handed
左利きになるはずだったらしい。
らしいというのは、自分では記憶が曖昧me mineだから。
生後十か月くらいでしゃべり始め歩き始め、それと同じ頃に、よく物で遊ぶようにもなったらしい。
左手で。
無意識に使いやすい方の手を選んだんだろうな。たぶんね。
そのまま放っておけば立派な左利きに育つはずでしたが、母上がそうはしなかった。
この世界は右利きの人間が最も快適なように作られているので、左利きだと不便だろうから、と頑張って矯正したらしい。
主な理由としては「文字が書きにくいと勉強面で不利」だそう。そうなの?!
そんなものどうやって矯正するのか?というと、我が家の場合、母上がちっちゃいわたしの隣にずっと待機していて、わたしが左手で何かしようとする度に取り上げて右手に持ち換えさせていたそう。
そうすると、そのうち諦めて最初から右手を使うようになる。
だから初めて鉛筆を持たされたのも右手だったし、お箸を持つのも何もかも右手でするようになった。というか、されたんだろうね。そういう風に。
でも正直右利きになって良かったなと思っている。
左利きの人って何かと大変そうだし。
だってほら、ハサミからドアノブから、はたまたトランプみたいな娯楽品までぜ〜んぶ右利き用じゃないですか。
だったら右利きの方が便利ですよ。
でも母上は詰めが甘いので、まだ左利きの名残がほんのちょっとだけ残ってるんですよね、本当は。
体育でソフトボールをやった時、どうも右手だと上手く打てなくて、左手でバットを持ってみたら不思議と上手くいったんですよ。
他にも足は左が利き足だし、左目が利き目だし、片足立ちは左足の方が長くキープできる。
だから本来は左利きのはずだと思うんですよね。
手先が不器用なのもそのせいにしておきましょう。
どうせ名残があるなら、両利きになれるぜ!みたいなかっこいい名残だったら良かったんですけどね。
でも現実はちょっと不器用な右利きが爆誕しておしまいです。
もし左利きのままだったら、めちゃくちゃ器用になれていたんでしょうかね。いや別にそんなことはないのかもしれない。
もし左利きだったら、文字が書きにくくて、今より「文字」への執着が薄まっていたかもしれない。
小学生の時から拙いオリジナル小説をマス目つきノートに何十万字も書くようなことにはならなかったかもしれない。そしてそれを友達に読ませることもなかったかもしれない。一つも完結させられない癖にね。
あと習字や各種武道などを習っていたので、そういう時に右利き前提で進まれるとちょっと嫌かも。
そういえば左利きの人は寿命が短いっていうのは誤りらしいですよ。
それはそれで色々と不便そうだけど、未知の世界すぎて何か面白そうではある。ifの話でしかないんだけど。
ではまた。
