酒豪サンタの贈り物
私の父はお酒が大好きだ。
晩酌が日課で、一升瓶を1日であけることも珍しくない。
画業をしていた父の元には生徒さんや関係者からのお歳暮やお中元が届くけれど、それは決まってお酒だった。
私は、たまにあるお酒とジュースのセットに心を躍らせる幼年期を送った。
お酒が大好きな父は、甘いものを絶対に食べない。
年に一回ぐらい、正月に一口あんこを摘むぐらいで、
あとはどんな時も甘いものは食べない。
「大酒飲みあるある」な気がする。
私が、お歳暮の時期にもう一つ楽しみにしていたもの。
それは、クリスマス。
クリスマスには、我が家にもサンタクロースがきた。
「あむあむたまご」「人生ゲーム」に「ミニビリヤード」
家族で楽しめるものを持ってきてくれるサンタさんだった。
サンタさんの絵本を読んでは
「うち煙突ないけど大丈夫かな?」
「家の場所わかるかな?」
と、よく母に言っていた。
そんなことがあったからか、ある年から
母と一緒に、サンタさんに手紙を書くようになった。
欲しいものや、住所、サンタさんへの質問などを書いていた。
2階にある自分の部屋の「窓の鍵を開けてます。」などと書いて、
「サンタさんが絶対に迷わず来れるようにしよう!」と強く思っていたことを思い出す。
手紙を初めて書いた年、サンタさんから手紙が返ってきた。
それは英語で書いてあって読めなかったので、父に訳してもらった。
手紙が嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。
小学4年生ぐらいになった頃だっただろうか。
にわかに、「サンタさんはいない」説が世に出回り始めた。
他の家では、「家の人」がサンタさんをしているらしい。
なんてことだ。本当かなぁ?
ちょっとだけ、そんな話が耳に入りながらも私は、サンタさんの存在をまだ信じていた。
手紙をもらった翌年の私は、毎年のお手紙に加えて、
母と焼いたクリスマスケーキを
「サンタさんにプレゼントしたい。」と言い出した。
そして、一切れのケーキをお皿に乗せて、ベッドサイドに手紙と共に置いて眠りについた。
12月25日。
朝が来た。
そこには、大きな箱のプレゼントと、英語の手紙と、
そして、一口だけ食べられたケーキ。
『…サンタさんが、ケーキを食べてくれた!』
その喜びが私の中を駆け巡る。
同時に、サンタさんは「絶対にいる!!」と思った。
とはいえ、まだサンタさんは家の人説が頭の中にあった私は、
父に、「お父さん食べた?」と確認した、
返ってきた返事は、
「お父さん、甘いもの苦手だから、食べられないよ。」
やっぱりそうだよね。お父さんが食べるわけない。
母は、寝たら朝まで起きないので、プレゼントを置けるわけない。
「サンタさん」が確固たる存在になった。
「サンタさん」への気持ちは、中学一年生で、おばぁちゃんに脆くも崩れさせられるのだが、それ以降も、父はずっと、
「ケーキは絶対に食べられない」と言う。
あの日のケーキを食べたのは、きっとサンタさんだ。
私も結婚して、家族ができた。
我が家に今年も、サンタさんがやってくる。
さぁ、贈り物の準備をしよう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます😌
こちらの記事は、11月7日から、私とこたらさんで行っている企画の応募記事です。(実は応募要件の1225文字以下に合わせて、1225文字ぴったりです⭐️)
今回の企画で、ちょっとクリスマスを思い出した時に、私の一番最初に思いついた「#忘れられない贈り物」は、この出来事でした。
若い頃、それなりに好き勝手過ごしていた私は両親に心配をかけたことも多かったことと思います。
本当によくよく言われていますが、自分が親になって、親の気持ちが痛いほどわかるようになりました。
そんな父が実は昨日誕生日だったんです。
実家は遠方になり、父親と話す機会はめっきり少なくなりました。
父には恥ずかしくて普段直接言えないことも多いけれど、感謝している思いをこのnoteに込めました。
あなたにとって忘れられない贈り物はありますか?
あなたの物語もぜひ、聞かせてください▼
こたらさんからの心のこもった感想と、限定のスキ画像という特別なクリスマスプレゼントも準備中ですので、ぜひ参加してみてください🌸
みんなでnoteの街を+1℃できたらいいな😌
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