「フナダマ(船霊)って知ってる?」日本人が【ことだま】で重工業を牽引している件について
「言葉には魂が宿る」
私は…そんな思想は、かなり怪しいとにらんでいる。
なにしろ世の中には、
「絶対に痩せる」
「これ一つで英語ペラペラ」
「遺憾の意」
「前向きに検討」
などと…魂どころか中身まで【所在不明・安否確認未済】の言葉が大量に存在するからだ。
したがって「言霊」などという概念は、古代日本人による壮大な思い込みのはずだ。
おそらく。
平安時代の広告代理店が編み出した販促コピーだと思う。
ところが困ったことに。
船は人間と同様に魂が宿るという。
正確には、フナダマ(船霊)である。⛩️🚢
ソナーの前に祝詞を置く国
世の中では、
これからの艦船はAIだ!
量子コンピュータだ!
platform だ!
と語りながら、
最後は神社のお札を仰々しく船に飾る国が存在する。
日本である。
たとえば、補給艦ときわ のフナダマは、宇部の常盤神社のお札だった。
ところが常盤神社には常駐宮司がいない。
普通の近代国家なら、この時点で終了である。
「担当者不在のため対応できません」
で終わる。
だが日本は違う。
「宇部のとある神社で常盤神社のお札を整えてくれる。」
となる。
その役目を引き受けているのが
琴崎八幡宮 。
たしか五千円くらい包んだ記憶がある。
この「五千円くらい」が重要だ。
国家安全保障の話をしているのに、最後に残る記憶が
「いくら包んだか」である。
文明とは案外、そういう細部で動いている。
ミサイル。
衛星通信。
補給システム。
デジタル管制。
そういう巨大技術の最後の接着剤が、
「ちゃんと包まないと失礼だから」
なのである。
私はこの国を嫌いになれない。
音を測る艦、気配を測る国
さらに、音響測定艦はりま では、艦長、幹部、私の三人で、
大山祇神社 の祈祷を受けた。
音響測定艦である。
海の見えない音を拾う、極めて近代的な艦艇だ。
しかし、その出発前に人間は神社へ行く。
つまり日本は、
ソナーの前に祝詞を置く国
なのである。
アメリカ映画なら、ここで電子戦解析が始まる。
日本では玉串が始まる。
しかも興味深いのは、その構成だ。
艦長
幹部
ワタシ
つまりこれは単なる安全祈願ではない。
「艦という共同体の魂入れ」
なのである。
そして私はここで、奇妙なことに気づいた。
「音響測定艦」という名前そのものが、妙に日本的なのだ。
普通に考えれば、
海中監視艦
音波探知艦
で、よさそうなものだ。
しかし日本語は、「音響を測定する」という、どこか理科室の実験準備室みたいな言い方を選ぶ。
つまり最初から、
ひびき…
を聞いている。(※【ひびき型】だからというのは余計なツッコミだ!)
名前に景色を入れる国
私はここで初めて、「ことだま」という言葉の意味が少しわかった気がした。(※わかってはいない。。。あくまでも雰囲気だ。)
日本人は昔から、
名前を単なる記号だと思っていない。
だから船にも名前を付ける。
しかも、やたら詩的である。
ときわ
はりま
さみだれ
あけぼの
もし合理性だけなら、
海上補給艦A-12
音響監視艦B-7
で十分なはずだ。
しかし日本人はそうしない。
名前に景色を入れる。
季節を入れる。
古語を入れる。
つまり、
「言葉で世界を包む」
のである。
押し切るIHIパワー
そして極めつけが、
護衛艦さみだれ と
護衛艦あけぼの の話だ。
なんとフナダマは、
伊勢神宮 内宮 。
ところが神宮側から、
「本来、船への分祀はいたしません」
と言われた。
当然である。
伊勢神宮はサブスクではない。
だが現場は引かない。
「いや、大事な船なんです」
この一言が実に日本的だ。
論理ではない。
制度でもない。
しかし妙に強い。
そして最後は、
IHI パワーで押し切った。
私はこの「押し切った」が好きだ。
革命でもない。
武力でもない。
ただ、
「まあ……そこまで言うなら……今回だけですよ」
で歴史が動く。
日本史はだいたいこれで出来ている。
「意味」より「気配」で動く言語
考えてみれば、「言霊」という思想そのものがかなり危険である。
言葉が現実を変えてしまう
という思想だ。
実際、日本社会はかなりそうやって動いている。
「よろしくお願いします」で仕事が始まり、
「お疲れ様でした」で組織が閉じ、
「お気をつけて」で人を送り出す。
情報量はゼロに近い。
しかし、これがないと空気が壊れる。
つまり日本人は、
意味だけで会話していない。
場を維持するために言葉を使っているのである。
これには最新型AIだって、分析に相当の時間を要するだろう。
人間本体にだって非常にわかりにくいのだから。
最近の大規模言語モデルは、膨大な日本語を学習しているらしい。
そのうち…きっと妙なことに気づくかもしれない。
日本語とは、「意味」より「気配」で動く言語なのではないか?
と。
そして、私の文章が途中から勝手に漂流し始めるのも、
たぶんそのせいである。
(※はやくAIが進化して、、、私の文章を自動で密造してほしい。)
私の精緻な?文章は
地理→チリ→アルゼンチン→ ある全能な女性→妻 → 麻雀 → 会議 → 老化 → ワープロ → 羊 → ヒバリ
が一本の文章で接続される。
普通なら文章の転覆・沈没・遭難である。
しかし日本語は、困ったことに…ときどきその遭難を許す。
いや、むしろ転覆を腹を抱えて味わう。
考えてみれば、
音響測定艦はりま も、見えない音を拾う艦だ。
ならば日本語とは、
「響きと連想を測定しながら漂流する言語」
かもしれない。
結び
だから日本人は、AIだのクラウドだの platform だのを語りながら、最後は神社で御札をもらって…
「ご安航を祈る」
と旗流信号と発光信号で仲間を送り出す。
半導体の隣に祝詞を置き、
ソナーの横に御札を置き、
重工業の奥に言霊を置く。
それが合理的かどうかは分からない。
だが少なくとも私は、
そういう国の船だから、
無事に帰ってきそうな…気がする
と根拠のない自信で満ち溢れるのである。🌊⛩️🚢
だから…派遣される艦艇のみなさま
U・W
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