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「昭和な公園」が育んでくれる創造性~身近な森の見方を変えるワークショップ~

【公式】京都市note企画で、京都の好きなところを語る「#京都偏愛」コレクションを開催しています。

「公園の仕事を通じて生き方が変わった」僕としては、もちろん公園を推したい!ということで、今回は、北区にある船岡山公園と、そこで行われている取組についてご紹介します。

読まれた方は、きっと公園偏愛が芽生え、暮らしが豊かになるはず??


公園偏愛のすゝめ

皆さんは、どんな公園が好きですか?
遊具がたくさんある公園?
いい感じのベンチがある公園?
おしゃれなカフェがある公園?

レジャー誌などには、そんな公園がたくさん紹介されていたりしますよね。
でも、そんな公園はほんの一握りで、全国に11万か所以上ある公園の大半は、「街区公園(昔でいうところの児童公園)」と言われる、小さな公園。
しかもその多くは老朽化が進んでいます。

確かに、遊具や設備が整った公園は便利だし、居心地も良いですし、わざわざ車でお出かけしてでも行きたくなる気持ちも分かります。

でも、身近な公園だって、少し見方を変えれば、工夫をすれば、たくさんの楽しみ方があります。
何より、愛着が湧くと、自分の庭のような感覚になり、徒歩圏内なら毎日愛でることができます。

近くにそんな「愛でPark」ができれば、暮らしがとても豊かになると思いませんか?

僕の愛でPark「船岡山公園」は歴史上の重要スポット

山頂からは美しい夕日を鑑賞できる

北区の大徳寺の南に位置する、高さ112メートルほどの小丘にある船岡山公園。
その地形が船に似ていることから古来船岡と呼ばれ、眺望が極めてよく、多くの史跡があります。

桓武天皇が、船岡山の山頂から山城盆地を見渡し、都を遷すことを決めたと伝わることから「京都始まりの地」とされたほか…
聖徳太子の文献にも出てきたり、清少納言が枕草子で「丘は船岡・・・」と讃えたり、応仁の乱等の陣地となったことも。
さらに、明治13年には織田信長をまつる建勲神社(公園区域外)が中腹に東面して建立され,その後山頂に移されました。

園内には遊具広場や野外ステージなども

そんな歴史的な土地も、実は昭和10年に京都市の都市計画公園第一号として開設された記念すべき公園なんです。広さは約56,000㎡と、京都市内ではかなり大きめの公園になっています。

それにしても、こんな感じで歴史上の人物の名前がごろごろ出てくる場所を公園にする歴史都市・京都、恐るべし・・・

写真のサイレン塔のほか、ラジオ塔など昭和の遺産も残る。


多様な人が出会い、交わる場「船岡山公園オープンパーク」

オープンパークの一環で、野外劇場で行われたコンサート

全体的に、遊具など園内の設備は古く、全体的に昭和感の漂う公園です。
しかも、昭和の時代に園内で刑事事件が起きたこともあり、
小学生が一人で行っては行けない場所認定された悲しい公園となっていました。

しかし、数年前から公園利活用の社会実験で、一級建築士事務所STUDIO MONAKAさんを代表とする「船岡山公園チーム」が、旧公園事務所棟を活用しながら巡回やごみ拾い等の公園管理を行うほか、毎月第3日曜の日中に地域交流イベント「オープンパーク」を実施しています。

以来、「オープンパーク」の日には市内外の若者からお年寄りまで、クリエイター、まちづくり団体、福祉団体等が集まり、自分がやりたいこと、大事にしていることを披露したり、チャレンジする場になりました。

特に最近は、若者が次々に尖った企画で「遊び」だしており、「学生のまち」ならではの面白い場所になってきたなと感じています。
詳しくは、下記の記事をご覧ください。

オープンパーク以外の日も、高校生が無料で花を振る舞う「フリーフラワー」が行われたり、
雨の日も風の日も開催される名物ラジオ体操に若者が参加するようになり、タウン誌にも取り上げるようになったり。

公園の雰囲気は軽やかになり、現在は「小学生が一人では行ってはいけない公園」認定が解除される方向に進んでいるようです。

老朽化が進んだ公園でも、公民連携でうまく活用することで、楽しい場に変わる。
社会実験を通じて、禁止だらけの公園が現代的な形でアップデートしつつあると感じており、本当にうれしく思います。

身近な森の見方を変えるワークショップ(略して「みぢ森」)とは

みぢ森の会場となっている園路沿いの緑地

ここが、船岡山公園の中でも、自分が愛でている場所です。
園路沿いにある緑地で、普段なら、通り過ぎてしまうような場所。
ここで「船岡山公園オープンパーク」に合わせて、
原則毎月「身近な森の見方を変えるワークショップ」を開催しています。

様々な形の穴から「森」を観察できる段ボール製のツール

このワークショップでは、段ボールに様々な穴を開けたツールを活用し、樹木や草、地面など、「どこにでもある自然」にできるだけ近寄り、じっと観察することで、気付かなかった自然の不思議を見つける機会をつくっています。

ポイントはできるだけ近寄り、しばらく見つめ続けること

小さな生き物と出会ったり、不思議な形に気付いたり、食べられる実を発見したり、年代物のごみが宝物のように見えたり。
また、ずっと見つめていると、小人のような気分になって、小さな景色が壮大な物語の舞台のように感じることもあります。

「見過ごしていた自然の中に、ミクロな共生や自然の不思議が詰まっていた」
「普段より感覚が研ぎ澄まされて、自分の感受性の豊かさに気づいた」
参加者から、そんな声をいただく中で、

「最新の遊具がなくとも、自然がいくらでも遊び相手になってくれる」

自分もそんなことを感じるようになり、普段別の場所を歩いていても、
ちょっとした自然の面白さに気付く機会が増えました。

ポートランドのまちづくり実践者マット・ビボウさんとのコラボでさらに遊びが多様に

このワークショップでは、何人かがグループになって、それぞれの発見をシェアしています。
自然を媒介して、ちょっとした出会いのきっかけも生まれていますので、
初めて船岡山公園オープンパークにいらっしゃる方は、友達を増やす意味でも参加してみてください。

以下は、みぢ森のInstagram公式アカウントです。


「みぢ森」企画の経緯について

みぢ森は、2023年11月からスタートしました。

きっかけは、いつも船岡山オープンパークに来ていた若い社会人の方が、
「自分も植物に関する企画を何かやってみたい」
と言ったことでした。

僕が公園の利活用を通じて願っていたことは、
「誰もが、参加者からプレイヤーの側に回る」こと。

というのも、まちづくりに積極的に関わる人と、そうでない人との温度差を様々な場面で痛感。
現在京都市が掲げる「すべての人に居場所と出番を」という理念は、本当に難しい。

だけど、公園などのパブリックスペースが開かれた場になれば、その入口となるはず。

そう信じていた自分にとって、本当に嬉しい声かけで、
すぐに応援することにしました。

とはいえ、植物に関するワークショップをした経験がなかったため、
大学院で自然観察のワークショップを研究していた、個人的に共感していた学生さんに相談。

3人で試しにやってみよう、ということで「みぢ森」がスタートしました。

2024年11月に企画した、「落ち葉色ずかんづくり」

以来、いろんな人に支えられながら、
また、若い二人の探求心に自分自身も刺激を受けながら、
少しずつマイナーチェンジをしたり、
新しい企画にチャレンジしたり。

世代の違う二人と一緒にフラットに話し合い、そんな活動ができることが、
自分の暮らしに彩りを生んでいます。

アマチュアリズムで、失敗しても良い。
「まちのため」なんて大それたことでなく、ささやかなことで良い。
自分自身がやりたいことができる場があることが大事なんだと実感。
小さくともそんな場が無数に増えれば、創造性が育まれる。
まちは、暮らしはもっと豊かになるはず。
そう信じて、市役所職員として、今後も動いていきたいと思います。

2月頃のアップデートに向けて企画をブラッシュアップ中


終わりに/「愛でPark」で暮らしを豊かにしよう!

みぢ森の場所の10月の景色。イネ科の雑草が美しい。


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今回は、船岡山公園と、そこで行われている取組をご紹介しましたが、何もイベントを行わなくとも、
近くの公園や緑地で、普段は通り過ぎてしまうような風景を、いつもより少し注意深く眺めてみませんか。

きっと、気づかなかった自然の不思議に出会えると思います。

そして、お気に入りの「愛でPark」を見つけた時、暮らしはそれまでよりもほんの少し、でも確実に豊かなものになるはずです。

京都のまちの小さな自然を求めて、ふらっと出かけましょう!


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