🌟 なぜジョニー・マー+ザ・ヒーラーズ『Boomslang』はUKロック史に残る名盤なのか? 🌟
🎧 まずはこの一曲!『Boomslang』を象徴する、グルーヴィーなサイケデリック・ロック 🎧
ボ・ディドリーを彷彿とさせるジャングル・ビートと、空間を切り裂くようなスライド・ギター。ザ・スミス時代の繊細なアルペジオとは一味違う、太くてサイケデリックなグルーヴが渦巻く、バンドのデビューを飾った強力なナンバーです。
「Down on the Corner」
ジョニー・マーとは?:ザ・スミスの「頭脳」がついにセンターマイクへ
ジョニー・マー(Johnny Marr)は、ザ・スミスのギタリストであり、UKロック界の至宝です。 バンド解散後、彼はエレクトロニックやザ・ザ(The The)、モデスト・マウス、ザ・クリブスなど、数々のプロジェクトに参加してきましたが、頑なに「ボーカリスト」になることは避けてきました。そんな彼が、「自分の歌いたい歌ができた」として初めて結成した自身のバンドが、このザ・ヒーラーズです。
1. ザック・スターキーとアロンザ・ベヴァン。最強のリズム隊
2003年にリリースされた本作の聴き所は、ジョニー・マーの歌声だけではありません。彼が選んだバンドメンバーが驚くほど豪華です。
ドラムにはザック・スターキー(リンゴ・スターの息子であり、後にオアシスやザ・フーでも叩く実力者)、ベースにはアロンザ・ベヴァン(クーラ・シェイカー)が参加しています。この鉄壁のリズム隊が生み出す、重くねっとりとしたグルーヴは、ジョニー・マーのギタープレイに「T・レックス」のようなグラム・ロックの艶と、強靭な肉体性を与えました。
2. 「スミス」の呪縛を解き放つ、アーシーなサイケデリック
本作のサウンドは、ザ・スミス・ファンが期待するような「キラキラしたギター・ポップ」ではありません。 ここにあるのは、70年代のクラシック・ロックやサイケデリック・ロックへの深い愛情です。ジョニー・マーのボーカルは決して技巧的ではありませんが、朴訥とした温かみがあり、広大なアメリカの風景や、英国の田園地帯を思わせるアーシーなサウンドと見事にマッチしています。それは彼が「いちギタリスト」から「ロック・スター」へと進化するために必要な儀式でした。
3. 呪術的なグルーヴと、広大な風景を描く名曲たち
「The Last Ride」 アルバムの中でも特に評価が高い、ドラマチックな楽曲。どこか西部劇を思わせる乾いたギターと、哀愁漂うメロディが、終わりのない旅の情景を描き出します。
「Bangin' On」 反復するリズムとギター・リフがトランス状態を誘う、サイケデリックなロック・ナンバー。ザック・スターキーのパワフルなドラミングが炸裂しており、ライブバンドとしてのポテンシャルの高さを示しています。
「Long Gone」 アコースティック・ギターを主体とした、フォーク・ロック調の美しいナンバー。バーナード・バトラー(#143)のソロ作にも通じる、普遍的なメロディと「歌心」が感じられる隠れた名曲です。
結論
『Boomslang』は、世界最高の「脇役」が、自らの足でステージの中央に立った勇気ある第一歩です。後のソロ・アルバム(『The Messenger』など)での成功を知る今だからこそ、このアルバムに込められた「試行錯誤」と「純粋なロックへの憧れ」は、より一層愛おしく響きます。ジョニー・マーのキャリアを語る上で、決して避けては通れないミッシング・リンクです。
本記事で紹介したアルバム
バンド名:ジョニー・マー+ザ・ヒーラーズ(Johnny Marr + The Healers) /アルバム名: Boomslang
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