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小学生並みの感想だけど、長期的にはやっぱり厳しいよ ――NIRA論文「人口減少下の日本経済と財政の長期展望」を読んで

やあやあ、みなさんこんにちは。
どこかの会社で万年平社員をやってるけど、なぜか「労働党党首」なんて名乗ってる風田二都です。政治とか経済とかに興味がある人も、そうじゃない人も、ようこそお越しください。

まずは宣伝。労働党のホームページはこちら
(ほんとにあるんですよ、冗談じゃないんです。)

さてさて、前回の記事は
労働党の政策集2026、はじめの一歩——国の財布を覗く旅に出ます
というタイトルでした。

そのときに僕が言ってたのは、ざっくりこんな感じです。

  • 政策を考えるなら、まず財布から見ないと意味ないよね。いくら理想を語っても、予算にリアリティがなきゃ机上の空論だよ。

  • しかも、どうせやるなら「黄金の2050年」って僕らが勝手に決めた未来像から逆算して、長期の財政を見通しつつ考えようよ。

  • で、僕は素人だから、長期の財政展望については先人の知識をありがたくパクらせてもらおう。

……はい。こうして「国の財布を覗く旅」が始まったわけです。

で、その旅の第一歩として今回読んでみたのが、NIRA(総合研究開発機構)が出しているレポート。お題は——

「人口減少下の日本経済と財政の長期展望 2060年の家計の姿を描く」

読んでみた感想は……当たり前だけど、やっぱり増税基調

で、実際に読んでみたんですよ、このレポート。
そしたらね、シナリオは2本立てでした。

  • ベースライン推計
     このまま何も変えずに進むと、2060年までずっとプライマリーバランス赤字。債務はGDP比で発散コース。

  • PBゼロシナリオ
     じゃあ「赤字はゼロにしよう」と頑張って毎年ちょっとずつ増税した場合。これを続けると最終的に消費税換算で 19〜20% 程度。債務はGDP比184%で安定。

……いやー、えぐい。
「赤字垂れ流しコース」と「消費税20%コース」。どっちにしても胃が痛い。

僕らの世代でいえば、老後には追加で月2〜3万円くらいの負担がのしかかるって試算もありました。
読んでるだけで白目むきそうです。

でも、よく考えると当たり前なんですよね。
人口は減る、高齢者は増える、経済成長は鈍い、医療や介護は膨らむ。
これで「増税しなくても大丈夫」って思える方がむしろ楽観的すぎる。

NIRAってなにもの?

で、このレポートを書いた NIRA(ニラ) って、いったい何者?
正式名称は「NIRA総合研究開発機構(Nippon Institute for Research Advancement)」っていって、1974年にできた独立系のシンクタンクです。今は恵比寿ガーデンプレイスタワーの34階にオフィスがあるらしい。なんかオシャレ。

「シンクタンク」っていうと、怪しい影の組織とか政府の別働隊を想像しがちだけど、ここは独立・非政府系ってちゃんと書いてあります。英語の説明でも “independent, non-governmental Japanese think tank” って明記されてるんですよ。

やってることはシンプルで、日本が抱える長期的な課題を研究して、「こうしたほうがいいんじゃない?」って提言を出す。発表するのはオピニオンペーパーや研究報告書っていう形で、今回のレポートもそのひとつです。

資金の出どころも気になるでしょ? 最初は国や自治体、民間企業からの拠出金で立ち上がった財団で、今は公益財団法人。理事とか評議員を見ると、学者と企業の人が並んでいて、「官庁の子分」って感じじゃなくて、外側から政策議論をガンガン出していくタイプの団体です。

レポートをすっごく雑にまとめると

まず言っておきます。このレポート、ガチです。
グラフも数式も推計条件もみっちり書いてあって、斜め読みしようとすると目が滑るやつ。

なのでここからは、あくまで僕の雑な要約です。
ちゃんとした根拠や計算式を見たい人は、ぜひ原文を当たってください。そっちのほうが圧倒的に精緻です。

で、ざっくりまとめるとこう。

1. 日本経済の「ベースライン推計」2025~2060

人口は減る、生産性は低いまま、金利と成長率はだいたい同じ、政策も現状維持という、何もしないし何も起きない場合のシミュレーション。当たり前のように債務が死ぬほど増えます。死ぬほど。

2. 「PBゼロシナリオ」2025~2060

毎年ちょっとずつ増税して、2060年にプライマリーバランスをゼロにしようって話。この場合は2060年くらいに消費税で換算すると20%くらいの増税。で、非市場部門(医療・介護)と市場部門(モノやサービス)の消費の取り合いが発生する=暮らしがきつくなります。つらい。

3. 財政リスクの検討

上の2つの推定で無視した、恐怖の財政リスクを整理しています。紹介されているのは次の3つ。赤字が止まらないリスク、金利が下がりすぎるリスク、逆に上がるリスク。特に「r-g>0」=金利が成長率を上回ったら、もうどうにもならない。

4. 経済成長のインパクト

結局、成長すれば救われるってことですよね。生産性が0.5%上がれば、何もしない「ベースライン推計」でも債務GDP比が20%近く改善します。まじかよ。やるしかないんか。

5. より長期の目標

この論文のメイン主張ですよね。人口と生産性に腰を据えて取り組め。いまのままじゃ超長期的には日本から人がいなくなる。だからこそ、労働市場改革や人的資本投資に力を入れろ、という結論。

「何も起きないし何もしない」ベースラインの4条件

このレポート、まずは「ベースライン推計」っていうシナリオを置いてます。
いわば「何も起きないし、何もしない」前提。で、その条件はこんな感じ。

  1. 人口減少と高齢化は止まらない
     出生率が急に回復しても、労働力人口が増えるのはずっと先。だから就業者は減り、医療・介護・年金はじわじわ増える。

  2. 生産性は低いまま伸び悩み
     全要素生産性の成長率は0.5%。主要先進国でも下限に近い水準。要するに「現状維持で特にブレイクスルーは起きない」と仮定してます。

  3. 金利と成長率はだいたい同じ(r-g=0)
     長期的に「金利が成長率を上回らない」って設定。インフレ目標2%を前提に、10年国債金利は成長率に並んで落ち着く、と。

  4. 政策は現状のまま
     財政金融政策は特にいじらない。税率も社会保険料もGDP比で固定。だから当然、PB赤字は積み上がっていく。

ここで大事な注意。
論文中でも強調されてましたが、これはあくまでも推計用のシナリオです。
「蓋然性が高い=現実にこのまま行く可能性が高い」とは言ってない。
要するに、「もし何も起きなかったらこうなる」という“仮の土台”なんです。

──はい、この4条件を積み上げると、「何もしないなら借金は増える一方ですよね」って話になるわけです。

そしてやっぱり借金は増える。
具体的には、2060年になってもプライマリーバランスは赤字のまま、GDP比で4.1%の赤字が残ります。
結果として、政府の純債務残高はGDP比で発散コース。つまり「限界なく膨らみ続ける」ってこと。

要するに、ベースラインのまま進めば、僕らが老後を迎える頃には「借金メーター」が天井を突き破る未来が待っているわけです。

財政リスクのえぐさ

このレポートのいやらしいところは、「ベースライン」と「PBゼロ」だけじゃなくて、さらに追加リスクがあるぞって冷静に並べてるところなんです。
つまり「前提どおりにいかないとどうなるか?」をわざわざ見せつけてくれる。

  1. PB赤字が続いちゃうリスク
     過去を振り返ると、PB黒字なんて2000年代以降一度も達成されてないんです。
     理由はシンプルで、社会保障費の伸びを止められない、防衛費が増える、少子化対策も拡充したい、しかも補正予算を毎年バラ撒いてる……。
     その結果どうなるか? PB赤字が続くだけで、金利と成長率が同じだとしても債務は発散コース。つまり「やっぱり借金は雪だるま式」ってことです。

  2. 金利が成長率より低いまま(r-g<0)のリスク
     「え、低金利なら助かるじゃん?」と思うでしょ。確かに表面的にはPB赤字があっても債務GDP比は安定しやすくなるんです。
     でも裏側では、金融機関に国債を抱えさせたり、物価上昇によるインフレ税で国民が目減り分を負担したりしてる。
     つまり「政府は楽になるけど、国民や金融機関がこっそりツケを払わされる」状態。しかも行きすぎると通貨安や資本流出を招いて、結局は金利が跳ね上がるリスクに逆戻りします。

  3. 金利が成長率を上回る(r-g>0)のリスク
     これが一番怖いやつ。もし国債の格下げが起きたり、資本が海外に逃げたりしたら、金利はあっという間に上昇します。
     しかも、コロナ禍やリーマンショック級のイベントが来ると、名目GDPは落ち込むのに財政支出は増えるので、債務対GDP比が一気に悪化します。
     著者らの試算だと、もし金利がベースラインより1%高いだけで、2060年には債務GDP比がさらに66ポイントも増える
     要するに、一度でも「金利>成長率」の状態に陥ったら、PBを黒字化しない限り持続不可能になるんです。

──こうやって並べると、ベースラインでさえ厳しいのに、条件が少し崩れるだけで「詰み」になる未来が透けて見える。
レポートの冷徹さって、こういうとこなんですよね。

経済成長がもたらすインパクト

ここまで借金の怖い話ばかりでしたけど、レポートの中で唯一ちょっと希望が持てる部分があります。
それが「経済成長の効果」。

著者たちの計算だと、もし全要素生産性(TFP)が0.5%ポイント高まるだけで、2060年の債務GDP比は約20%改善するんです。
「たった0.5%かよ」と思うけど、逆に言えばそのぐらいでも大きな差が出るってこと。

もちろん、「成長すれば万事解決!」なんて甘い話じゃありません。
成長すれば金利も多少は上がるし、資金需要も増えるから、シミュレーションどおりにうまくはいかないかもしれない。
でもそれでも、生産性と労働力を底上げできれば、借金地獄をちょっと和らげられる

論文自体は冷静にサラッと触れてるだけなんですけど、読んでる僕からすれば「ここしか希望がないじゃん!」って思っちゃいましたね。

より長期の目標——人口と生産性に腰を据えろ

レポートのラストは、けっこう重いメッセージです。
「ベースラインでは人口減少と低成長は変えられない前提にしたけど、本当に大事なのはここを変える努力だ」って話。

つまり、人口と生産性こそが本丸
この2つに腰を据えて取り組まない限り、どんな増税や小手先の調整をしても焼け石に水なんですよね。

具体的には、労働市場改革とか人的資本への投資とか。
硬直的な雇用制度を柔らかくして、人が動けるようにする。
働く人の生活を保障しながら、イノベーションに挑戦できる環境を整える。
そうやって「働き方の基盤」から社会を作り直さなきゃ、超長期的には日本から人がいなくなる未来が見えてしまう、と。

──いやまあ、論文の文章はもっと冷静なんですけど、要するに「やるしかない」。
財政を持続させたいなら、人口と生産性に真正面から取り組むしか道はないんだよ、っていうシビアな結論でした。

まとめ——条件が優しくても、この結果。そして僕はどうするか

というわけで、NIRAのレポートをざっくり追いかけてきました。
あらためて感じるのは、前提条件がけっこう“優しめ”に置かれているにもかかわらず、この推計だということ。

  • 何もしなければ、2060年もプライマリーバランスは赤字のまま。借金は天井知らず。

  • 赤字をゼロにしようと頑張れば、消費税20%コース。暮らしはそれなりにきつくなる。

  • さらにリスク要因(金利上昇や予算の膨張)が重なれば、もっと厳しい未来が待っている。

……はい、以上、小学生並みの感想でした。
で、ここからが僕の主張です。

やはり労働党の政策としては、PBはゼロどころか黒字を目指すべきだと思っています。
論文ではPBゼロを実現する方法として、大きく3つの方向性が示されていました(「非市場部門と市場部門のトレードオフ」の章より)。

  1. 税や社会保険料を上げる
     現役世代にのしかかる。勤労意欲が落ちるリスクあり。

  2. 消費税を上げる
     全世代で広く負担。ただし家計消費には直撃弾。

  3. 医療・介護など給付の伸びを抑える
     非市場部門に偏った支出を抑え、限られた資源を市場部門に回す。

比較すると、僕はやっぱり給付抑制の方向を取りたいです。
なぜなら、人口の改善を最優先にしたいから。
現役世代に過度な負担を押しつければ、子育て世代がさらに苦しくなって少子化が進む。
消費税をガンガン上げても、消費意欲がしぼんで経済が回らない。

だからこそ、「必要な医療・介護に絞り込む」「効率化や技術革新で非市場部門の負担を軽くする」ことが大事なんだと思います。
財政再建と人口減少対策を同時に考えるなら、そこが唯一の現実的な道筋に見えるんです。

そして最後に。
やっぱりプロの論文は違うなぁ、と。
僕みたいな素人が「なんとなくやばい」と思ってることを、リスク整理まで含めて体系立てて示してくれる。ほんと助かりますし、ありがたい限りです。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
今回の記事は「小学生並みの感想」と言いつつ、結局は長々と語ってしまいましたね。

もし「なるほど」と思ってもらえたら、ぜひ シェアフォロー、そして「スキ(リアクション)」で応援していただけると、とても励みになります。

労働党の政策については、引き続き 労働党ホームページ やこのブログで順次発信していきますので、今後も覗いていただければ嬉しいです。

それではまた次回。ありがとうございました!

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