#143 “自分には向いていない”は、やる前の思い込みかもしれない
「これは自分には合わない」と、先に決めてしまう
何か新しいことに出会った時、
人は思っている以上に早く判断してしまう。
「自分には向いていなさそう」
「たぶん面白くない」
「自分の強みは活かせなさそう」
まだ深く知りもしないうちに、
自分の中でそっと線を引く。
もちろん、
すべてに挑戦する必要はない。
時間も限られているし、
自分に合うものを選ぶことも大切だ。
ただ、
“やってみる前の印象”だけで、
自分の可能性を閉じてしまうのは少しもったいない
と思っている。
得意不得意は、本当に自分で決めたものなのか
自分の得意なこと。
自分の苦手なこと。
それは確かにある。
でも、
今自分がそう思っているものの中には、
実は曖昧な根拠しかないものもある気がする。
過去に少し失敗した。
誰かに向いていないと言われた。
なんとなく自分の性格と違う気がした。
周りのイメージに引っ張られた。
そんな経験の積み重ねで、
「自分はこういう人間だ」
「これは自分には向いていない」
と決めていることがある。
でも、
それは本当に事実なのだろうか。
やる前は、面白くないと思っていた仕事
自分自身、
以前コールセンターの仕事を経験したことがある。
正直に言うと、
やる前はそこまで前向きな印象を持っていなかった。
決められた案内を繰り返す仕事なのかな。
自分が強みだと思っていた
コミュニケーション力や行動力は、
あまり活かせないのではないか。
そんなふうに考えていた。
でも、
実際にやってみると、
そのイメージは大きく変わった。
思っていた以上に、人と向き合う仕事だった
電話の向こうには、
全国にいる一人ひとりのお客様がいる。
同じ内容を伝えるにしても、
相手の状況や声の温度によって
言葉の選び方は変わる。
少し不安そうな方には、
安心してもらえるように伝える。
疑問を持っている方には、
何に引っかかっているのかを聞く。
怒っている方には、
まず感情を受け止める。
そこでは、
単に話す力ではなく、
相手の状態を想像する力や、
目の前の一人に合わせて関わる力
が必要だった。
自分が思っていたよりずっと、
人と向き合う仕事だった。
「向いていない」と思っていた場所に、学びがあった
さらにその仕事を通して、
お客様との会話だけでなく、
人と働く上で大切なことも学んだ。
チーム内での情報共有。
見えない相手への想像力。
限られた時間で状況を理解すること。
相手の不安を自分勝手に決めつけず、
まず聞くこと。
もし最初の印象だけで
「これは自分には合わない」と避けていたら、
こうした学びには出会えていなかったと思う。
やってみたからこそ、
自分の思い込みに気づけた。
自分に合うかどうかは、経験した後に決めても遅くない
もちろん、
実際にやってみた結果、
「やっぱり違った」と思うこともある。
それはそれでいい。
ただ、
始める前の想像だけで決めるのと、
一度経験した上で判断するのとでは、
意味がまったく違う。
前者は、
自分の可能性を狭める決断になりやすい。
後者は、
自分を知るための経験になる。
だから、
少しでも気になるなら、
少しでも縁があるなら、
一度やってみることには価値があると思う。
向いているかどうかは、
やってから考えても遅くない。
最後に
自分には向いていない。
自分の強みは活かせなさそう。
きっと面白くない。
そう感じることはある。
でもその判断が、
本当に経験から生まれたものなのか、
ただの思い込みなのかは、
一度立ち止まって考えてみたい。
人は、
やってみた先で初めて
自分の新しい一面に出会うことがある。
思っていたより楽しめる。
意外と力を発揮できる。
予想もしなかった学びがある。
自分の可能性は、
頭の中で考えているだけでは広がらない。
動いてみた先で、少しずつ見えてくる。
だからこそ、
最初の印象だけで
自分に線を引きすぎないようにしたい。
