ラビットピア 〜ウサギ島の開拓記〜 レビュー
テーマ:冒険 × 開拓競争 × 陣取り
プレイ人数:2~4
プレイ時間:60~120分
サークル:Liner Note
https://gamemarket.jp/game/185157
ラビットピア 〜ウサギ島の開拓記〜について
香港のゲーム制作サークル「ライナーノート」さんによるボードゲーム。
(他にもファンタジー系のゲームを出されています。)
2~4人用の対戦型ボードゲームです。
一番多く占めているゲームシステムはワーカープレイスメント。
ウサギ型の魔物がいる無人島の開拓がテーマで、ゲーム自体が前半戦の無人島開拓フェーズと後半の防衛戦(ボスバトル)に分かれているのが特徴。
ゲームマーケット2025春にて頒布されていましたが、通販なども行っていないため、おそらく数量的にはあまり出回っていないのではと思います。
(2025年8月時点)

ゲーム内容
前半では主に素材を集め、施設を建て、魔物を狩ってボスへの攻撃手段を入手。後半のボス戦では前半の準備を活かしてボスへの攻撃を行い、最も貢献度が高かった人の勝利。
そのため前半の準備がカギになってきます。
前半戦は無人島開拓フェーズ。
プレイヤーは冒険者とイクナ(使い魔的な生き物)の2種のコマを持っていて、これをマップに置いてアクションをしていくワーカープレイスメント。
各ラウンドのプレイ順が
1st→2nd→3rd→4th→4th→3rd→2nd→1st
とコマを置いていく仕組み。
手番が来たら、手持ちのコマのうち1つを無人島ボード上のマスに置くことによって以下の4つのアクションから1つ選んで行います。
1.素材集め
2.ラビ狩り(冒険者のみ可能)
3.施設の建築(イクナのみ可能)
4.施設の利用
1.素材集め
公開されている5枚の素材カードから1枚を選んで取得する。
ここで拾う素材は主に施設の建設に使うことになります。
スタート時は空っぽの状態からスタートするため、はじめは皆素材拾い。


2.ラビ狩り(冒険者のみ可能)
冒険者コマを置いたときのみ可能なアクション。
プレイヤーが冒険者コマを置いた地形とラビカードの地形の条件が一致しているものをハントできる。
狩りの対象は公開されている5枚から選ぶ。
ここで狩ったラビがボスフェーズでの攻撃手段になるため、数を確保しておきたいところ。
戦闘には「士気」というステータスが必要になりますが、士気は開始時は0の状態。
建物を建築するとレベルが上がり、毎ターン士気が上がるようになるため、プレイヤーはまずは建築を目指すことになります。
3.施設の建設(イクナのみ可能)
イクナコマを置いたときのみ可能なアクション。
プレイヤーがイクナコマを置いた地形とと施設カードの立地条件が合っていると、手元の素材を消費して建設できる。
建設対象のカードは公開されている5枚から選ぶ。
施設の建築を行うと冒険者のレベルが上がる他、設置したマスにワーカーを置いたときに「4.施設の利用」で施設効果を利用出来るようになります。
また、建築した施設を一定の形で集めることで、合致する属性の攻撃にダメージをプラスするバフが発生するようになります。

4.施設の利用
ワーカーを置いたマスにすでに施設が建設されている場合、施設効果を利用することができます。

ゲームの終了条件
ゲーム全体の進行は「環境計測装置」トラックで管理されています。

・施設を建築すると「開発度」が0から上がっていく
・ラビの討伐をすると「魔素量」が下がっていく
これらは同一のトラック上で管理されているためいずれ交差するのですが、そのタイミングで後半の防衛戦(ボスバトル)へと入ります。
防衛戦(ボスバトル)について
ボスバトルは全3ラウンド。
ボスは全4種類からランダムで選ばれます。

ゲーム開始時、どのボスが来るかは一応秘匿された状態になっているのですが、ボスがどのルートで進軍してくるかは分かるように出来ています。
(ルートとボスが固定なので覚えたら分かると思いますが)

ボスフェーズでの攻撃用カードは、ボスの現在地のフィールドの属性と合致するカードでしか攻撃できないため、開拓フェーズの間に進軍ルートのフィールド属性と合致するラビを倒しておくことが必要になってくるわけですね。
ダメージ計算
ボスへのダメージの計算方法は以下の通り。
プレイしたラビカードのダメージ
+
「地の利」ボーナス
+
属性ダメージ
(攻撃属性が属性ジェムと一致する場合、一致したジェム1つにつきダイスを1回振って出た目をダメージにプラスできる)
+
アイテムカード(使用した場合)
+
先攻プレイヤーボーナス(ダメージ+1)
そのラウンド中で最もダメージを与えた人から順番に、順位点による勝利点が得られます。ダメージ量がそのまま勝利点になるわけではないことに注意。
1位:6ポイント
2位:4ポイント
3位:2ポイント
4位:1ポイント
攻撃をしなかった場合は0ポイント
そのラウンドのスタートプレイヤーには最終ダメージに+1のボーナスが付きます。
ボスバトルでのダメージ決定ですが、ダメージそのものの大きさではなくラウンド毎の順位点のため、先に動いたプレイヤーの動きを確認してから手を決められる後手番のほうが有利なんですね。
例)
1番手が頑張って10点ダメージを出した。ここで張り合うよりこのラウンドでは戦力を温存して2位をキープし、次ラウンド以降に全力を出そう など
なので不利な先手プレイヤーにはダメージ+1がついているというわけです。

バトルの進行について
各ラウンドにスタートプレイヤーから行動になります。
手番プレイヤーは、このターンにどの程度攻撃を行うかを決定しダメージを計算。終わったら次のプレイヤーへ…と繰り返していきます。
全プレイヤー分、一巡したら1ラウンド目が終了。
全員の攻撃が終わったら次のラウンドへ。スタートプレイヤーを次プレイヤーに渡します。
ボスも次のエリアへ移動していきます。
これらを3ラウンド分繰り返して終了。
また、ボスには各ラウンドごとの特殊な目標が設定されており、それが参加者全員で達成出来なかった場合には現在エリアに存在するすべての建物を破壊してしまいます。
(破壊されると建物によるジェムボーナスも消えてしまいますし、建物そのものに勝利点があるため結構深刻)

最終得点計算
ボスフェーズでの各ラウンド毎の順位点の合計
+
建造した建物のうち、破壊されずに残っているものの勝利点
を計算し、最も勝利点の高かったプレイヤーの勝利になります。
プレイ感想
見た目の印象より硬派なプレイ感のワカプレ
ゲームの勝利条件は最終フェーズの勝利点。つまり最終フェーズでボスにダメージを与える手段が必要になるので、進軍ルート上の属性に合わせたラビを狩る必要がある。
そのため、スタート時点からある程度どの属性を狙ってラビを狩るべきか、どのジェムを完成させられる施設を建てるべきかという指針を考えていく必要があるわけですね。
そういう意味ではボス戦が全プレイヤー共通の目的カードのようにもなっている仕組み。
僕らの初回プレイでは…
「施設のジェムボーナスが重要に違いない…!」
と複数プレイヤーが考えた結果、全体的に施設重視のプレイで進んでいきました。
だってボスフェーズでのダメージにサイコロで上乗せできるんですよ。お得。強そう。
バンバン建設するぞ!
しかし中盤に差し掛かった頃に気づきます。
「(…あれ?これ、皆がラビカード取りはじめたらあっという間にボスフェーズに入っちゃうぞ)」

施設建設で増えるゲージと、ラビ討伐で減るゲージが交差すると最終フェーズに突入する仕様のため、施設過多になるとラビを狩る余裕がなくなってしまうんですね。
どうやら皆同じことを考えたようで、争うようにラビの乱獲がはじまる。
気づいたときには、ろくに攻撃手段が用意できずにボス戦に突っ込むことに。

「手元にある技がメラくらいの威力しかねえ」
「あいつはメラとメラミ持ってて羨ましい」
せっかく建てた施設のジェムも全然活かせず、さらには全員の攻撃手数が足りないせいでボスに施設を破壊され、見事4位でフィニッシュとなりました。
他人の動向をうかがう
開拓フェーズ中にプレイヤーが取れる選択の4種類のうち、素材入手と施設利用はエンドフラグに近づかない。
初回プレイではジェムが完成できるかどうかでしか施設を判断できていなかったため、施設効果をうまく使っていってみたい。
しかし周りが施設を建てれば、ラビを狩れば自然と終了に近づくため、周りが急ぐようであれば自分も急ぐ。
ゆっくりできそうなら施設の利用を考える。
そのへんのバランスが重要なのだろう、と思いました。
良かったとこ
かわいい。これ重要です。

そして箱が結構コンパクト。コンポーネントの良さとゲーム内容の重さの割に、コンポーネントの量が少なくなるようになっている。スタート時の準備もそこそこでよい。
最後のボス戦が終わるまで、誰がどうなるかはわからない。
ボス戦でのラビカードの使用配分を間違えるだけで勝ちが逃げていくし、下手すると建物が吹き飛ぶので。
もったいないと感じたところ
最終形をイメージしてプレイする必要があるためじっくり考えさせられる反面、スタート後に出来ることが素材集めしかないため、序盤の展開が地味になりがち。1個施設を建てるまでが遠く感じる。
バランスに影響しそうだけど、初期素材all+1みたいな感じでのスタートでもいい…のかも?
施設の建設のためにワーカーを置くが、利用するには施設のマスにワーカーを置く必要があるため、必然的に建築した次のラウンドに起動チャンスがあれば…という形になる。
作成した人が入れるとは限らないので、建てた直後に1回起動を"することができる"とかだともうちょっとエキサイティングかも。
また、一部の「場所」と「属性」が脳内でリンクしづらいので、この表の周知を徹底したほうが遊びやすいと思います。

追記(2025年8月14日時点)
拡張版が出るそうです。とても楽しみ!
