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【シンクタンク事業 ご案内】諧調論で考える「政党法」―政党は倫理ある「法人」となれるか

道しるべ響会ではこの度「諧調所(シンクタンク事業部門)」にて、「政党」を切り口とした日本の政治改革をモニタリングするプロジェクトを立ち上げることをご案内いたします。

⇒サクっとプロジェクトを把握したい方は目次中の【忙しい人向けのサマリー】をまずはご覧ください!

⇒背景、分析手法を含めて確認されたい方は目次の【詳細】と付いた小見出し以降の内容をご覧ください!



■【忙しい人向けのサマリー】諧調所の知見による、令和の政治改革の推進


本プロジェクトで当団体は、諧調所独自の平和学の視点で「政党」の改革進捗度を分析・評価し、継続モニタリングすることで、令和の政治改革に貢献します。

■政策提言の方向性と手法

・裏金問題で判明した自民党のガバナンス崩壊を原点に、日本の政治不信の原因の一つである「政党」の存在意義を見つめ直す。
 ➡政党を起点とした令和の政治改革実現に貢献する。

・令和国民会議(通称「令和臨調」)が提唱する政治改革案を分析当初の基準とし、現在の主要政党の改革案とのギャップを測定し、改革の達成度合いを評価する。

・諧調機構が提唱する、平和を実践する学問体系「諧調論」の学問領域で、日本の政党の効果的なガバナンスを阻害する要因を特定する。
<参照する学問領域・理論>
▪ 組織論
▪ 法人論
(岩井克人「ヒト・モノ・法人」論)
▪ 経営論
(リチャード・P・チェイト他 『非営利組織のガバナンスー3つのモードを使いこなす理事会』)
・平和学、紛争解決学

・令和臨調改革案の達成度合いと、「諧調論」での政党のガバナンスから、「政党法」策定要否を含めた、今後の改革の方向性を改めて政策提言する。

・今後の各政党の改革進捗度評価を継続し、モニタリングしていく。
 ➡報告書や記者会見で社会に公開する機会を設ける。

■本プロジェクトにまつわる当グループ経営の方針

・本プロジェクト発足に際し、寄付いただいた方には金額の多寡によらず、本プロジェクトの経過報告・完成報告書・関連イベントを無償でご案内させていただきます。
→下記リンク先の寄付先をご参照ください。
特典をご希望の場合、必ず指定のメールアドレス ask.waymarks@gmail.com までご連絡ください
→いただいたご寄付は、法人格整備、研究拠点整備に役立ててまいります。


■【詳細:プロジェクト背景】令和の政治改革の必要性

■高市早苗政権の高支持率に影を落とす政治課題「政治改革」

就任会見にて「トップスピード」で政策を進めると表明した高市早苗総理が率いる高市・自維連立政権は、首脳外交の成功評価も相まって、80%以上という高い支持率で好スタートを切りました。

11月4日には、臨時国会が開会します。

石破茂前総理の際と同様、高市政権も衆参両議院で与党が過半数の議席に満たない「少数与党」での政権運営を迫られます。
高市政権は、いよいよ政策実現の手腕が問われます。


発足時の高支持率でともすれば見過ごされてしまいますが、高市首相の政権運営方針の中で、国民の評価が芳しくない行動が一つありました。

それは、自民党のいわゆる「裏金問題」の当事者であった国会議員の要職登用です。
特に、裏金問題の震源地である旧安倍派の実力者であった萩生田光一議員の幹事長代行への起用には、世論調査で7割にも及ぶ多数の国民が反対の意思が示されています。


2024年、自民党の裏金問題に国民の政治不信への怒りが爆発しました。
ついには岸田元総理の辞任から石破前総理への交代となりましたが、政治不信は根強く、石破前総理個人への高い信頼とは裏腹に、政権と与党への支持率はなかなか改善しませんでした。

岸田政権から石破前政権、高市現政権への支持率推移(時事通信世論調査 2025.11.3時点)

高市政権はそうした政治改革にまつわる課題をよそに高支持率を達成しましたが、まだ自民党自体の支持率上昇は鈍いままです。
地方選挙では今なお自民党系候補の厳しさは変わらず、来る国政選挙での行方は予断を許しません。



■待ち望まれる「令和の政治改革大綱」

2022年5月、次の時代に持続可能な日本社会と民主主義を引き継ぐ政策提言を行うため、民間有識者が中心となり「令和国民会議(以下、「令和臨調」)」が発足しました。

令和臨調の提言対象には、日本の民主主義の根幹である政治のガバナンスも含まれていました。2025年6月、7月に迫った参議院選挙に向けて、令和臨調は報告書『「令和の政治改革に向けて――日本の民主政治のガバナンスを再確立する』で、そのあるべき姿を示しました。

平成初期、日本は空前の「政治改革」の熱に浮かされていました。

「リクルート事件」など相次ぐ「政治とカネの問題」を受けて、自民党政権への怒りが爆発し、初めて自民党以外の政党による細川連立政権が誕生し、日本中が政治改革に熱い注目を注いでいました。
そうした情勢下、自民党も解党的出直しを求める世論に応えるべく「政治改革大綱」を出すに至りました。

―それから30年余り、政治を担う国会と政党の信頼はいまだに低いことが、令和臨調の報告書で問題点として指摘されています。

裏金問題が発覚した当時、政党のあり方を規定する「政党法」が日本に無いことが問題であると指摘し、「政党法」を求める主張が国会内外で展開されました。


令和臨調は報告書で、いたずらに政党法策定を目指すのではなく、まずは政党の自己改革を奨励するべきである、という姿勢です。
しかし、政治改革が政党レベルで目覚ましい進歩が無いことも問題視し、消極的姿勢が続くのであれば政党法策定という最後の手段もやむを得ないと、各政党に警鐘を鳴らしています。


高市政権は連立を組む日本維新の会と、「衆議院議員定数の削減」という政治改革で合意していますが、上記報告書では議員定数の多さが問題視されているわけではありませんでした。

「衆議院議員定数の削減」は日本維新の会の一丁目一番地である「身を切る改革」を象徴する一方、まるで裏金問題を争点としないための「目くらまし」として登場したかのような、政治改革アジェンダでした。

令和臨調は上記報告書と合わせて発出した、各政治家・政党に政治改革を呼びかける文書を、次の文で締めくくっています。

(……)自民党が1989年に出した「政治改革大綱」のように、 政党や政治家自らが「令和の政治改革大綱」を作ることで、日本の民主政治のガバナンスを再確立していくことが、いまこそ重要だと考えます。

出典)『参議院選挙に向けて私たちが問いたいこと
―民主主義のガバナンス改革と持続可能性を考えよう―』


■【詳細:政党分析手法】平和を実践する学問体系「諧調論」の応用

当団体では、古来日本の平和主義にあやかり、平和学の進化形として「諧調論」という新たな学問領域を提唱します。

「諧調論」が政党改革の分析・モニタリングに役立つのは、この学問体系は不調和を調和に転換する枠組みであるため、不調和の原因となる人間関係や組織など関係性にまつわる問題に有効であるためです。

「諧調論」は紛争解決学/紛争研究を深化させ、伝統的に平和とリンクした戦争学のみならず、組織論や心理学などを組み合わせた、関係性に起因する問題を幅広く分析できる、当団体が提唱する学問体系です。

令和臨調の政治改革提言を基準とし、改革の実効性担保、さらなる改革へのヒントを得るために諧調論での分析を試みます。

※「諧調」という概念詳細と、「平和の思想大国」のヴィジョン詳細は下記リンク先記事をご参照ください。
 「道しるべ響会」事業体制と「平和の思想大国・日本」「諧調」について

「諧調論」の枠組み(筆者作成)

諧調論のうち、今回は「政党」という組織が対象ですので、組織論や社会心理学、その他戦略論・経営論が主要な分析枠組みとなる見込みです。

■平和学→紛争解決学→「諧調論」への発展過程―平和を「実践」する学問体系へ

平和学では、当事者が目に見える暴力(「直接的暴力」)と、当事者が目に見えない暴力(「構造的暴力」)の両方に対し、それぞれを解消した状態を「消極的平和」「積極的平和」と定義し、積極的平和を達成することを平和学の目標としていました。

ヨハン・ガルトゥング「消極的平和」「積極的平和」の概念(筆者作成)



しかし、平和に関する定義が拡張した平和学は、平和の障害となる課題が多様化してしまい、かえって学問の焦点がぼやけ始める問題に直面します。

当団体は実践的な平和への道のりを探るため、紛争解決学・紛争研究に着目しました。

平和学への当団体の問題意識(筆者作成)


洞察を深める中で、紛争解決学を深化する可能性を予感し始めました。

「争い」という関係性にまつわる課題を考察する紛争解決学は、伝統的に関連付けられた戦争学のみならず、学問成立時のように組織論心理学など裾野を広げて体系化することで、個人から国家レベルまで人間の多様な課題を解消する道すじを示せるのではないか―。
紛争解決学の深化・再編は、焦点のぼやけた平和学に対し、平和を「実践」する道すじを提供することにもつながるのではないか―。

紛争解決学は、時代ごとにその時々の主要な争いに解決の枠組みを提供してきました。
現在、冷戦終結後なりをひそめていた国家間戦争がウクライナ戦争で復活し、アメリカをはじめ世界各国で政治的な分断が広がりを見せています。
目に見える暴力も、目に見える暴力は無いが平和と言えない状態も、広がりつつあります。

今こそ、紛争解決学は進化するべき時です。

紛争解決学の深化のイメージ(筆者作成)



当団体では本プロジェクトを通じ、諧調論の学問体系を整備するとともに、諧調論の可能性を実証してまいる所存です。


■「法人」の倫理性に着目したアプローチー岩井克人氏「ヒト・モノ・法人論」

今回の政党分析にあたって、特に参照したい理論があります。

それが、欲望にまみれた資本主義の核心に「倫理」があると理論化した、経済学者岩井克人氏の「ヒト・モノ・法人論」です。
本理論を、本来政策の実現という国民のための公益性の高い事業を行う政党という「法人」が倫理性を発揮するヒントとして参照します。


本理論は主に岩井氏の著作会社はこれからどうなるか』、『会社はだれのものかで世間の目に触れ、最近では今年NHK BSスペシャル『欲望の資本主義』シリーズの特別編『欲望の会社論2025~あなたの組織は誰のもの? 法人の謎』でも取り上げられました。


近年の企業買収や「モノ言う株主」の台頭は、「会社は誰のものか?」という問いを投げかけます。
この問いかけは、会社を所有するのは経営者か、それとも株主か(「株主主権論」)、という疑問に誘います。

この問いに対し、岩井氏は会社=「法人企業」の「モノでありながら、ヒトである(→契約行為ができる)」という「法人」の性質に注目します。そして、あくまで株主が所有できるのは「モノ」としての法人であり、「ヒト」としての法人は所有できないとして、株主主権論は誤りと指摘します。

岩井氏は上記NHKの番組内で、本来「法人」という制度は非営利団体として発達してきた経緯に触れ、近代市民社会に成立した株式会社も社会性の高い団体であるとしてきました。

岩井氏は法人としての株式会社の性質を見つめ直すことで、欲望にまみれた資本主義の担い手の核心に「倫理」が潜んでいることを見出し、経営者が人材という資源を尊重・活用し、社会に価値を生産し続けることの重要性にたどりつきました。

翻って現代日本では、「政党」という、まさに「公器」と言うべき法人の倫理性が今問われています。
平成の政治改革により、戦後日本初期の大規模疑獄事件のような巨大スキャンダルは発生しづらい政治環境が実現しました。
しかし、2024年発覚の自民党の裏金問題は、政治改革の宿題が令和に残っていたことを日本社会に見せつけました。

本プロジェクトでは岩井氏の理論や、非営利団体のガバナンスに関する経営論も参照しながら、いかに政党という組織が法人本来の倫理性を発揮出るか、自由闊達な議論と研究を進めてまいります。


■【詳細:今後の展開】

プロジェクトチーム編成後、諧調論の枠組みを深化しながら、政治不信の震源となった自民党をはじめとした主要政党の分析を進めてまいります。

≪研究・成果発表へのスケジュール≫
第一段階:
研究枠組み構築開始

第二段階:
中間成果報告(オンライン) ※オフラインでの実施は必要性に応じて判断
・主要政党の政党改革進捗度の評価枠組み、分析結果中間報告
・諧調論の学問体系整備状況

第三段階:
◆第1回成果文書発行 ※進捗状況により時期変更の可能性有
◆成果文書の発表(講演or記者会見) ※進捗状況により時期変更の可能性有

第四段階:
◆政党改革のモニタリングレポートの定期発刊 
 ※進捗状況により時期変更の可能性有

政治への不満は、日々の苦しみを解消してほしい願望の裏返しです。
「平和の思想大国・日本」の実現に向け、まずは自国内の政治課題を克服する一助となることで、シンクタンクとしての責務を果たしてまいります。


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