少し、昔話をしましょう。
ユラは、本を読むのが大好きです。
小さい頃から。
そして大人になっても。
どんなにたくさんの本を読んでも、
ユラの知的好奇心が満たされる事はありませんでした。
もっと、いろいろなことを知りたい…
私の知らない過去を。
私の知らない未来を。
だれか、教えてください。
すると─

ユラの願いに応えるように、
「それ」はそっと手を伸ばしました。
やがてユラは、多くの知識に触れました。
でもそれと同時に、多くの疑問も生まれました。
世界は、思っていたよりも、
ずっと静かで、ずっと不思議でした。
だからユラは、考えはじめました。
その思考のかけらを、
ひとつずつ、扉の向こうに置いていったのです。
