#144 成長が止まったのではなく、成長の物差しが合わなくなっただけ
「最近、成長できていない気がする」
ふと、そんな感覚になることがある。
前より仕事に慣れた。
できることも増えた。
周りから任せてもらえることもある。
それなのに、
昔ほど「自分は成長している」という実感が湧かない。
新しいことを覚える機会が減ったからなのか。
刺激が足りないからなのか。
今の環境に慣れすぎたからなのか。
そんなふうに考えることもある。
でも最近は、
本当に成長が止まったのではなく、
成長を測る物差しが今の自分に合わなくなっているだけかもしれない
と思うようになった。
若い頃の成長は、分かりやすい
学生の頃や、社会人になりたての頃は、
成長が比較的見えやすい。
知らなかったことを覚える。
できなかった仕事ができる。
任されることが増える。
周りから褒められる。
結果が出る。
昨日までできなかったことが、
今日できるようになる。
そんな変化が多いから、
自分でも成長を実感しやすい。
言い換えると、
この頃の成長は
「できることが増えること」
として捉えやすいのだと思う。
でも、同じ物差しではいつか測れなくなる
もちろん、
大人になってからも新しいスキルは身につくし、
仕事の能力も伸びていく。
ただ、
最初の頃のように
目に見えて急激に変わり続けるわけではない。
ある程度仕事ができるようになると、
昨日と今日の差は見えにくくなる。
前より成長しているはずなのに、
実感だけが薄れていく。
そこで
「自分はもう伸びていないのではないか」
と感じてしまう。
でもそれは、
成長が止まったからではなく、
“できることが増える”だけを成長だと見ているから
なのかもしれない。
成長は、分かりやすいものばかりではない
たとえば、
以前より人の話を落ち着いて聞けるようになった。
すぐに反論せず、一度受け止められるようになった。
意見が違う人にも、その背景を想像できるようになった。
自分が焦っていることに、早めに気づけるようになった。
誰かを責める前に、自分の見方を疑えるようになった。
こういう変化は、
資格のように形に残るわけではない。
数字のように比較もしづらい。
でも、
人生や人間関係においては
かなり大きな変化だと思う。
成長は、外から見えやすいものだけではない。
内側で静かに進んでいるものもある。
“伸びていない”のではなく、“見え方が変わった”
若い頃は、
できることが増えるたびに
「成長した」と感じやすい。
でも経験を重ねるほど、
成長は少しずつ
能力の足し算だけではなくなっていく。
どう判断するか。
どう人と向き合うか。
どう感情を扱うか。
何を大事にして選ぶか。
そういうところに、
人としての変化が表れてくる。
だから、
昔と同じ物差しで今の自分を測ると、
本当は進んでいるのに
止まって見えてしまうのだと思う。
成長実感が薄れた時に、見直したいこと
もし最近、
「前ほど成長していない気がする」
と感じたなら、
新しい刺激が足りないと決めつける前に、
少し違う角度から自分を見てみたい。
以前より、どんなことを受け止められるようになったか
以前なら反応していたことに、どう向き合えるようになったか
人との関わり方は、どう変わったか
自分の未熟さを、どれくらい冷静に見られるようになったか
そうやって振り返ると、
見落としていた成長が
意外とたくさんあるかもしれない。
最後に
成長が止まったように感じる時、
本当に止まっているとは限らない。
ただ、
今の自分に合った成長の見方を、
まだ持てていないだけ
なのかもしれない。
できることが増える成長も大事。
成果が出る成長も大事。
でもそれだけではなく、
人として少し深くなること。
物事の見え方が変わること。
自分や他人との向き合い方が変わること。
そういう変化にも、
ちゃんと目を向けていきたい。
成長の実感を失った時こそ、
成長が止まったかを疑う前に、
自分がどんな物差しで成長を測っているのかを見直してみる。
そこからまた、
自分の歩みが少し見えやすくなる気がしている。
