🌟 なぜバッドリー・ドローン・ボーイ『The Hour of Bewilderbeast』はUKロック史に残る名盤なのか? 🌟
🎧 まずはこの一曲!『The Hour of Bewilderbeast』を象徴する、極上のグルーヴ 🎧
ジャジーなドラム・ループと、軽快なアコースティック・ギターが心地よい。 マンチェスターの街角を散歩するような、お洒落で少し気怠い、バンドのセンスが凝縮されたポップ・ソングです。
「Once Around the Block」
バッドリー・ドローン・ボーイとは?:ニット帽を被った、マンチェスターの吟遊詩人
バッドリー・ドローン・ボーイ(Badly Drawn Boy)は、マンチェスター出身のシンガーソングライター、デイモン・ゴフのソロ・プロジェクトです。 トレードマークのニット帽を目深に被り、無精髭を生やしたその風貌は、一見すると冴えない青年のようですが、ひとたび楽器を手にすれば、フォーク、ロック、ジャズ、クラシックを自在に操る魔法使いへと変貌します。ベック(Beck)やエリオット・スミスにも通じる、天才的なメロディセンスとDIY精神を持ったアーティストです。
1. コールドプレイを抑え、マーキュリー・プライズを受賞
2000年にリリースされたデビュー・アルバム『The Hour of Bewilderbeast』は、UK音楽シーンに衝撃を与えました。 この年のマーキュリー・プライズ(最優秀アルバム賞)において、世界的なブレイクを果たしつつあったコールドプレイの『Parachutes』(第16回)や、ダヴズの『Lost Souls』(第74回)といった強力な対抗馬を抑え、見事に受賞を果たしたのです。 この受賞は、他的音楽が持つ独創性と、ジャンルに縛られない自由な精神が、当時のUKシーンしていかに高く評価されたかを物語っています。
2. 「野獣(Bewilderbeast)」のような、雑多で美しいコラージュ
アルバム・タイトル(直訳すると「当惑する野獣の時間」)が示す通り、本作は非常に雑多で、つかみどころのない魅力に溢れています。 美しいオーケストレーション、チープなドラムマシン、アコースティック・ギターの弾き語り、そして環境音。それらがコラージュのように繋ぎ合わされ、聴く者を不思議な物語の世界へと誘います。不完全であるがゆえの愛おしさと、完成されたポップネスが同居する、奇跡的なバランスのアルバムです。
3. アルバム全編を彩る、温かくひねくれた名曲群
本作は、インストゥルメンタル曲を含めた全18曲というボリュームですが、アイデアの豊富さで飽きさせません。
「Once Around the Block」 前述の、洒脱なリズムとメロディが光る、アルバム屈指の人気曲。
「Another Pearl」 疾走感あふれるギター・ストロークと、高揚感のあるボーカルが駆け抜ける、エネルギッシュなロック・ナンバー。
「Pissing in the Wind」 「風に向かって立ちション」というふざけたタイトルとは裏腹に、牧歌的で力強いフォーク・ロックの名曲。
「Disillusion」 ディスコ風のベースラインと、キャッチーなメロディが融合した、ダンサブルな一番の人気曲。
結論
バッドリー・ドローン・ボーイの『The Hour of Bewilderbeast』は、2000年のUKロックシーンにおいて、最も個人的で、最も創造的なエネルギーに満ちた名盤です。コールドプレイのようなスタジアム級の洗練とは対極にある、手作り感あふれる温かいサウンドは、いつ聴いてもリスナーの心を解きほぐしてくれる、永遠の魔法を持っています。
本記事で紹介したアルバム
バンド名: バッドリー・ドローン・ボーイ (Badly Drawn Boy) アルバム名: The Hour of Bewilderbeast
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