#92 定員充足率を紐解く'25(小学校受験・小受)
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「#90 2024年秋の受験分析」で取り上げたとおり、私立小学校は長期的な課題を抱えています。
実際、最近の学校説明会では、そうした課題に対する危機感を率直に語る学校も見られるようです。
先日、上記noteの紹介ポストで、以下のようなリポストをいただきました。
先日の説明会で、少子化でいかに定員確保が難しいかをお聞きした。受験生にとってはライバルが減ってありがたいと思う向きもありつつ、それだけごく一部の学校に人気が集中しており、その他の学校が競争力を加速度的に失っているということ。
— こぐま🐻27小受🌸英語学習📚 (@koguma_english_) May 12, 2025
志願校を決める上でより戦略が必要になってきてる🤔 https://t.co/vudHGGKFiZ
この後のやり取りで、「小学校受験の市場規模は都内が大多数では?」とのご質問がありましたが、首都圏の小学校受験市場は、出願倍率3倍以上の「有名校」と3倍未満の「地域密着校」がほぼ半々であることをお伝えしました(書籍P61)。

一方で、書籍でも補足しましたが、これはあくまで募集定員の比率にすぎず、「実質規模」を示すものではありません。したがって、実際の在校生数による検証が必要だと感じました。なぜなら、倍率の低い学校ほど定員割れのリスクが高いからです。
果たして、通っている児童数の実数として、地域密着校はどれほどの存在感を持つのか。
本noteでは、首都圏の私立小学校における定員充足率を紐解き、その実質規模を検証しました。
結論としては、アンケート検証と同様、やはり「私立小学校はイメージでは語れない」となりました。
■全体検証[無料公開]
・定員充足率

首都圏全体での私立小学校の定員充足率は94%でした。定員割れは総数で約2,900名。一学年あたりは約480名、1校あたり一学年およそ5名の定員割れとなります。
この水準であれば、現時点では多くの私立小学校が比較的安定した経営環境にあるといえるでしょう。
属性別に見ると、最も充足率が高いのは出願倍率3倍以上の学校で、ほぼ100%に達しています。逆に最も低いのは、出願倍率3倍未満のカテゴリーで、87%でした。
当然ながら、出願割合が高い学校ほど定員が確保できている構図です。
地域別では、23区内が最も高く99%、都外が最も低く89%となっており、これも予想通りの結果です。
しかし注目すべきは、23区内よりも「出願倍率3倍以上」の学校の方が、わずかに充足率が高い点です。
このことから、私立小学校の定員充足においては「立地よりも人気」が影響していると読み取れます。
厳しい言い方をすれば、郊外であることは人気のない理由にならないということです。
・在校生比率(出願倍率別)
では、在校生の比率を属性別に見ていきましょう。
まずは、「出願倍率」による分類からです。

まさに冒頭の「募集定員数」との比較になります。
地域密着校(出願倍率3倍未満)は、募集数では全体の52%を占めていましたが、在校生数ベースでは7ポイント下がって45%に。一方、有名校(倍率3倍以上)は55%と逆転しています。
この逆転の要因は明確です。有名校の定員充足率がほぼ100%であるのに対し、地域密着校は平均87%にとどまっているためです。
とはいえ、この差は多くの都内受験層が想像していたよりも、拮抗しているのではないでしょうか。
実質規模で見ても、首都圏の私立小学校において、地域密着校の存在は十分に大きいのです。
都心部中心に高倍率校志望でしのぎを削るお受験ですが、全国に散らばる国立小と同じく、各地域に根ざした小中高一貫の私立小は実はたくさんあります。中受偏差値で見ると圏外になってしまいますが、伝統もありつつ、かつ知名度の低さを挽回しようとICTやバカロレアなど変革に意欲的に取り組んでます。
— 狼侍[小学校受験編] (@wolf_samurai_x) September 13, 2021
徒歩、バス通学圏内で通うご家庭が多く、言わば公立と変わらないような地元の友人ができるのもメリットです。
— 狼侍[小学校受験編] (@wolf_samurai_x) September 13, 2021
意外といっては失礼ですが大学の推薦枠も多く、地元の中で穏やかにかつ着実に大学受験を迎えます。
通学の負担も低く素晴らしい環境で学ぶ日々は、本来の私学の姿なのではと思うくらいです。
・在校生比率(23区内外別)
次に、エリア別に見てみましょう。まずは東京23区とそれ以外です。

こちらも都心部の受験層にとっては意外に感じるかもしれませんが、首都圏の私立小学校に通う生徒の約6割は23区外の学校に在籍しています。
とはいえ、中央線沿線を例に取れば、吉祥寺より西はすべて23区外ですから、データどおりの印象と言えるかもしれません。
・在校生比率(都内外別)
さらにエリアを広げて、東京都とそれ以外です。

ここでは形勢が逆転しました。ただし、そもそも学校数で都内が55%を占めますから、順当な結果と言えるでしょう。
むしろ興味深いのは、23区との差で見れば、東京都下(23区外)の私立小学校が全体の約20%を占める結果となることです。
都内南西部のエリアは、川を越えればすぐに神奈川県に入ります。そのため、東京都下では武蔵野エリアや国立エリアの学校が多数を占めることになり、地域として大きな存在感を示していることが分かります。
無料部分はここまでとなります。以下は出願倍率の個別データも含まれるため有料となることご容赦ください。
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■定員充足率一覧表(学校別)
それでは、データ検証の基礎となる学校別の定員充足率は以下のとおりです。
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