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🌟 なぜモリッシー『Viva Hate』はUKロック史に残る名盤なのか? 🌟

🎧 まずはこの一曲!『Viva Hate』を象徴する、ザ・スミスからの鮮やかな決別 🎧

ジョニー・マーという天才ギタリストを失った不安を一掃するかのような、力強く煌びやかなギター・イントロ。ザ・スミス時代の「内省」を引き継ぎつつも、より力強く、オーケストラを従えて高らかに歌われる、ソロ・キャリアの幕開けにふさわしいアンセムです。


「Suedehead」


モリッシーとは?:マンチェスターの「教祖」にして、永遠のトラブルメーカー

モリッシー(Morrissey)は、ザ・スミスの元フロントマンであり、マンチェスターが生んだ最も影響力のある作詞家・ボーカリストです。 1987年のザ・スミス解散は、英国音楽界にとってビートルズ解散に匹敵する衝撃でした。「ジョニー・マーのギターなしで彼はやっていけるのか?」という世間の懐疑的な視線が集まる中、彼はわずか半年後にこのアルバムをリリースし、全英1位を獲得することで、自らのカリスマ性を証明してみせました。


1. ジョニー・マーの穴を埋めた「ヴィニ・ライリー」の功績


本作の成功の鍵を握っていたのは、プロデューサーのスティーヴン・ストリートが連れてきたギタリスト、ヴィニ・ライリー(ザ・ドゥルッティ・コラム)の存在です。

マンチェスターのファクトリー・レコード所属の彼は、ジョニー・マーのような「リフ」で押すタイプではなく、繊細なアルペジオや空間的な音作りを得意とするギタリストでした。彼が奏でる、硝子細工のように美しいギター・サウンドは、モリッシーの歌声にザ・スミスとは異なる「優雅さ」と「透明感」を与えました。


2. 「毎日が日曜日」。海辺の町に漂う閉塞感


本作の歌詞世界は、英国の曇り空の下にある「退屈」と「絶望」を極限まで美しく描いています。 特に代表曲「Everyday Is Like Sunday」で描かれる、「閉鎖を忘れた海辺の町(Coastal town that they forgot to close down)」というフレーズは、サッチャー政権下の英国地方都市の衰退と、そこで生きる若者の行き場のない閉塞感を象徴する詩として、今なお多くの人々の心に刻まれています。


3. 毒とロマンティシズムが交錯する名曲たち


  • 「Everyday Is Like Sunday」 「毎日が静かで退屈な日曜日」と嘆き、「核爆弾が落ちてくればいいのに」と願う、モリッシー節全開の名曲。美しいストリングスのアレンジが、その破滅願望を崇高なものへと昇華させています。

  • 「Late Night, Maudlin Street」 7分を超える長尺のバラード。ヴィニ・ライリーのピアノとギターが静かに響く中、過去の思い出と引越し(決別)について独白する、映画のワンシーンのように美しい楽曲です。

  • 「Margaret on the Guillotine」 アルバムのラストを飾る、当時のサッチャー首相を「ギロチンにかける」と歌った過激なプロテスト・ソング。実際に警察の捜査対象になるほど物議を醸しましたが、彼の「怒れる若者」としての姿勢を明確に示した一曲です。


結論


『Viva Hate』は、バンドという「聖域」を失った男が、孤独と引き換えに手に入れた「自由」の記録です。ここにはザ・スミス時代のバンド・マジックはありませんが、それを補って余りある、一人の詩人の剥き出しの感情と、ヴィニ・ライリーによる美しい装飾があります。マンチェスターの曇天を愛する全ての人のための、永遠のサウンドトラックです。


本記事で紹介したアルバム

バンド名:モリッシー(Morrissey) /アルバム名: Viva Hate

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