新たな世界遺産を創造する!?都市林業から広がる京都の可能性①
ライフワークってありますか?
僕は人生後半に差し掛かり、これからやりたいことが色々と見えてきました。
超絶青臭いですが(笑)、基本は自治体職員として、「分断を生まない、やさしいまちづくり」を追求したいと思っています。そして、そのカギとなるのは、公園などの公共空間、そしてそこから「他者」との関係性を捉えなおす機会をつくることだと信じています。
ここでいう「他者」とは、人間以外の存在、つまり動植物や微生物も含まれています。もしかしたら、これからはAIなんかも含まれてくるかもしれません。
「他者」との関係性を捉えなおすことができれば、自分があらゆるものの関係性の中で生かされていることに気付きやすくなる、そうなれば他者と共存していくことを前提にした営みにつながるのでは、と考えています。
そんな「やさしいまち」は、住みやすいだけでなく、ある面ではイノベーションが起きやすくなると考えています(この辺を書くと長くなるので、またそのうち書きたいと思います)。
2年前、ひょんなことで知ることになった「都市林業」という取り組みに、それを具現化する大きな可能性を感じており、以来少しずつ実験的な取り組みを進めています。これから何回かに分けて、「都市林業」の可能性と今やっていること、これから進めたいことを書き記したいと思います。
1 都市林業を一言で表すと?
都市林業とは、まちに植えられた街路樹や公園などの公共空間、庭木を、ただ眺めるだけではなく、マテリアルとして活かす取り組みです。
活かし方としては、建築、ファニチャーや雑貨などの木工品、染め物、食べ物、燃料、様々なものがあります。
「何だ、単なる樹木の利活用」か、と思われる人もおられるかもしれませんが、提唱・実践者の湧口善之さんのビジョンは、「未来の世界遺産を創る」というとても壮大なものです。個人的には、地球温暖化、生物多様性の衰退、コミュニティの衰退、文化の途絶、イノベーションの停滞といった、直面する世界的な社会課題を価値に変える可能性を感じています。
僕が感じたことは次回以降説明したいと思います。
2 「まちのみどりが病んでいる!」都市林業が必要だと思う背景①
昨年、NHKのクローズアップ現代でも特集が組まれたりと、ネット上で検索すると都市部での倒木事故のニュースがたくさんヒットします。
日本の都市部の樹木の多くは、高度成長期に植えられ、数十年経過した今、それらが一斉に大きくなっています。
そして、それらの中に病気で弱った樹木は倒木リスクが高くなっています。上記ニュースの通り、その数、全国で年間5,200本にも上ります。
どうしてこうなったのでしょうか。
公園の樹木や街路樹は、人々の暮らしに彩りや安らぎをもたらすものであったはず。ですが、現在は、「落ち葉が多い」「虫が湧く」「看板が見えない」といった様々な理由で邪魔者扱いされることもしばしば。
その結果、行政に苦情が入り、強剪定されて弱ってしまうのです。
伐採が必要になった場合も、「切る、切らない」で、利害の対立や分断を生むようなことも起きています。
また、これまでは、地域のボランティアが、街路樹や公園の樹木を手入れしてくださっていましたが、高齢化等のため、それも困難になりつつあります。行政だけで維持管理が十分にできるのかというと、現実のところ財政的にもマンパワー的にも、限界があるのです。
3 「自然への畏敬と感謝を抱けるまち」都市林業が必要だと思う背景②
人間は、自然に生かされ、自然を生きている。
2050年に向けて京都市の理想像を具現化するために、現在策定中の「長期ビジョン(仮称)」の序文(案)において、京都の根底の価値観として3つのテーマを掲げています。
冒頭の一文は、そのうちの一つ「自然への畏敬と感謝をいだけるまち」の一行目のものです。
(上記リンクからお読みいただけます)
周囲の方から序文そのものには共感の声をいただいているものの、「自然への畏敬と感謝をいだけるまち」については、具体的なイメージが浮かびにくいという意見もありました。
例えば、今皆さんがこの記事を読むために使っているスマホやパソコンも、自然の恵みがなければつくることができません。
また、京都が世界に誇る数々の文化、祭事、歴史的建造物等も、すべて自然の恵みなしには未来に継承することができません。
だけど、多くの方にとってはそのことがイメージできず自分事にならない。
なぜなのか。それは、大多数の人が、ただ消費する側に固定されてしまっており、結果として自然の恵みを享受することが当たり前になってしまっているからではないかと感じています。
自然や文化を守り育てる立場にある方は、直に自然の恵みを体感することができるのですが、圧倒的多数の方は、それが感じられる機会を喪失してしまっているのが現実だと思います。
4 都市林業の可能性とこれからのシリーズで書きたいこと
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
上記課題の解決策として、なぜ都市林業に期待するのか。
詳しくは次回以降で説明したいと思いますが、ポイントは、「いま、ここにあるものでつくる(直に触れることができる)」「つくるプロセスに多くの方が関わる」「まちの物語として残り続ける」ことだと感じています。
「都市林業の提唱者、湧口善之さんの考え方、実践について」
「宝が池エリアで取り組んでいる実験について」
「2025年3月に実施した【都市の森の新たな協同利用を考えるカンファレンス】について」
「今後実践したいこと」
そんなことをお話したいと思っています。
次回もお読みいただけたら嬉しいです!
