、些細で何気ない日々。駅まで並んで歩いた帰り道、肩が触れ合った瞬間、笑い声が交わるだけの時間。

でも、肝心なことには目を向けられなかった自分。君の変化に何も気づかなかった。君はずっとサインを送っていたんだね。

冬の風が顔を撫で、古い公園の木々がサラサラと葉を揺らす。あの日もこんな風だったかもしれない。手をつないで歩いた帰り道、ふとした喧嘩で目を逸らした君。

すぐに謝るべきだったのに、言葉を飲み込んでしまった。あの時「ごめん」と笑顔で言えば、僕らはまだ一緒にいられたかもしれない。

二人は確かに愛し合っていた。花が咲くように、愛は育ち、香りを放っていた。でも、日差しを忘れ、水をあげることを怠った。

気づけば、愛は枯れ、色を失っていた。
街路樹の匂い、遠くで鳴る自転車のベル、誰かの笑い声――あらゆる音が、君がもういないことを思い出させる。

手を伸ばせば届きそうで、届かない。
大事な人はすぐそこにいたのに、今はもう、手を伸ばしても空き地だけがそこにある。

僕の指先は、冷たい空気だけを掴んでいた。背筋がぞくりと震え、胸の奥がぽっかり空いたような虚無感に包まれる。

ため息をひとつつき、足を踏み出す。
落ち葉を踏む音が、過去の記憶と混ざり合って耳に残る。

振り返っても、もう戻れない景色。後悔の色だけが胸に残り、僕は歩き続けるしかなかった。

夕暮れの空が、三角形の空き地を淡いオレンジに染めて、最後の輝きを差し込む。

もう手を伸ばしても、君はそこにはいない。

恋は生きている 生きている ちゃんと見ていないと
すぐ心の形は変わってく
何も気づかなかった僕のせいだよ
いつしか気持ちは死んでいた

三角の空き地|乃木坂46

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しおりん🫖🫧 チップありがとうございます! 大変はげみになります。