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金子三勇士さんのバルトーク その魅力に小5娘は一聴で、私は3度目にして開眼

他のピアニストにはない金子三勇士さんの魅力は…たくさんあるのですが、まずは、「好きなことを極める格好良さ」と「文化・歴史への敬意」…と感じます。

そもそも、金子三勇士さんご自身は2歳の頃、ゾルタン・コチシュ氏が演奏するバルトーク  “子どものために”  を何度もループ再生して聴き、音楽の格好良さにのめり込みピアニストになりたいと思ったそうです。

そして、小学5年生だった我が娘は、金子三勇士さんのデビュー5周年のリサイタルでバルトークのピアノ・ソナタに初めて触れてから、その演奏に憧れ熱心にピアノに取り組むように変化しました。

娘が“面白い!”と言って好きになったバルトークのピアノ・ソナタの良さを私も理解したい…とリサイタルで2回聴いた後、CDでも聴いてみましたが、お馴染みのショパンやリストの名曲と明らかに曲調が違うため、本当に戸惑うばかりでした。

娘が初めてサインを頂いた金子三勇士さんのバルトークが収録されたCD。
サイン会では、「バルトークが好きですか?」と聞かれたようですが
緊張していた小5の娘は “…聞こえなかった” とか

“バルトーク” その奥深さ、面白さ、素晴らしさに直ぐに気づいた娘と気づくまでに時間がかかった私…。

…やはり、子どもの頃、バルトークのピアノ・ソナタを聴いた場合と大人になってから聴いた場合とでは当然のように聴き方が違うようです。

乳幼児から小学生くらいまでは、音楽を聴くと自然と身体が動く純粋な喜びや驚きがあり、シャワーを浴びるように全身で音楽を感じるそう。
…新しい音楽にもオープンで偏見も少なく、短期間で適応…

それに比べて、思春期以降の大人は、感情の記憶、ノスタルジー、全体の文脈で音を捉えているとか。
…新しい音楽に保守的になりやすく、10代から20代の好みが一生のベースになる人が多い…

保守的だった私が、バルトークのピアノ・ソナタを受け入れられたのは、3度目のリサイタルで、まさに浴びるように音楽の鼓動を全身で受けて、ドクドクと脈打つ感じが帰宅後も、3日間続いたからです。

自分自身の身体の変化が不思議で面白いと思いました。単純に“好き”というレベルを超えているようでした。バルトークの音楽に惹かれるというのは、過去から現在まで私達の身体が記憶している事のようにも感じるのです。

彼のピアノの音は、“生きている”クラシック音楽を見事に体現した“本物の音楽”と思いました。…それは、金子三勇士さんがバルトーク国際ピアノコンクールで優勝したという受賞歴があるから、という理由からではありません。彼は、伊達に格好良く演奏しているのではなく、「好きを極める格好良さ」があるのです。

子どもの頃の聴き方が出来るようになり、特に、娘の「勉強」のためではなく、金子さんの音楽を通じて娘と自由に「遊ぶ」ことが出来るようになったのは嬉しかったです。将来は日本画家になりたいという娘が音楽を聴いてイメージするものを絵にしてもらうと、彼女のバルトークの世界は私の予想以上に自由で多彩で、次はどんな絵になるのだろうと、ワクワクしました。

バルトークの “ルーマニア民俗舞曲 6速い踊り” を聴くと
どんなことを思い浮かべるか…
小5の娘に絵を描いてもらいました

本物の芸術体験というのは、子どもの頃に触れることであらゆる変化が起こるのでは…と感じます。娘は音楽の一曲一曲に色が見えると話し、“きらきら星変奏曲”はラピスラズリ、“革命のエチュード”はピーコックブルー、“幻想即興曲”はヒアシンス…などなど。音楽を聴くことで目に見えない色を娘は感じていることを知りました。

それまで、子どもに知識や教養を身に付けさせたいと、書道、ピアノ、華道、水泳…など、どの習い事に通わせても、彼女の独創性を知る事とは直接結びつきませんでした。習い事や学校の勉強だけでは知り得ない、娘の特性を知ったことで、型にハマった子育てから個性を尊重する子育てとは…?と改めて考えるようになりました。

また、私自身も、金子三勇士さんの演奏を聴くたびに、子ども時代の出来事を思い出し、懐かしい人の顔や匂い、手触りから、その時感じていた気分まで、普段忘れていた記憶がまざまざと蘇って来るのです。子どもの頃、自由に楽しく遊んだ記憶は幸せな宝物…としみじみ思います。

金子三勇士さんが、遊びを極めた原点にバルトークの音楽があり、ハンガリーの音楽教育がある…ハンガリーという国への興味、関心も湧き、音楽や食文化、言葉を知りたい…と子どもの好奇心のように興味や関心がつきることはありません。彼の存在はピアニストであり、外交官でもあり、国と国の架け橋でもあると思います。

子どものためのバルトーク国際ピアノコンクール

子どもたちに、本物の芸術体験をしてもらいたい…と、彼はライフワークとして、アウトリーチ活動を行ったり、2024年からは「日本=ハンガリー未来プロジェクト」のエグゼクティブプロデューサーとして文化交流を行ったり…社会貢献を積極的にしているところも大きな魅力です。

今年、ハンガリー子どものためのバルトーク国際ピアノコンクール2026 が行われます。プロジェクトでは、8月22日に派遣選考会を行い、選ばれた子どもたちはコンクール参加だけでなく、11月のハンガリー滞在中、様々な教育プログラムに参加できるそうです。

8月の国内選考会でハンガリー派遣が決まった子どもたちの渡航費、滞在費は全てプロジェクトが負担する特別な企画です。

どうかピアノを習われている小・中・高校生の子どもたちの多くが、本物の芸術体験を出来ますように✨️

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