男も楽しめる、女の子のためのエッチ番組『ギルガメッシュNIGHT』
『ギルガメッシュNIGHT』は、1991年~1998年まで放送された女性向けのお色気バラエティ番組。番組名はメソポタミアの英雄「ギルガメシュ」が精力絶倫の王であることにちなんでおり、それに加えてアラビアンナイトの意味も含まれている。つまりギルガメシュ(性またはエロス)+アラビアンナイト(女性) = 女性が性(エロ)を楽しむ番組 = 『ギルガメッシュナイト』と名付けられている。

当初は3ヶ月だけの放送予定だったが、試行錯誤の結果、人気番組となり1998年まで放送が続いた。テレビ東京としては1985年に終了したお色気番組「夜はエキサイティング」以来、6年ぶりに復活したお色気路線の番組である。ちなみに1985年~1991までの6年間はテレビ東京はお色気番組を制作・放送しておらず、映画劇場として映画の再放送枠となっていた。そのため、当番組の1コーナーである「バスルームシネマ」は前番組が映画枠だったことから映画紹介のコーナーとなっている。令和現在、主に50代の人たちがこの番組のリアルタイム世代に当たる(1960年代後半生まれのバブル世代 - 1970年代前半生まれの団塊ジュニア世代 / 番組放送時に成人していた、社会に出て働いていた世代)。平均視聴率は5%~6%。

1992年のアルベールビルオリンピックの開会式中継の真裏で放送したギルガメッシュNIGHTの回(イジリー岡田のSM講座)が視聴率9.4%を獲得し、オリンピックに勝利した事もあるが、あくまでそれはその回のみの話であり、放送開始から最終回までの全体的な平均視聴率は5%台であった。それまでの深夜のお色気と言えば主に成人男性向けの内容であることが多かったが、1990年代に入ると男女雇用機会均等法や女性の社会進出などの影響で男性優位の社会(男女・経済の分業体制)が崩壊し、女性の活躍が目立つ時代へとシフトした。また1980年代半ば頃から深夜番組の過激化が社会問題となり、各局は「脱・お色気」の風潮が強まっていた。こういった当時の世相を反映して当番組は成人女性向けの番組として制作された。

「女性必見!」、「エステ」、「温泉」、「ランジェリー」、「下着」、「美容」といったテーマに加え、司会者や出演者の大半を女性タレントで固め、街頭インタビューする際は若い女性に尋ねるなど全体的にも女性視聴者を意識した番組作りがなされた。実際に視聴者の約半数は女性で特に『ギルガメ治療院』や『ランジェリー歌謡祭』といったコーナーはツボの療法、流行のランジェリーなどが役に立つなどの理由で女性人気が高く、下着ファッションショーや店紹介などの実用ネタも貴重な情報源として女性層に好評だった。1990年代当時、女性が女性の裸を見て楽しむという番組構成は珍しくこういった点は昭和のお色気番組と大きく異なる点である(逆に昭和のお色気番組の場合は、男性優位の世の中だった影響もあり、男性から女性へエロを求める内容がウケていた)。

頑なに風俗情報を扱わない「女性が嫌がるモノはNG」といった姿勢をとっており、番組のプロデューサーだった斧賢一郎は放送当時のインタビューで「この番組は女性の視点で作っており、風俗番組(エロ番組)と言われると心外」と語っている。1996年頃からはホームページが開設され、出演者のプロフィール、人気投票、VHS作品の販売情報、放送リスト、さらにギルガメ写真館など放送された一部の映像がホームページ内にもアップロードされており視聴・ダウンロードすることが出来た(画質はすごく悪かったが..)。お色気番組の人気が低迷していた1990年代当時、他局のお色気番組が次々と終了していく状況の中で唯一、人気を維持していた番組だった。その結果、なんと6年半の放送が続き90年代を代表する深夜番組となった。

■リアルタイムよりも下の世代から人気がある点
この番組のファン層は面白いことに本来のリアルタイム世代だった人よりも当時を知らない世代(リアルタイムよりも下の世代 / 主に40代)から人気があり、支持されている傾向がある。理由としては以下のことが挙げられる。
1.「昭和の深夜番組よりも明るく楽しい雰囲気であること」
2.「そこまで過激でもなく控え目でもなくちょうどいいエロさ加減だったこと」
3.「女性も見ている番組だからという安心感(男女ともに視聴しているということ)」
4.「現在の40代の一番古い記憶が90年代でちょうどギルガメが放送していた時期(子供や学生時代の思い出)」
※令和現在、40代~50代前半くらいまでの人たちはギルガメのリアルタイム世代ではありません。放送当時はまだ学生や子供(未成年)だった人たちです。しかし、子供時代に放送されていたことを覚えている人も少なからず存在し、彼らの一番古い記憶がギルガメ放送時の90年代なのです。
※まとめ
この番組の在り方は後年のマスカットシリーズ、やりすぎコージー、ゴッドタンといった同局の深夜バラエティにも影響を与えており、放送終了後も『ギルガメッシュLIGHT』や『ギルガメッシュFIGHT』といった復活番組や新たな作品が制作され、オリジナルグッズが販売されるなど現在でも知名度は衰えていない。
