吉川英治・『新・平家物語』第4巻
源氏再興の芽生え・・・。
太政大臣の職も襲い、もはや位人臣を極めた
相国・平清盛。後世に膾炙した
「平家にあらずんば人にあらず」の当時で
平氏一門はこの世の春を謳歌します。
何より戦乱を鎮め、「大輪田ノ泊」の
事業に乗り出すなど政治家として辣腕を
振るう清盛でした。亡き信西入道をお手本に
序々に清盛らしい政治も付け加えてゆきます。
吉川先生も“巷の平太”のころからの成長を
肯定的に描かれてますね。

池ノ禅尼の計らいで頼朝は伊豆に、常磐の3人の
和子はそれぞれ清盛に助けられ死一等を免れます。
平家物語の世界観である「因果応報・・・」、
平治の乱から十余年。諸国の特に、関東の源氏
ゆかりの人々は頼朝や常磐の末子・遮那王
のちの廷尉・九郎義経に期待をかけてゆきます。
源氏の郎党感覚は「一所懸命」や「御恩と奉公」
といった鎌倉武士の亀鑑となって行きます。
義経は関東を遊歴し奥州の藤原三代の下に身を寄せ
後年の活躍の下地となったであろう武将としての
陶冶を奥州王・藤原秀衡から受ける事となります。

まだまだ隆盛の平家一門ですが、潮が満ちるように
ひたひたと水面下では源氏再興の細胞分裂も
進んでいました。
「猛き者もつひには滅びぬ・・・」ということ。

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