1998年1月29日(木)《BN》
【AXIS:桑野 佳織・桑野 詩織・桑野 絵梨花・富田 さやか・沖本 蓮香】
「えー、そうなんだー。詩織ちゃん、今日が誕生日なんだ。おめでとう」
「ありがとうございます、今日で11歳になりました」
お冷を持ってきた富田 さやかに声をかけられた桑野 詩織は満面の笑顔で返事を返した。ここはゲーム&喫茶『AXIS』喫茶部。現在18時を少し過ぎた時間であり、この時間は客の数が少なく、店内は比較的落ち着いた雰囲気となっている。先程3人で来店した桑野 佳織と詩織、桑野 絵梨花の3人は空いているテーブルに腰掛けてメニューに目を通す。するとお冷を持ってきた富田に対して、佳織が今日3人でやってきた理由を話したのである。
「誕生日だし、どこかで外食でもする?って詩織に聞いたらここが良いって言ったので連れてきたの」
嬉しい言葉を聞いて上機嫌になった富田が笑顔で冒頭の言葉を詩織に投げかけたのである。
「じゃあとりあえず任せてもらえれば誕生日っぽい料理をお作りしますよ」
「それでお願いしようかしら」
料理の提案をした富田の言葉を聞いて、佳織はそれでお願いする。すると富田は笑顔を浮かべて厨房へと戻っていった。
「私、あっちで遊んでくるー」
先程からキッズスペースを見つめていた絵梨花がそちらに向かって駆け出して行く。現在キッズスペースでは沖本 蓮香が掃除をしていた。
「こんにちは。いろいろおもちゃがあるから好きに使ってね」
「知ってるー。ありがとう」
この2人は初対面であり、沖本はキッズスペースについて簡単に説明したが、絵梨花は何度か来たことがあるので、返事も簡単におもちゃの場所へと直行する。
「じゃあちょっとお姉さんも料理を作ってくるから、1人で遊んでてもらって良いかな」
「良いよー」
ちょうど掃除も終わったこともあり厨房の手伝いが必要なので、ここを離れることを告げる。すると絵梨花が簡単に返事を返したので、仕事に戻ることにした。ちなみにこのキッズスペースは店内のどの席からでも視線が通るようになっているので、誰かついていなくても基本的に大丈夫なように設計されている。このまましばらく時間がすぎてテーブルにはたくさんの豪華な料理が並ぶ。そして、ホールケーキとはいかないが、『AXIS』で通常提供するケーキの中では1番大きサイズで誕生日を祝うことになった。
「じゃあ詩織誕生日おめでとう」
「お姉ちゃんおめでとう」
この佳織と絵梨花の言葉で誕生日の食事が開始され、3人は楽しい時を過ごす。そして飲み物を富田が補給しに来たタイミングで絵梨花が口を開く。
「私も誕生日ここでやりたーい」
どうも今日の誕生日が気に入ったらしく自分の誕生日もここに来たいということらしい。
「ありがとう、絵梨花ちゃん。絵梨花ちゃんの誕生日はいつなの?」
誕生日を知らないので質問した富田に絵梨花が笑顔で返事を返す。
「来月の23日。そこで絵梨花8歳になる」
「そう、じゃあもし必要ならでっかいケーキと料理を準備しておきますね」
このように返事をしながらさやかが佳織に視線を向けると、軽い笑顔を浮かべて頷いているので、来月の23日は絵梨花の誕生日会もここで行われることが決まったようである。
