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香港ハイエンド飲食:北上消費時代でも「元気な店」から見える街のリアル

今回もテニスやスポーツそのものの話題ではありませんが、海外生活や海外遠征・旅行で役立つ「現地の飲食事情」として、香港のハイエンド飲食についてまとめてみたいと思います。
前回の深圳ブログと合わせて読むことで、「なぜ香港の飲食は厳しく、ハイエンドだけが元気なのか」が立体的に見えてくるはずです。
前回の投稿はこちら:
👉 香港から深圳へ「北上消費」で知るリアルな深圳生活

なぜ香港の飲食店は厳しいのか
ここ数年、香港の街を歩いていると「閉店した飲食店が増えた」と感じる方は多いと思います。
2019年のデモ、2020〜21年のコロナと厳しい規制で、一時期の活気は明らかに失われ、多くの店が撤退を余儀なくされました。
そこに追い打ちをかけているのが、香港から中国本土への「北上消費」です。
週末になると、物価が香港の約3分の1とも言われる深圳・広州へ、飲食・マッサージ・買い物(コストコのような大型店での食料品のまとめ買い)を目的に、毎週数十万人規模の香港人が出境しています。
この人の流れにより、特に以下のような飲食店がビジネス的に厳しい状況に陥っています。

  • マスマーケット(大衆向け)の飲食店

  • 中途半端に高い価格帯のレストラン

香港の飲食店は、何より「賃料」が高い。
そのため、深圳との価格差を埋めるために値下げをしようにも、家賃水準が高すぎて大幅な値下げができません。
さらに、

  • スタッフのサービスクオリティが高くない

  • 価格帯は中途半端に高い
    という構図が重なると、どうしても「同じお金を払うなら、サービスも価格も納得感のある深圳へ行こう」となりがちです。

結果として、

  • 客足が減る

  • 価格は下げられない

  • サービス改善も進まない

  • 経営は厳しくなり、何とか凌ぐか、凌げなければ淘汰される

という悪循環に陥っているのが、現在の香港の飲食マーケットの一面です。
 
それでも「全く影響を受けていない」ハイエンド飲食
一方で、この北上消費の影響をほとんど受けていないのが、ハイエンドセグメントの飲食店です。
ここが、香港の面白いところだと思います。
ハイエンド店は、

  • 香港在住の方

  • 遠征、出張や旅行で香港に来る方
    問わず、「一度は訪れてみる価値がある店」が多く、むしろここにこそ香港経済の底力を感じます。

価格帯は当然高めですが、

  • 一日に2回転、多いときには3回転フル回転

  • 特に金曜夜〜週末は、予約が取りにくいほどの盛況

という状況で、店に入ると「香港経済は本当に悪いのか?」と疑いたくなるほどの熱気があります。
特に、後で紹介する Mott 32The Aubrey は西洋人顧客が非常に多く、「ここはロンドンの人気店か?」と思うような雰囲気です。
 
① Mott 32:モダン香港を象徴する超ハイエンド中華
場所

Mott 32 は「モダン香港を体現する中華レストラン」として、世界的にも評価の高いブランドです。
店内は、

  • クラシックな中国美術

  • 工業的な要素

  • モダンなインテリア

が見事にミックスされていて、「香港の今」を象徴するような空間になっています。
料理は広東・上海・北京など、複数の地域のエッセンスを取り入れた高級中華。
中でも有名なのが、事前予約必須の 北京ダック
北京ダックは、

  • 皮のパリッとした食感

  • ジューシーな肉のバランス

  • ソースと薬味の組み合わせ

いずれも素晴らしく、香港で食べられる北京ダックでは「一番美味しい」と言っても過言ではありません。
ほかにも、ハト料理(鳩肉)、点心、シグネチャーのチャーシューなど、ほとんど「ハズレがない」レベルで安定して美味しいです。
価格帯は高めですが、料理・雰囲気・サービスの総合力を考えると、「特別な日」「家族の記念日」「海外遠征の締めのディナー」として非常におすすめできる一軒です。
 
② The Aubrey:ロンドンにいるような空気感のジャパニーズ・イザカヤ
場所

The Aubrey は、マンダリンオリエンタル香港にある「ジャパニーズ・イザカヤ&カクテルバー」です。
夜になると、店内はほぼ西洋人で埋まり、「ロンドンの人気バーにいるのか」と錯覚するほど。
特徴は、

  • 日本食をベースにしたフュージョン系メニュー

  • ハイレベルなバーテンダーが作るカクテルとワインのラインナップ

  • ビクトリアハーバーを見下ろす夜景

料理では、カツサンドが地味に名物で、「日本より美味しい」と感じるほど完成度が高い一品です。
パンの選び方、ソースのバランス、揚げ方が絶妙で、バー飯としてはかなり満足度が高いと思います。
ドリンクは、

  • シグネチャーカクテル

  • クラフトスピリッツ

  • 充実したワイン・シャンパン

など、毎晩多くのゲストを相手にしていることもあり、バーテンダーのスキルは自然と研ぎ澄まされています。
窓際の席からは、ビクトリアハーバーの夜景が一望でき、内装の雰囲気も相まって「ロンドンの高級バー+香港の夜景」という、唯一無二の体験になります。
※2026年夏はマンダリンオリエンタルの改装に伴い、一時休業中ですが、秋以降に再開予定です。
 
③ Blanc De Noirs:シャンパン好きなら一度は行きたい「少席数・高密度」バー
場所

Blanc De Noirs は、2026年春にオープンしたばかりの新しいシャンパンバーです。
特徴は、

  • アジアでも屈指のシャンパンセレクション

    • 25種類以上のグラスシャンパン

    • 約500ラベルのシャンパンコレクションを擁するセラー

  • 少席数で落ち着いたバーカウンター

  • ランドマーク内の他の名店(Amber, Sushi Shikon, SOMMなど)に隣接

Aubrey で経験を積んだバーテンダーがサーブしているため、カクテルのクオリティも非常に高く、

  • シャンパン単体

  • シャンパンベースのカクテル

  • 周辺レストランの料理と組み合わせる「食前酒/食後酒」

など、楽しみ方が広いバーです。
客席数は多くありませんが、その分、

  • バーカウンターでの会話

  • サイドテーブルでの静かな時間

をしっかり楽しめます。
シャンパン好き、バー文化が好きな方には「香港に来たら一度は行ってみたい場所」と言えるでしょう。
 
④ SOMM:ソムリエ主導のカジュアル・フレンチビストロ
場所

SOMM は、「ソムリエ主導のカジュアル・ダイニング」をコンセプトにした、フレンチ系ネオビストロです。
特徴は、

  • ワインと日本酒を中心に、グラスで選べる幅広いラインナップ

  • 過度なフォーマルさを排した「肩肘張らない」雰囲気

  • それでいて料理はしっかり本格派

ワイン好きの方にとっては、

  • グラスで色々試しながら食事を楽しめる

  • ソムリエと相談しながら、その日のコンディションに合わせた1杯を選べる

という意味で、「必ず一度は行きたい場所」と言えるレストランです。
個人的なおすすめは、

  • ムール貝のサラダ

  • 焼き立て風の温かいパン

いずれも、シンプルながら素材と調理が良く、ワインとの相性が抜群です。
 
ハイエンドを支える「ネパール人スタッフ」のサービス精神
これらのハイエンド店に共通する特徴のひとつが、「サービススタッフの質の高さ」です。
香港の飲食店のサービスクオリティが低い理由のひとつとして、

  • 香港人若者のサービス精神の不足
    がよく挙げられます。

一方で、Mott 32 や Aubrey、Blanc De Noirs、SOMM などには、ネパール人スタッフが多く働いています。
ネパール人スタッフの印象としては、

  • きめ細かく、真面目

  • お客さまへの気配りが自然

  • 英語でのコミュニケーションがスムーズ

という点で非常に優秀です。
英語が話せる点はフィリピン人スタッフと同じですが、フィリピン人にありがちな「ざっくりした感じ」が少なく、飲食店の現場ではより繊細なサービスを提供できていると感じます。
高い賃料、高い物価の環境であっても、

  • 料理のクオリティ

  • 空間デザイン

  • スタッフのホスピタリティ

これらが揃うと、ハイエンド飲食はしっかりとお客さまを惹きつけ続けるということを、香港のこれらの店は教えてくれます。
 
次回予告:中環の「ネパール料理」をご紹介します
次回の投稿では、中環(セントラル)地区でおすすめのネパール料理レストランを取り上げる予定です。
香港在住者や、遠征・留学で長期滞在する方にとって、「現地スタッフの出身国の料理」を知ることは、現地との距離を縮める良いきっかけになると思います。
 
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