【お山の大将×裸の王様:25/12/22】
最近、DIAMOND ONLINEで「集団浅慮(しゅうだんせんりょ)」なる言葉を知りました。集団で意思決定する際、和を乱したくないという同調圧力や対立回避の心理から、個人の冷静な判断力が失われ、結果として非合理的で危険な結論に至ってしまう現象のことらしく、フジテレビの経営陣が陥った背景として迫ったビジネス書の紹介でした。
この「集団浅慮」なる状況は、フジテレビに限らず、財界・官界・学界・スポーツ界・芸能界・医療界・教育界など、多くの組織が抱える病症ではないでしょうか。伝統や前例を重んじるあまり、変化や改革を拒む排他的な組織も少なくありません。
今や名だたる大企業でも、既存事業だけで成長を続けていくことは望めない時代です。新規事業開発やM&Aなど、新たな打ち手が必要なことは明白で、社内に新規事業開発を担う部門を設置したり、インキュベーション施設を開業したりと、新たな「飯の種」を創出することに注力し始めています。

私も仕事柄、新規事業開発を担う方々とお会いし、時に、連携させていただいたりしていますが、ありがちで最大のネックは、実は身内にいます。それはイタい経営陣です。新規事業開発のために、プロジェクトやチームを新設したのはいいのですが、やたらめったら口出しするのです。その上、予算が必要な稟議にも難癖を付けて承認しません。メンバーの士気は下がり、新規事業開発どころの騒ぎではなく、根回しなど社内営業に追われ、まるでコントのような様相を呈します。
新規事業開発を目指すなら「環境を整え、予算を付けて、途中要らぬ口を挟まない」ことです。進捗を見守り、話に耳を傾け、報告を聴き取り、次の行動の後押しをしてほしいと思います。過去の成功体験や自慢話を背景に、分からないくせに知ったかぶりして口出しをし続けるなんてことは絶対にやめるべきです。イタすぎます。老害です。出禁です。

ということで、大手企業の新規事業開発は、遅々としてカタチにならないのではないでしょうか。
一方、スタートアップ企業は、新たなビジネスを創出し、一点突破で世に問います。知名度や信頼実績、資金やリソースに客先との接点など、ナイナイづくしなのですが、新たな製品やサービスは、新規性や独自性があれば、伸び代しかないでしょう。当然ながら、起業した首脳陣の能力や個性に依存するのは間違いなく、いろいろなタイプの若き経営者との出会いは、好奇心を刺激され、ワクワクする瞬間です。
経営者の役割や性格は、ことほど、事業拡大や成功に大きな影響を与えますが、企業での権限が最大化するため、「お山の大将×裸の王様」になってしまう危険性も高いといえます。
攻めに強く守りに弱いのもよくあるタイプと思われます。勢いがあり急激に認知されチカラを持ってしまったヒトによく見られる性格で、「小心者」で「器が小さく」「カッコをつけたがる」のが特徴です。話題になった政治家や自治体の首長、経営トップや芸人にタレントなど、自己保身に走り、言い訳や弁明を言い続け、悪あがきで事態を悪化させるヒトを、皆さん、イヤになる程、目にしてきたと思います。
私の故郷、福井県知事は、セクハラで自ら辞職を発表しました。ただ、その発表会見の報道に、SNSでは「エライ!」「潔い!」と言ったコメントが散見されたのには驚きました。本来、ハラスメント行為は許されるはずもなく、辞任するなど「当たり前」だと思うのですが、そうではない輩があまりにも多いため、こうした「有り難い」事態になると思うのです^^;

私は、コロナ禍前に起業しましたが、新社会人から4つの企業に在籍しました。得意先との関係性に亀裂が入るような事態にも遭遇しましたが、自社に原因や責任がある場合、まずは、真摯に謝罪するのが「当たり前」だと思います。部下の不始末に対応するため、すぐに現地に飛び、社長に会って土下座してお詫びしたことが2回あります。あまりに申し訳なく、ただただお詫びするしかないという気持ちが知らぬ間に土下座というカタチになっていました。先方も驚いたと思いますが、目の前に頭を下げているヒトを見て足蹴にするヒトはいません。「早く頭を上げてください」というしかなかったのかも知れません。その後は、再発防止をお約束するとともに、挽回の機会をいただきました。まさに、雨降って地固まるを痛感した経験です。

また、上司が原因で得意先との関係性が悪化したことがあります。社長は激怒して来社されました。上司の何気ない言葉が原因だったのですが、上司が取った対応は、「非を認めず」でした。小心者で器が小さくカッコをつけたがる典型的なイタい上司で、「謝ることは負け」だと勘違いしているヒトでした。会うことさえ叶わず、結局、私が対応することになったのですが、お互い、泣く泣く取引を終結するしかなかったのです。
ビジネスに限らず、人間関係は実に不思議なモノで、得難い宝物だったり、触ると危険な爆弾のようなコトもあると思います。私は、「一期一会」を座右の銘として、ヒトモノコトとの出会いを楽しみに、日々、生活しています。性善説を基本としており、異論反論を大好物にもしています。はじまることも大事ですが、終わり方もそれ以上に大事だとも思っています。

最近、週次報告に何の反応も示さず、メールや電話にも折り返してくれない経営者や担当者が出始めていることに驚くとともに、がっかりしてもいます。
せっかくのご縁にも関わらず、最初の頃のワクワク感が、喪失してしまうのは、やりきれない気持ちになります。
同じ目的のために、お互いの強みを持ち寄り、弱みをカバーし合って、事業拡大を目指していきたいと思っています。本気で、皆さんの夢の実現の後押しができればと思っています。お願いですから、勝手に逃げないでください。また会うときに、笑顔で握手やハグをしたいじゃないですか!

