あの頃ノート vol.2|ふと思い出した「あの頃」を書き残していく、あの頃note|土曜の夜10時、金田一さんがやって来た
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ぱおさん的回顧録|土曜の夜10時、金田一さんがやって来た
小学生の頃、私には特別な時間があった。
土曜日の夜だけは、午後11時までテレビを見てもいいことになっていた。
今の感覚では少し不思議に思えるかもしれないが、当時の土曜日はまだ完全な休日ではなかった。
学校があった。
午前中だけ授業がある、いわゆる「半ドン」の時代である。
昼には家に帰り、午後は友達と遊ぶ。
そして夜になると、もうひとつの楽しみが待っていた。
土曜日だけは、夜更かししてもいい。
私にとって、それはちょっとした特権だった。
午後10時を過ぎると、テレビの中の空気が少し変わる。
子ども向けの番組とは違う。
大人の匂いがするドラマや映画が流れ始める。
親には内緒だが、昔でいうところの少しエッチなシーンが見られることもあった。ぱおさんも男なので、そこは正直に書いておきたい。
もちろん、それだけが目的だったわけではない。
いや、少しはあったかもしれない。
でも、あの頃の私が毎週土曜日の夜に楽しみにしていた番組があった。
午後10時から始まる、角川小説で出版されている小説を原作にしたドラマ版。特に印象深いのは、横溝正史原作の金田一耕助シリーズである。
そうです。
金田一耕助さんである。
私にとって「金田一さん」といえば、古谷一行さんだった。
後になって、いろいろな俳優さんが映画やドラマで金田一耕助を演じていることを知った。映画では石坂浩二さんの印象が強い人も多いと思う。
それはそれで、とてもよく分かる。
でも、私の中の金田一さんは、やはり古谷一行さんなのだ。
あの少し頼りなさそうで、どこか飄々としていて、でも事件の核心に近づいていく姿。原作みたいに?推理に悩むと長髪を掻き乱してフケを落とす。
そしてドラマは暗い村、古い家、複雑な人間関係、そしてどこか湿ったような怖さ。
小学生の私には、内容をすべて理解できていたわけではないと思う。
それでも、あの雰囲気だけは強烈に残っている。
土曜日の夜10時。親は午後10時ぐらいには寝ていた記憶がある。
家の中が静かになる。
テレビの音だけが部屋に流れる。
画面の中では、金田一さんが事件の謎を追っている。
子どもの私にとって、それは少し怖くて、少し大人で、少し秘密めいた時間だった。次の日が祝日で休みの時も、午後11時までテレビを見てもいいことになっていた。だから土曜日や祝前日の夜は、私にとって特別だった。
今のように、好きな番組を好きな時間に見られる時代ではない。
録画も配信も、当たり前ではなかった。
その時間にテレビの前にいなければ、見逃してしまう。
だからこそ、午後10時からの1時間には重みがあった。
そして、このドラマでもうひとつ忘れられないものがある。
エンディングの歌である。
『横溝正史シリーズ』は2シリーズあって、そのエンディングを歌っていたのが茶木みやこさんだった。
第1シリーズの「まぼろしの人」。
第2シリーズの「あざみの如く棘あれば」。
この2曲が、今でも好きなのである。
小学生の頃に、土曜の夜10時から見ていたドラマ。
少し怖くて、少し大人で、少し秘密めいていた金田一耕助の世界。
その最後に流れる茶木みやこさんの歌声が、子どもの私の記憶に残った。
当時は、歌手の名前をしっかり意識していたわけではなかったと思う。
でも、あの声とメロディーは残っていた。
大人になってから、何年か前に茶木みやこさんのベスト盤を買った。
もちろん、「まぼろしの人」と「あざみの如く棘あれば」が聴きたかったからである。

考えてみると不思議なものだ。
小学生の頃、親が寝たあとに、少し背伸びをして見ていた土曜夜10時のドラマ。そのエンディングの歌を、何十年も経ってから自分で探して、買って、また聴いている。
あの頃の土曜の夜は、ただのテレビの時間ではなかったのだと思う。
金田一さんの謎解き。
古い村や屋敷の怖さ。
そして、最後に流れる茶木みやこさんの歌。
それらがまとめて、私の中では「土曜の夜10時」の記憶になっている。

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noteも小説創作も全くの素人です。チップなんて2026年1月段階で貰ったことないです!正直どんなものか見てみたいものです。貰えるようにがんばってみます。