『ときめきトゥーシューズ』#毎週ショートショート
芹香は、最近お気に入りのバレエスタジオを見つけた。
窓から見えるバレリーナたちの、引き締まった美しい脚線美。
( 私もあんな風になりたい…… )
「ご入会ですね。芹香さんはバレエのご経験は?」
「いえ、全くの初心者です。 でも、憧れの、あの『ときめきトゥーシューズ』を履きたくて!」
芹香が指差したのは、受付に飾られた桜色のトゥーシューズ。
「まあ素敵。あれが目標ですね」 にこやかに微笑む先生。
レッスン初日。
芹香はどきどきしながらレオタードに着替えた。
「先生! トゥーシューズはいつ履けますか? 来週?」
「トゥーシューズはね、魔法の靴じゃないのよ。あのつま先で立つために、まずこの『バレエシューズ』で最低でも三年、基礎練習が必要なの」
「さ、三年!?」
「そうよ。でもね…」と先生は続けた。 「三年後、あなたがトゥーシューズを履く頃には、あなたが憧れている『美脚』を手に入れているわ」
練習を始めた芹香 は、これまでにないほど、とめきいていた。
お題『ときめきトゥーシューズ』
今週の毎週ショートショートに参加いたします。
よろしくお願いします。
