🎧 ジャズのピアノトリオ名盤【#276】ブラッド・メルドー「The Art of the Trio, Vol. 2」を聴いてみた
とにかくジャズのピアノトリオを紹介したい男、です。
こんにちは。ジャズの専門家でも上級者でもないけれど、とにかく「ピアノトリオが好き!」という気持ちだけで書き始めたシリーズです。僕と一緒に「JAZZピアノトリオの名盤」を少しずつ学んでいきましょう。
今回は、現代ジャズ・ピアノにおける最大のカリスマ、ブラッド・メルドーがその圧倒的な才能を世界に見せつけた「アート・オブ・ザ・トリオ」シリーズの第2弾、熱気あふれるライブ盤をご紹介します。
🎹 今回のアルバム
Brad Mehldau – The Art of the Trio, Vol. 2: Live at the Village Vanguard (1998)
ブラッド・メルドー(ピアノ)、ラリー・グレナディア(ベース)、ジョルジ・ロッシ(ドラムス)による録音作品です。
ジャズの聖地として知られるニューヨークのクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」での熱演を収録。ビル・エヴァンス以降のピアノトリオの歴史において、「21世紀のジャズの方向性を決定づけた」とまで評される歴史的な名盤です。クラシックの対位法(複数の独立した旋律を同時に調和させる技法)を取り入れたメルドーの知的なアプローチが、ライブ特有の生々しい熱量と奇跡的な融合を果たしています。
👂 聴きどころ
「The Way You Look Tonight」について:甘くロマンチックなスタンダード曲を、スリリングで複雑な構造へと完全に解体・再構築しています。左右の手がそれぞれ独立した生き物のように別のメロディを紡ぎ出しながらも、破綻することなく一つの巨大なうねりを作り出していく様は圧巻の一言です。
伝統と革新が交差する「暗黒の叙情性」:彼のピアノには、伝統的なスウィング感とは異なる、深く内省的でどこかメランコリックな響きがあります。ただ美しいだけでなく、人間の心の奥底を覗き込むような哲学的な重みを持った音色が、聴く者の心を強く惹きつけます。
三者が対等に火花を散らす「ポリリズムの迷宮」:主役のピアノをベースとドラムが支えるという古い定石は、ここには存在しません。ラリー・グレナディアの地を這うような重厚なベースラインと、ジョルジ・ロッシの色彩豊かなシンバルワークが、メルドーの複雑な変拍子に完璧に呼応し、三位一体の極限のインタープレイを繰り広げています。
✍️ 一言コメント
「ジャズは進化し続けている」という事実を、これほどまでに強烈に突きつけてくるアルバムは稀です。難解に聞こえる部分もあるかもしれませんが、身を委ねて聴き通した後に残る深い余韻は格別です。静かな夜、思考の海に深く潜りたい時にぜひ味わってみてください。
いかがでしたか? これで「JAZZピアノトリオの名盤」シリーズも276回目となりました。今後も、さらに素晴らしい作品をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!
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