見出し画像

#113 紺服文化を紐解く(小学校受験・小受・幼稚園受験)

(無料部分長めです)

ご訪問ありがとうございます。
↑「スキ(ハートマーク)」を押していただけると励みになります!

最近、受験家庭の裾野の広がりと共に、お受験(幼稚園・小学校受験)のエンタメ記事・マンガ等が増えました。

緻密な取材と共に物語を仕上げた、外山薫さんの「君の背中に見た夢は」(KADOKAWA)や、ご自身の受験経験を基にした、我らがかさぶた厚子さんの「かさぶたカサカサお受験記」(note)などが馴染みが深いでしょう。

狼侍も、Xのツリーで何度か投稿しています。書籍のプロローグの物語もその一つのリライトです。

一方で、商業主義感が拡大すると、どうしても導入をキャッチーにする必要があります。そこで、最近のエンタメ記事の導入部に共通するのが、「紺服集団の異質感」です。
メディアの受験記事のサムネイル画像にも、紺服の行列の写真がよく使われます。

お受験を知らない層には、紺服への揶揄は格好の導入です。「あー、見たことある。なんか圧がすごいよね」的な。

ただ、受験終了組や非受験層には、笑える描写かもしれませんが、現役受験家庭にとっては、正直あまり気持ちが良いものではないだろうと感じます。
就職活動中のリクルートスーツの学生を揶揄するようなものです。

確かに、両者ともに日本人的な同調圧力の滑稽さにも見えますが、「郷に入っては郷に従う」の気持ちで、当人たちは必死です。

一生懸命な人間を、茶化すものではないでしょう。

前置きが長くなりましたが、今回は「お受験の紺服文化」について紐解きたいと思います。マニュアル本ではありません。読み物としてお気軽にどうぞ。


▌紺服文化はどこから来たのか

・いつから始まったのか

いつから紺服が始まったのか、正確なタイミングは検証できていません。ただ、40年前あたりに遡ると、そこまでではなかったという話も耳にします。

一方で、同学年の0.5%だった世界線から1%を超えるころに、今と同じような裾野の広がりがあったとは想定されます。
その頃から、新規層が無難な服装として、固めのスーツ姿を選び始めたのかもしれません。

私立小ご出身の方におかれましては、ぜひ親御さんに聞いてみていただければ幸いです。

・同調圧力なのか、合理性なのか

では、なぜ紺色になったのか。
私立小学校という見ず知らずの場面で、学校から教えを受け、選考される立場でもある。その佇まいの最適解を求めた時に、派手な印象を与える色目を避け、それこそリクルートスーツというベンチマークを参考にした可能性は大いにあります。

そのチョイスの安心感が広まり、おそらく無関心であった代々層を巻き込み、今や完全な「制服」として定着した感があります。

つまり、これを同調圧力と見るのは少々早計で、合理的な流れで今に至ったと考える方が自然です。

▌紺服文化がもたらしたもの

一方で、結果としての紺服文化は、いくつかの意義をもたらしました。

・郷に入っては郷に従う

一つは、「郷に入っては郷に従う」の踏み絵です。
私立幼稚園・小学校は学園の教育方針への共感・理解が大前提。「嫌なら辞めてどうぞ」が基本スタンスです。
さらに、初等教育とは学校と家庭の両輪が原則と考えます。つまり、紺服が入学後のモンペチェックの第一関門として機能しているとも言えます。

紺服にあまりに違和感を持つ場合は、おそらく中学受験にまわった方が良いでしょう。どちらが正解かではなく、あくまで価値観・相性の違いです

・親は黒子

もう一つは、「親は黒子」のメッセージです。

お受験は親が決める受験。志願者は子どもであっても、あらゆる意思決定は親が行います。その結果、「自分の受験」と錯覚してしまう親御さんを多数生んでしまいます。
Instagram等で我が子を晒しながらお受験の様子や結果を投稿する親御さんはまさにこの類でしょう。自分の成功体験だと勘違いしてしまう。

ベテランの園長先生は毎年こうおっしゃいます。「幼稚園・小学校はお子さまの場所です。主役は子どもです。親のコミュニティの場ではないことを、しっかりと胸に刻んでください」と。

どんな親御さんでも、個性を消してくれるのが紺服文化。自分の受験と錯覚してしまう親御さんは、紺服の範疇でどう目立つかを考える前に、「親は黒子」のメッセージを理解してほしいものです。

▌紺服のメリット

最大のメリットは、「悩まないで済む」に尽きるでしょう。ただでさえバタバタな育児中です。
まして、幼児を連れて行く場面では、その準備にも手間取ります。
その際に、自分の服装は迷わず紺服を選べば良いという文化は、世間が感じる違和感とは全く逆で、むしろ感謝できるものです。

紺服文化の継承は、この育児中の親御さん(特にお母様)を助けるための優しさのバトンではないかと思うくらいです。

▌紺服を着る場面の議論

さて、受験家庭にとっての本題は、「どの場面まで紺服で行くべきか」という議論です。

ここから先は

2,213字
この記事のみ ¥ 300
Amazon Payで支払うと最大2%還元のチャンス! 9/30まで

狼侍のコラムとnote記事の読み放題のメンバーシップです。 ・コラム159話 ・note記事102話…

ベーシックプラン

¥2,980 / 月

全note読み放題プラン

¥4,980 / 月

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?