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気まぐれ俳句鑑賞37『白粉花吾子は淋しい子かも知れず』波多野爽波
白粉花吾子は淋しい子かも知れず
波多野爽波
白粉花(おしろいばな)といえば、近所の幼稚園の門の脇に咲いている。そのせいか、この句は、幼稚園に子を迎えに来た際にふと目にした光景から生まれたのではないかと想像してしまう。
上五に置かれた季語「白粉花」は字余りである。ひと息に読めるため、さほど大きな違和感はないが、どこかひとつひとつの挙動がどうも枠に収まらず、はみ出して孤立しがちな子をうっすら思わせる。
「吾子は淋しい子かも知れず」と、こちらも字余りとなりながら言い留めているあたりからは、これまで知らなかった、我が子が子どもなりに生きている今という時間だけでなく、一生付きまといかねない淋しさの暗示すら感じてしまう。
夕方、辺りに漂い始めた「白粉花」の香りだけが、親の胸に、拭おうとしても拭いきれない予感のように残っている。
出典:『俳句歳時記 秋 第五版』角川ソフィア文庫
