Difyのモデルプロバイダーとは?モデルの選び方・設定ポイントをわかりやすく解説
ノーコードでAIアプリを開発できる「Dify」が注目を集めていますが、多くのツール作成者がある課題に直面しています。
それが、「どのAIモデルを選べばいいのか分からない」という問題です。
AIツールの性能とコストはモデル選びで決まるためモデル選びは重要ですが、情報が溢れていることからAIモデルを決めるのが難しい状況です。
そこで今回は、AIモデルを提供する各モデルプロバイダーの特徴やモデル選びの指針となるポイントに関して解説します。
このnoteを読めば、「AIモデル選び」に関して以下のことができるようになります。
1️⃣ 最適なモデルがわかる
目的や用途に合うモデルが分かるようになります。
2️⃣ コストで失敗しない
「高機能だけど高すぎる」「安いけど性能が足りない」といった失敗を防ぐ、コストと性能のバランス感覚が身につきます。
3️⃣ 迷わず設定できる
システム推論モデル、埋め込みモデルなど、複雑に見える設定も、役割を理解すれば迷わず進められます。
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Difyとは?

Difyとは、専門知識がなくてもAI(LLM)を活用したアプリケーションの開発や運用ができるプラットフォームです。
・社内文書を学習させた問い合わせ対応AIチャット
・面倒な議事録作成やメール文案作成を自動化するツール
・Webサイトの情報を元にブログ記事を自動生成するツール
など、様々なアプリケーションを画面操作(GUI※)だけで構築できます。これまでエンジニアに依頼していたツール開発を現場の方々で、迅速かつ低コストで作成できるのが特徴です。
※GUI(Graphical User Interface):画面上のアイコンやボタンなどをクリックして、直感的に操作できる方式のこと。
しかし、作成したツールが期待通り動くかは、OpenAIなどのモデルプロバイダーが提供するAIモデルなどが関係します。
AIモデルによって、「回答の質、得意なこと、応答速度、利用料金」が違うため、「どのモデルプロバイダーのAIモデルを選ぶか」が重要なポイントです。
なお、料金プランに関して更に詳しく知りたい場合は以下のnoteをご覧ください。
モデルプロバイダーとは?
モデルプロバイダーとは、AIモデル(LLM)を開発・提供している企業や組織のことです。代表的なところだと、ChatGPTで有名なOpenAIや、Geminiを取り扱うGoogle、Claudeが便利なAnthropicなどがあります。
使いたいプロバイダーのAPIキー(利用許可証のようなもの)をDifyに設定することで、AIを自社のツールへ組み込めます。
プロバイダー選びはAIモデル選定において重要なポイント
プロバイダー選びが重要なのは、プロバイダーごとに「何を得意とするか」が違うためです。
プロバイダーごとに、提供されるモデルの性能(精度や自然さ)、得意分野(長文読解や対話能力など)、コスト、応答速度が異なります。
また、作成するツールも「顧客向けのチャットボットの為、回答の質に関しては妥協できない」、「社内用の簡単なツールの為、コストと速さを重視したい」など作成ケースによって、重要視するポイントが違います。
そのため、作成するツールによって選ぶプロバイダーが変わります。
Difyで扱える4つのAIモデルタイプと役割
Difyで作成するツールは、思考や検索、音声認識といった目的ごとに特化した、役割の異なる4種類のAIモデルを組み合わせて作られています。
AIモデルタイプ4種類の概要を以下の表にまとめました。

まずは、ツールの中心となる「システム推論モデル」を選ぶところから始めましょう。
モデルプロバイダーの一覧と対応早見表
主なモデルプロバイダー紹介
Difyでは多くのプロバイダーが利用できます。まずは、以下の主要プロバイダーを押さえていきましょう。ただし、同じプロバイダー内でもAIモデルによって性能は異なるため、あくまで目安としてご覧ください。
OpenAI:業界最高水準のモデルを提供している。あらゆるタスクで高い性能を発揮する。
Google:一度に処理できる情報量が非常に多く、大量の資料読解や動画解析が得意。
Anthropic:論理的で自然な文章生成に定評があり、意図を汲んだ応答が必要な場面に最適。
Ollama:オープンソースのモデルをローカル環境(自分のPC等)で動かすのが中心。APIコストを気にせず、無料で自由に試したいという方向け。
Azure OpenAI:Microsoftのクラウド上でOpenAIモデルを利用している。セキュリティを重視する企業向け。
モデルプロバイダー対応早見表
以下に、主要なモデルプロバイダーがどのモデルタイプに対応しているかをまとめました。最新情報はDify公式ドキュメントをご確認ください。

AIモデル追加と設定方法
モデルプロバイダーのインストール手順
ここでは、例としてOpenAIのやり方を説明します。
①トップ画面から設定アイコンを押します。設定は右上の自分のアイコンをクリックすると表示されます。

②「モデルプロバイダー」のセクションを開きます。
③利用したいAIサービス(例:OpenAI)を選び、セットアップを押します。

④APIキーを取得した後、該当箇所に貼り付けて「保存」します。これで使用できるようになります。

※取得方法が分からない場合は、左下のリンクから取得できます。取得方法がわからない人向けの手順は、次に記載します。
※APIキーは悪用される可能性があるため、絶対に他の方へ見せないようにしてください。
(APIキーの取得方法が分からない人向け)
※取得方法が分かる方はここは読み飛ばしても問題ありません。
①上記④の手順で左下のリンクを押して遷移した画面から、右上のCreate new secret keyをクリックします。

②ポップアップが出てくるのでNameの所に、任意の文言を入れます。ここには、作成するAPIキーを識別するための名前を入力します。例えば、「Dify連携用キー」と入力しましょう。
入力ができたらCreate secret keyを押してください。

③ポップアップが更に出てきますので、そこにAPIキーが表示されます。APIキーをコピーし、Difyの画面に戻りAPIキーの所に貼りましょう。
※APIキーは悪用される可能性があるため、絶対に他の方へ見せないようにしてください。

モデル切り替え・デフォルト設定のポイント
モデルプロバイダーのセットアップが完了すると、アプリケーションの編集画面で連携したモデルプロバイダーのモデルが選択できるようになります。OpenAIを連携した場合、gpt-4oなどの選択肢が増えているはずです。
下図の赤枠のところで、モデルの切り替えができます。

Dify全体でのデフォルトモデルを設定したい場合は、「モデルプロバイダー」設定画面で、各モデルタイプのデフォルト指定ができます。
モデル選びに関する3つのポイント
①利用目的から選ぶ
まずは、作成したいAIツールで「何をさせたいか」を明確にしましょう。以下に目的例をまとめました。
汎用的なチャットボットや文章生成を作りたい
この用途では、対話の自然さや生成される文章の質を比較して、バランスの取れたモデルを選びましょう。例えば、OpenAIが提供するGPT-4oなどが推奨です。
大量の資料を読み込ませて要約・分析したい
大量の文書や複雑な対話履歴を扱う場合は、一度に多くの情報を処理できるモデルが向いています。Google系のモデルは、大量に入力できるコンテキストウィンドウを持ち、この分野で優れた性能を発揮します。
コストを抑えつつ、速い応答速度が欲しい
社内ツールなど、コストと速度のバランスが重要な場面では、軽量なモデルが最適です。GoogleのGemini Flash系統は、高速かつ低コストで利用できるため、コストパフォーマンスが優れています。
画像の内容を理解させたい
テキストだけでなく、画像の内容を理解させたい場合は、マルチモーダル対応のモデルが必要です。OpenAIのGPT-4oやGoogleのGemini 2.0 Proなどが、この機能に対応しています。
APIコストをかけずに、ローカル環境で運用したい
APIコストを気にせず試したい、またはオフラインで利用したい場合は、Ollamaのオープンソースモデルを自分のPCやサーバーで動かすのが良いでしょう。
②重視したい性能軸で選ぶ
次に、作成するAIツールに対して「何を最も重視したいか」を考えます。
精度を重視したい場合
品質が最も重要な場合は、各プロバイダーが提供する最上位のモデルを選びましょう。しかし、精度が高いモデルの場合APIの使用料金も高い場合が多いです。そのため、テスト運用を行い月間で使えるコストの範囲内に収まるのかを見極める必要があります。
コストパフォーマンスを重視したい場合
多くの用途では、最上位モデル並みの性能までは必要ない場合もあります。最初は性能とコストのバランスが取れたモデルを選び、運用後に必要な用途によって、モデルを切り替えるのがおすすめです。
応答速度を重視したい場合
ユーザーとのリアルタイムな対話など、速さが求められるアプリケーションでは、処理が速い軽量なモデルが適しています。GoogleのGemini 2.0 Flashは、その代表的なモデルです。
③導入のしやすさと運用性で選ぶ
最後に、ツールの導入や管理のしやすさも選定基準に入れていきましょう。
開発を始めるまでの手軽さ
とにかく早くAIツールの作成を始めたい場合は、情報量が多く、解説記事なども豊富なOpenAIがおすすめです。APIキーの取得から設定までの手順が分かりやすく、初心者でも導入できます。
セキュリティやガバナンス
法人利用で、個人情報や機密データなどを扱う場合は、Microsoftの強力なセキュリティ基盤上で運用されるAzure OpenAIが最適です。エンタープライズレベルの管理機能が求められる場合に選びましょう。
低コストで試したい、自由にカスタマイズしたい
APIコストを気にせず、試したい場合はOllamaなどのローカルで使用できるモデルが良いでしょう。
自分のPCやサーバー上でモデルを動かすため、APIの使用コストがかからず、オフラインでの利用や独自のカスタマイズを行えるのがメリットです。
FAQ
Q.モデルが選べない・表示されない場合は?
A.モデルプロバイダーの設定が正しく完了していない可能性があります。「設定 > モデルプロバイダー」で、対象プロバイダーのAPIキーが正しく保存されているか確認してください。
また、APIキーが有効期限切れになっていないか、プロバイダーのサイトで確認しましょう。
Q.設定時にエラーが出る場合は?
A.APIキーが間違っているか、コピー&ペースト時に余分なスペースが含まれている可能性があります。もう一度キーを確認・再設定してください。
また、プロバイダー側で支払い情報が登録されていない場合もエラーになることがあります。
Q.モデルを削除したい場合は?
A.「設定 > モデルプロバイダー」で、対象プロバイダーのAPIキーを削除すれば、そのプロバイダーのモデルは利用できなくなります。
Q.どこまで無料で使えるの?
A.Difyのセルフホスト版は、ソフトウェア自体の利用は無料です。クラウド版にも無料プランがあります。ただし、モデルのAPI利用料は各プロバイダーに支払う必要があります。
多くのプロバイダーが無料クレジットを提供しているため、範囲内であれば無料で試すことが可能です。Ollamaなどを使ってローカルモデルを動かす場合は、API利用料はかかりません。
最適なモデルを選んで、AIアプリ開発を始めよう
今回は、DifyでAIアプリケーションを作成する上での「モデル選び」について、具体的な選び方から設定方法までを解説しました。
AIモデルと聞くと難しく感じるかもしれませんが、「何に使いたいか」「何を重視したいか」という視点で整理すれば、そこまで難しくありません。
まずは、3つの選定ポイント(利用目的、性能、導入のしやすさ)を参考に、OpenAIのような手軽なプロバイダーから試してみてください。
WEEL公式サイトでもDifyの記事を掲載しております。まずはDifyの全体像を把握したいという方は、以下よりご覧ください。
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