石ころは、AIに渡せる──AIの答えを変える「違和感」の拾い方
〜8月17日 00:00
元病院事務がAIで副業に挑戦している実録です。
初めての方はこちら👇
同じ質問を、AIに三回投げたことがあります。
答えが変わったのは、一回だけでした。
vol.22で書いた検証です。
・経験だけを渡した一回目
・数字を足しただけの二回目
・当時見た表情や声のトーンだけ渡した三回目
三回目だけ、返ってくる答えが違いました。
医師への増収指導の場面で、資料から一瞬だけ逸れた視線と、長く続かなかった笑い。
それを渡した時だけ、AIは「相手の現状を聞く時間を先に取る」と返してきました。
数字を足した二回目は、ただ丁寧になっただけでした。
これまでAIに渡してきたものの大半は、二回目の方だったと思います。
数字や状況を丁寧に説明したつもりで、実は一番大事なものを削って渡していました。
AIで楽をする方法を探している方には、少し遠回りに感じるかもしれません。
でも、
「AIの答えがいつも似てしまう」
と感じている方には、役立つ内容になっています。
病院事務の話じゃない
vol.22を書き終えてから、これは病院事務に限った話ではないと気づきました。
接客でも、営業でも、教育でも、子育てでも、人と関わる場面には違和感が転がっています。
相手の声が一段落ちた瞬間。
文面の温度がいつもと違う瞬間。
目の動きが一瞬泳ぐ瞬間。
それに気づけるかどうかは、職種ではなく、日頃どこを見ているかで決まります。
営業なら、カタログを見せた瞬間の、お客様の相槌が一拍遅れる感じ。
教育なら、「わかった」と言った生徒の、目線がわずかに下がる感じ。
接客なら、「大丈夫です」と言われた後の、レジ前の間。
それをAIに渡すだけで、次にかける一言まで変わります。
全部、違和感です。全部、渡せます。
石ころの拾い方は、業種が変わっても同じです。
ただ、気づいた違和感を、そのままAIに渡せている人は多くありません。
数字や事実だけを渡すのが正しい質問だと思い込んでいるか、そもそも渡し方を知らないか、そのどちらかです。
今回のnoteは、その両方をはっきりさせるために作りました。
中身について
AIに渡す情報を変えるための、ワーク・型・記録アプリまでまとめました。
石ころを拾う方法(ワーク)と、AIに渡す形にする方法(型)。この二つを文章で説明しています。
①石ころを拾うワーク:
1日1つ、「あれ?」と思った瞬間をメモする練習です。詰まりやすいポイントを先回りして解説しています。
②AIに渡す「型」:
拾った違和感をAIに渡す際、どう言葉に詰まり、どう言い換えたか。過程ごと共有します。
そして、この二つを実際に毎日使うための場所として、専用の記録アプリを作りました。
(※アプリと言っても、会員登録不要でスマホのブラウザからURLを開くだけで誰でも秒で使えるシンプルなものです。)
文章を読んだだけで終わらせないためのものです。
今日感じた「あれ?」をアプリに書き込むと、そのままAIに渡せるプロンプトが自動で組み立てられます。
記録は消えずに残るので、1週間後に見返して、一番強く引っかかったものを選ぶところまで、アプリの中で完結します。
ワークも型も、このアプリを使うと、日々の習慣になります。
最初から繊細な観察眼があったわけではありません。
ある日は、「あれ?」と思ったことを何も思い出せませんでした。
夜になって、そういえば同僚が返信を後回しにしていた、とようやく引っかかりを思い出した日もありました。
最初から見えていたわけではなく、拾い方に慣れていっただけです。
経験の年数も関係ありません。
拾う練習は、今日からでも始められます。
少しだけ、渡し方の違いを見せます。
Before:お客様に資料を見せたが反応が薄かった。次にどう提案すればいいか。
After:資料を見せた瞬間、お客様の相槌が一拍遅れた。ページをめくる速さも、いつもより遅かった。次にどう提案すればいいか。
変えたのは、「反応が薄かった」という一言を、相槌の遅れとページをめくる速さという事実に置き換えただけです。
それだけで、AIに渡る情報の質が変わります。
どう変わるか、実際にどんな答えが返ってくるかは、有料部分で比較して見せます。
AIに任せているわけではありません
AIは万能に見えます。
何を渡しても、それらしい答えを返してくるからです。
先ほどのBeforeの例も、間違った答えではありませんでした。
ただ、丁寧なだけで終わっていました。
自分はAIに丸投げしている感覚はありません。
丸投げした答えは、結局、誰が聞いても同じものになります。
石ころを拾って渡すのは、その逆です。
自分にしか見えていない一瞬を、自分の言葉でAIに渡して、考えを引き伸ばしてもらっています。
AIは代わりに考えてくれる道具ではなく、自分が見たものを増幅させる道具だと思っています。
ここに書いているのは、AIに「まとめて」と頼んでも出てこないものです。
型の説明だけならAIにも作れますが、どこで詰まったか、何を見て何を見逃したかという実際の過程は、渡した本人しか書けません。
vol.22で書いた通りです。
AIは何も変えていません。変わったのは、渡す側の見る目でした。
こんな方へ
「AIに聞いても一般論しか返ってこない」と感じている方へ。
型を知らずに使い続けると、この先も「誰でも出せる答え」をもらって満足するだけになります。
読み終えたあと、次に違和感を覚えた瞬間、AIに何を渡すか。その判断が変わるはずです。
プロンプトのテクニックだけを効率よく知りたい方には向きません。
ここに書いているのは、テクニックの手前にある、日常の見方の話です。
得られるもの
AIの答えをコピペして手直ししていたなら、読んだ後は、対話しながら自分にしかない中身を組み立てるようになります。
想像してみてください。
来週、誰かに何かを提案する場面があるとします。
これまでなら、資料をまとめて、AIに「どう提案すればいいか」とだけ聞いていたはずです。
読んだ後は、その前に一つ思い出します。
相手が資料のどこで一瞬止まったか。
声のトーンがどこで変わったか。
その事実だけをAIに渡します。
返ってくる提案は、どこかで見たような一般論ではなく、その相手だけに向けた提案になっています。
渡すものが変わるだけで、出てくるものが変わる。
それを、次の一回で確かめられます。
・違和感を、毎日拾う習慣が身につく
・拾った違和感を、そのままAIに渡せる言葉にできる
・記録からAIへのプロンプト作成まで、専用アプリ一つで毎日完結する
・AIの答えが「誰でも同じ」から「自分にしか出せない」に変わる
・報告や提案が、「どこかで見た内容」から「自分にしか書けない中身」に変わる
・テンプレートではなく、迷った過程ごと手に入る
・病院事務に限らず、どんな仕事でも使える型が残る
冒頭一文だけ、見せます
先ほどの「カタログ」の例に、AIがどう答えたか。冒頭だけ見せます。
Before(一般論)の書き出し:「お客様の関心事を改めてヒアリングし、資料の内容を『御社の課題をどう解決できるか』という視点に絞って……」
After(石ころを渡した)の書き出し:「提示した資料の内容が、お客様の想定や既存の認識と少しズレている可能性があります。まずは『今の部分、少し分かりにくかったでしょうか?』と……」
一文目から、もう違います。
この続き、どう提案が組み立てられていくかは、有料部分でBefore/After丸ごと比較して見せます。
この一文の違いは、プロンプトの違いではありません。
あなたがAIへ渡した「見えていたもの」の違いです。
ここで、一つだけ確認してみてください
ここまで読んで、
「言われてみれば当たり前だ」
「自分も似たようなことは見ている」
と思った方へ。
今日までの24時間を思い出してください。
誰かと話した瞬間。
仕事をしていた瞬間。
何かを見た瞬間。
「あれ?」と、ほんの少し引っかかった場面を一つだけ選んでください。
そして、今ここで書いてみてください。
状況:何が起きていたか
違和感:何が、どう違ったのか(事実だけ)
30秒あれば十分です。
...
…..
........
書けましたか?
「なんとなく変だった」
「いつもと違った気がする」
までは思い出せても、
事実だけで説明しようとすると、意外と手が止まります。
感じることと、取り出すことは別の作業だからです。
今、その感覚を、体験したはずです。
AIに一般論しか返してもらえなかったのも、同じ理由です。
渡す側が、事実を取り出せていなかっただけです。
AIに渡す前に必要だったのは、良いプロンプトではありません。
見えていたものを、取り出せる形にする力です。
AIに答えをもらうたび、少しだけ怖くなったことはありませんか?
いい答えが返ってくるほど、自分の頭で考える時間は、必要なかったのかもしれない。
AIはすごい。
でも、自分には何が残るんだろう?
そう思ったことが、一度くらいあるかもしれません。
石ころを拾う練習は、その感覚への、自分なりの答えです。
ここまで読んで、「今度から少し注意して見てみよう」と思ったかもしれません。
でも、意識するだけでは、明日にはまた「なんとなく変だった」に戻ってしまうと思います。
先ほどの「反応が薄かった」も、そうでした。
放っておくと、頭に残るのは、事実ではなく、自分が受け取った意味の方です。
一人で続けようとしても、たいてい三日で『なんとなく』に戻ります。
だから、自分は最初から仕組みにしました。
必要なのは、意識ではなく、事実だけを取り出す仕組みです。
一度できるようになることより、毎日続けられることの方が難しいと思います。
だから、この先では「拾える日」を作るのではなく、「拾い続けられる仕組み」として、型と記録アプリを渡します。
なぜ拾う練習がいるのか
あの三回の実験には、まだ種明かしできていなかったことがあります。
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7月24日 19:00 〜 8月17日 00:00
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