歩行を見る力を育てる4部作|第4作歩行分析チェックリスト完全版評価・仮説・介入までつなげる実践シート
「歩行分析をしても、どこから整理すればいいかわからない」
「歩行観察はできるけど、原因まで考えられない」
「歩行評価をしても、介入につなげるのが難しい」
「新人セラピストに歩行分析を教えるとき、何を基準に伝えればいいかわからない」
リハビリの臨床では、こういう悩みがよくあります。
歩行を見ること自体はできます。
でも、それを評価・仮説・介入までつなげるのが難しい。
これは新人セラピストだけでなく、中堅以上のセラピストでも悩みやすいポイントです。
このシリーズでは、ここまで歩行を段階的に整理してきました。
第1作では、一般の方にもわかるように、
高齢者の歩き方と転倒予防のサインを整理しました。
第2作では、新人セラピスト向けに、
歩行観察の基本を整理しました。
第3作では、運動学だけでは説明しきれない歩行を理解するために、
歩行分析に必要な神経生理学を整理しました。
そして今回の第4作では、これまでの内容を実践に落とし込みます。
この記事のゴールは、
歩行をただ眺めるのではなく、チェックリストに沿って評価し、仮説を立て、介入までつなげられるようになること
です。

歩行分析が難しい理由
歩行分析が難しい理由は、知識が足りないからだけではありません。
もちろん、運動学や神経生理学の知識は必要です。
でも、それだけでは臨床で使える歩行分析にはなりません。
歩行分析が難しくなる理由は、大きく3つあります。
1.見る場所が多すぎる
歩行では、全身が同時に動きます。
体幹
骨盤
股関節
膝関節
足関節
足部
腕振り
視線
補助具
さらに、歩行速度、歩幅、左右差、ふらつき、代償動作も見なければいけません。
最初から全部を一気に見ようとすると、当然混乱します。
だから歩行分析では、
見る順番
が大切になります。
2.原因と結果が混ざりやすい
歩行で見えている現象が、必ずしも原因とは限りません。
たとえば、分回し歩行が見えたとします。
でも、その原因はひとつではありません。
足関節背屈が出ない
膝が曲がらない
股関節屈曲が弱い
つま先が引っかかるのが怖い
麻痺側下肢を振り出しにくい
骨盤挙上で代償している
このように、見えている現象の裏には、複数の原因が隠れていることがあります。
つまり、
見えている動き=原因
と決めつけるのは危険です。
歩行分析では、見えた現象をもとに、複数の仮説を立てる必要があります。
3.観察が介入につながらない
歩行分析で一番もったいないのは、
「歩行の特徴を説明できるけど、介入につながらない」
状態です。
たとえば、
「麻痺側立脚期が短いです」
「体幹側屈があります」
「歩幅が狭いです」
「すり足です」
ここまでは言える。
でも、そこから、
何を追加評価するのか
どの問題を優先するのか
どんな介入につなげるのか
まで整理できないと、歩行分析は臨床で使いにくくなります。
だからこそ、歩行分析には考える順番が必要です。
歩行分析は「見る順番」で決まる
歩行分析は、センスだけで決まるものではありません。
もちろん経験は大切です。
でも、経験が少ない新人セラピストでも、見る順番を持てば歩行はかなり整理できます。

歩行分析の7ステップ
基本の流れはこれです。
全体像を見る
歩行周期で分ける
部位別に見る
神経生理学的視点で見る
問題点を整理する
仮説を立てる
介入方針につなげる
この順番で考えると、歩行分析はかなり整理しやすくなります。
大切なのは、いきなり原因を決めつけないことです。
まずは見えた現象を整理する。
次に、考えられる原因を複数出す。
そのうえで、追加評価で確認する。
最後に、介入方針につなげる。
この流れを作るために使うのが、今回の歩行分析チェックリストです。
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ここからは、実際に歩行分析チェックリストと実践シートを使いながら、
歩行観察を評価・仮説・介入までつなげる方法
を整理していきます。
今回の記事では、歩行分析に使える実践シートとして、以下の5つのPDFも用意しています。
歩行分析チェックリスト
歩行評価シート
仮説整理シート
介入方針シート
新人教育ミニシート
歩行分析が苦手な人でも、順番に整理できるように作っています。
実践シートの使い方
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