東京でチンアナゴになった夜
10月になり、環境変化が訪れた。
部署異動となり、研究現場から離れることになったのだ。今日からはマネジメント業が主体になる。
データを出す、という直接的な関与はもうできないんだけど、薬を作るという点ではこれからも新たな立場で貢献したい。
異動ということで、9月後半はいくつか壮行会を開いてもらった。9月最終日の昨日はこれまで一緒に研究を頑張っていた後輩たち主催の壮行会。
夕方まで静岡にいたんだけど、東京までとんぼ返りで会場に駆けつけた。
かわいい後輩達に送ってもらえて、ビールももんじゃ焼きもとても美味しく最高の時間だった。
京都生まれなので、もんじゃ文化で育ってこなかったわたし。土手を作って丁寧に焼いたと思ったら、結局混ぜちゃうその不思議な工程に興味津々だった。チーズもち明太とか、カマンベールなんちゃらとか、マーラーなんちゃらとか、なんか分からないもじゃもじゃしたものを沢山いただいた。
なによりビールもプレモルが半額フェアで1杯150円だった。ここは野毛か? と思いながら、それはもう酒が進んだ。
気がつけば1枚も写真を撮ってなかった。それくらい、一緒に飲むひとときを楽しむことができた。
悲劇はその後起きた。
みんなと別れて電車へ乗って、ガタゴト動き始めた瞬間……急にそれはやってきた。
やばい……きもちわるい……。
このまま我慢して25分耐えられるか?
いやいやいや、ムリムリムリムリムリ。なんなら今この瞬間電車から飛び降りたい。せめて水を買っとけば良かったけど、手元に回復アイテムは何も無い。
とりあえずなんとか次の駅までは頑張ろう。その先のことは後で考えればいいさ。
飲みすぎる度に味わうこの苦しさ。人生で何十回目か分からない同じ失敗にうなだれながら、なんとか3分耐えた。
その間にも目の前がぼんやりしてきて、意識が飛びそうになる。
何とか駅に着き、ホームに出たはいいけど、だめだ。動けない。1ミリでも体を動かすと、マイトンじゃない何かがあふれ出てきそうだ。
恐らくここから数分か10分くらい意識を失っていたのだけど、きっと地面から顔を出すチンアナゴみたいな姿勢で固まっていたと思う。東京のひとは忙しい。火曜の夜からホームにチンアナゴが出現しても誰も気にとめない。
だけどチンアナゴタイムは思いのほか効果的だった。
気がつくと、真っ白だった視界が少しずつ元に戻り、自分が家にはまだまだ遠い駅のホームに佇んでいる現実を理解できた。
よし、動ける。
と、とにかくトイレへ。そして水を買おう。
一通り回復ポイントと回復アイテムを全て使い、真っ白な顔で再び電車に乗る。
気が付くと、随分と車内も空いている。席が空いているが、あそこに座るともう「あしたのジョー」になる未来しか見えない。なんとしても立つんだ。立つんだ、マイトン……!!
次に気が付くと、なぜか席に座ってすっかり寝ていた。
こ、ここは?? ちょうどどこかの駅に着いたタイミングだったので、駅名を確認する。
くっ……! やっちまった……!!
2駅乗り過ごしとる……!!!
まずは自分の生活をマネジメントできるように頑張ります。
今日は私の壮行会だったのですが、無事たっぷり飲んで送られてきました🥹…
— えむのマイトン@京大薬博士の読むサプリ出します (@miton4890) September 30, 2025
チンアナゴを岩男さんに贈ります🥹
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