第21 回 Amebixは斧を振り回すホラーバンドなのか?

昔、F先輩という人に欧州のハードコアパンクについて色々と教えてもらった。
先輩はだいぶクセが強く、とにかくGauzeを崇拝していて、
♪敵を作れっ どんどんっ 作れぇ〜!
という曲を文字通りに受け止めて、死ぬほど喧嘩が弱いのに起こさなくて良いトラブルを自ら起こしに行く困った人でもあった。
僕もとばっちりを受けたが、その話はまた別の機会に。
先輩いわくPUNKというのは、反戦や反核・反レイシズム等の姿勢を強固に打ち出してないのは偽物だとの事で、
「悪魔やら殺人鬼やらについて歌うメタルは論外、そしてUKハードコアでもExploitedは馬鹿、GBHは思想が無い」などと言って否定していた。
じゃあ何なら良いのかというとCrass、Conflictなどのアナーコパンクと、その他のクラストバンド、中でも今回のAmebixは重要なのだと。
それを聞いて僕が最初に買ったのは「Arise!」のLPだった。
聴くとスピードは抑えめ、押しつぶされそうな重圧感で、音で終末を表現しているようだ。
そうなるとどんな歌詞なのか気になり、拙い英語力で読み解く事に挑戦してみた。
2曲目"Axeman"
オレでも訳せる。「斧男」だろう?
ここからは当時の僕の意訳。
「子供たちを隠せ、アックスマンがやって来る
手に斧を持って 殺しに来る
奴は心を持たない肉屋 殺人マシーン
虐殺…」
あれ?何かB級ホラーみたいな歌詞じゃない?本当に政治的なバンドなのか?
この疑問を思い切って先輩にぶつけてみたが、意外にも受け流され、話の決着はつかないままだった。
今思えばお互い、討論出来るほどの英語力が無かったからだろう。
よって先輩との議論は引き分けだったが、その延長戦を今、AIとやってみた。Amebixはただのホラーバンドなのか?
AIにそれを聞くと、
「彼らは核戦争等による死と荒廃のポストアポカリプス的な世界観を反権力的視点で描いている」
との事だった。
それに対して僕が「じゃあAxemanの歌詞は何なんだ?ただのスラッシャー映画のようだけど?」
と言ったら、こう言われた。
「あなたがそう思うのも無理はありません。しかしよく見て下さい、
Is he from the army or the S.A.S.?
Rejected and shunned, left out on his own
The skills he acquired are put to the test
この部分の歌詞を見ると、アックスマンは陸軍か特殊部隊出身で、そこを追放され、その殺人スキルを試そうとしているとあります。これは戦争によって秩序が崩壊した世界のメタファーです」
うーむ…屁理屈言ってない?
この討論、オレの負けなのか?

◎この1曲
The Power Remains
(急に走り出す展開に痺れる)
