2025年11月12日(水)《GB》
《今日は仕事でちょっとしたミスをしてしまいました。昔の部署に軽く迷惑をかけてしまい申し訳ない。反省》
【熊大第9迷宮:煉獄さーん部隊】
「ティリオス!」
呪文を詠唱した本田 明梨の足元から弧を描きながら魔力が地面に沿って進んでいき、ボスである紫の戦士に到達すると光が天に向かって登っていく。
「ティリオスとはまさか・・・あの・・・」
驚きの表情を浮かべながら何かを悟ったような紫の戦士は静かに消滅を開始した。ここは熊大第9迷宮。煉獄さーん部隊は本日も地下3階を訪れている。まずは本日もボス部屋の前まで移動して、峰 隆一郎が扉の罠解除を試してみる。すると見事に解除に成功したので、これでボス戦が可能になったのである。第9迷宮は第2迷宮や第4迷宮を模して作られているので、そうであればここのボスはティリオスの呪文で倒すことができ、逆に言えばティリオスがないと倒すことが出来ない。魔術師の本田 明梨は先日ティリオスを習得しているので、おそらくこれでボスを倒すことは可能であろう。
「どうするー?ちょっと戦って見たいよね」
「そうだな。倒せないとなれば明梨の呪文で倒す流れで良いと思う」
ボス戦の作戦について前田 梨奈が口にし、それに村田 慎之介が意見を述べる。もしティリオスで倒せるのであれば初手でティリオスを唱えて倒すというのが1番安全ではある。ただ、初めて遭遇するボスでもあるので、ある程度の情報を収集しておきたい気持ちもあるのだ。
「私はどうでもいいですよー」
「俺もー」
話の流れについて本田が感想を口にし、池田 翔太も同じ意見だと述べる。結果、出現したボスとしばらく本気で戦ってみて、やはり倒せそうにないようであればティリオスを詠唱することに決めた。
「じゃあ慎之介よろしく」
この前田の声を聞いて、村田が思い切り扉を蹴破って中に侵入する。するとそこには紫色のボスが存在しており、侵入に気づいて冒険者たちの方を向いた。
「TNT爆発」
「無効」
戦闘開始に合わせて本田がTNT爆発、池田が無効を唱える。この呪文が効くのかどうかはわからないが初手に唱えるのは定石である。
「行っくよー」
気合を入れて叫んだ前田がボスに迫って行き、その後ろから村田と渕上 彩菜も続く。戦士3人が向かってくる状況であるがボスは焦りもせず、ファイティングポーズを取る。見ると特に手に武器は持っていないようだ。戦士3人が激しい攻撃を続けるが、ボスには攻撃を的中させることができず、ダメージを与えることが出来ない。回避能力が非常に高いらしく、このままだと体力だけが消耗してしまいそうだ。すると一瞬動きが止まったボスは構えに力を込める。
「奥義、魔王茨」
こう静かにつぶやいたボスは村田に向かって掌底を繰り出す。これを避け損ねた村田は直撃を喰らってしまい後方まで吹っ飛ばされ壁に激突した。
「うっそ、やばい」
「これやっぱり勝てんかもね」
先程までの学習で攻撃は簡単に当たらないことと、ボスの攻撃を喰らうとヤバすぎることがわかり、前田と渕上は攻撃の手がとまる。後方では吹っ飛ばされた村田の場所に池田が移動し、回復を行っているようだ。
「明梨ー、やっぱり厳しいみたいだから、呪文お願いー」
この前田の声を聞いて、本田は呪文の詠唱を開始する。呪文の詠唱が終了するまで、ボスが再度奥義を繰り出すことはなく、前線は睨み合いの状況が続く。そして本田のティリオスの呪文が炸裂し、その効果によって予想通りにボスは消滅したのであった。
「お疲れ様。物質回収します」
すれ違うように峰が物質回収に向かい、戦士2人は村田の場所まで移動する。かなり大きなダメージだったはずだが、心配したほどではなかったらしく、池田の回復でほぼダメージは無くなったようである。この後は回収が終わるのを待って、本日の探索を終えることにする。予定では次回から地下4階探索となるが、第2、第4迷宮の傾向では地下4階は絶魔探知が効かないことが予想されるので、厳しいことは間違いないがこれはこれで次回の楽しみとしたのであった。
◆煉獄さーん部隊
前田 梨奈 64期 戦士(神技) 5回生
村田 慎之介 64期 戦士(起源) 5回生
渕上 彩菜 64期 戦士(予知) 5回生
峰 隆一郎 64期 罠解除士 5回生
池田 翔太 64期 僧侶 5回生
本田 明梨 64期 魔術師 5回生
