🌟 なぜグラハム・コクソン『Happiness in Magazines』はUKロック史に残る名盤なのか? 🌟
🎧 まずはこの一曲!『Happiness in Magazines』を象徴する、アドレナリン全開のパンク・アンセム 🎧
ブラー時代の内省的な雰囲気や、ソロ初期のローファイな実験性をかなぐり捨て、歪んだギターを掻き鳴らして疾走する痛快無比なロック・ナンバー。鬱屈した日常を吹き飛ばす、最高のエネルギーと興奮に満ちています。
「Freakin' Out」
グラハム・コクソンとは?:ブラーを飛び出した「眼鏡のギター・ヒーロー」
グラハム・コクソン(Graham Coxon)は、国民的バンドブラー(#2, #56 , #94 )のギタリストです。 その革新的なプレイスタイルと、ローファイで内向的なキャラクターで愛されてきましたが、音楽性の違いやアルコール問題からバンドを脱退(2002年)。それまでのソロ作は実験的でマニアックなものでしたが、バンド脱退後初となる本格的なアルバムである本作で、彼は「優れたソングライター」としての才能を完全に開花させました。
1. 盟友スティーヴン・ストリートとの再タッグと、ポップへの回帰
2004年にリリースされた本作の成功の要因は、ブラーの黄金期を支えたプロデューサー、スティーヴン・ストリート(ザ・スミス、モリッシーも担当)を招いたことにあります。
それまで自宅録音のような荒削りなサウンドを好んでいたグラハムに対し、スティーヴンは「君の曲はラジオで流れるべきだ」と説得。彼の整理されたプロダクションにより、グラハムの持つひねくれたポップ・センスが、誰にでも届く「パワー・ポップ」として磨き上げられました。結果として、本作は彼のソロ・キャリアで最大のヒットとなり、NMEアワードでもベスト・ソロ・アーティストを受賞しました。
2. ウィーザーとザ・ジャムが出会った? 最高の「ギター・ポップ」
本作のサウンドは、彼が愛するアメリカのオルタナティブ・ロック(ダイナソーJr.やウィーザー)のダイナミズムと、英国的なモッズ・パンク(ザ・ジャム)の疾走感が見事に融合しています。
複雑なエフェクターを駆使したブラー時代とは異なり、ここではシンプルに歪ませたギターと、甘酸っぱいメロディが主役です。「脱退劇の傷心」を感じさせないほど、アルバム全体が「音を鳴らす喜び」に溢れており、聴く者を無条件で元気にさせてくれます。
3. 甘くて苦い、青春の残り香が漂う名曲たち
「Bittersweet Bundle of Misery」 「甘く切ない惨めさの塊」というタイトルが秀逸な、アルバム屈指のポップ・ソング。ブラー時代の名曲「Coffee & TV」を彷彿とさせる、情けないけれど愛おしい、グラハム節が炸裂しています。
「Spectacular」 「僕はなんだってできる(I'm capable of anything)」と歌い出す、アルバムのオープニング曲。ソロ・アーティストとしての自信と、未来への楽観的な視点が、ジャングリーなギターに乗せて歌われます。
「Girl Done Gone」 60年代のガレージ・ロック直系のリフが格好いい、疾走感あふれるナンバー。彼のギタリストとしての引き出しの多さと、ボーカリストとしての成長が同時に味わえる一曲です。
結論
『Happiness in Magazines』は、ブラーという巨大な看板を下ろした男が、一人のロックンローラーとして自立した記念碑的な作品です。ここには、デーモン・アルバーンのようなカリスマ性はありませんが、代わりに「隣の兄ちゃん」のような親しみやすさと、純粋なロックへの愛情が詰まっています。ギターを弾くことの楽しさを思い出させてくれる、永遠のギター・キッズのための名盤です。
本記事で紹介したアルバム
バンド名:グラハム・コクソン(Graham Coxon) /アルバム名: Happiness in Magazines
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