秋ピリカグランプリ応募作品 『紙に踊らされる國』
昨今よく聞く『SDGs』
持続可能な未来に向けて、世の中の様々な記録はデータで管理されるようになった。
企業や学校、あらゆる場面でペーパーレスを徹底した結果、世の中には紙が大量に余ってしまった。
余った紙をどうするか?
政府は頭を悩ませた。
かつて使い道のないマスクを大量に作った時のように、今度は紙の使い道を考えねばならぬ。
そこで政府は密かに癒着しているいくつかの企業に相談した。
「余った紙を国民に気付かれないように上手に処理する方法を今すぐ考えて!おねがい!」
結果、ある新規事業が開始されることになる。
『ビリビリ喫茶』
通称ビリカフェ。
ストレスを抱える現代人の皆さん!
紙をビリビリ破いてストレスを解消しよう!
ビリカフェは予想以上にバズった。
ワンドリンク制だが、30分無制限で紙をビリビリできる。
もちろん、ビリビリした紙を掃除する必要なんてない。
破って散らかしてスッキリする。
とにかく皆気が狂ったように紙を破った。
ビリカフェブームに乗っかり、『美女に破った紙を投げつけてもらえるサービス』を展開する裏ビリカフェも現れた。中にはコスプレを絡ませたコンセプチュアルな店もできた。
こちらは密かに連日行列ができる賑わいを見せた。
またビリカフェの誕生を特に喜んだのは、『タウンページニキ』と呼ばれる者たちだった。
『タウンページニキ』とは、タウンページや少年ジャンプのような分厚い本を素手で破ることが生きがいの変態たちだ。
ペーパーレスのせいで破る対象を失い、生きる気力すら失いつつあった『タウンページニキ』たち。
そんなニキたちの筋肉が再び目を覚ました。
『タウンページニキ』の快進撃は凄まじかった!!
あっという間に、紙の在庫が尽きる店が続出した。
需要と供給のバランスが崩れ、貴重な紙を高値でビリカフェに横流しする業者も現れる始末。
こうなると本末転倒だ。
『タウンページニキ』たちの悲痛な叫び声が聞こえる。一旦閉じ込めていた欲望に再び火をつけられた彼らを誰も止めることはできない。
「もっと紙を!もっと破らせてくれぇ!!」
理性を失い紙を破り続けるニキたちの姿は瞬く間にネットで全世界へ拡散された。
こうして、かつては『神の住まう國』と呼ばれた我が国も、いつしか『紙に踊らされる國』と揶揄されるようになった。
なんのはなしですか
(970字)
ピリカさま、初めまして。
こちらに応募させていただきます。
楽しく書かせていただきました。
よろしくご査収くださいませ。
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サポートいただきありがとうございます😊嬉しくて一生懐きます ฅ•ω•ฅニャー