【エッセイ✖️連作短編】無人島に、なにかひとつ持っていくとしたら 第1話
〜始まりの予感〜
そこは、誰もいないっぽい無人島ーーー
壊れたイカダを目の前に、
僕はひとりたたずんでいた。
波が寄せるたび、
壊れた木片がカタカタと音を立てる。
ロープはちぎれ、
板は何枚も割れていた。
……壊れてしまったものは仕方ない。
すぐに帰れないことは秒で分かったけど、
焦りや苛立ちのような気持ちは、
不思議となかった。
むしろ、
波の音を聞いていると、
少しだけ肩の力が抜けていく……
なんなら、
ビーチでちょっと清々しい気分🎵
状況が全く分かんないけどね笑
「君は何を持ってきたの?」
突然、後ろから声がした。
振り向くと、
大きな帽子をかぶった少年が、
当たり前のようにそこに立っていた。
隣には、知らない帽子の少年。
僕のポケットには豆の入った袋。
そして手には木製のオール。
足元には、
バラバラになったイカダ……
「あの、これ」
僕は木製のオールを手渡した。

「オール?」
「そうだよ。イカダを漕ぐための。」
「ああ……じゃあ、とにかく行こう!」
昼を過ぎると
この辺りは満潮になり、
砂浜は海の一部となるらしい。
二人は歩き出す。
「あの……君は何を持ってきたの?」
「ーーーカメラだよ。撮っとく?」
少し間を開けて、
帽子はカメラを取り出した。
「うん。ここがいいね」
「そうだね……ここにしよう」
パシャリ!

写真の中には、
笑っている僕たちがいた。
初めて会ったばかりなのに、
ずっと前から知っていたような、
不思議な感覚だった。
ーーー僕の服は汚れ、
身体はひどく疲れている。
どうやら長い間、
海を漂流していたらしい。
波の音だけが、
静かに響いていた……
ここは、どこなのか。
なぜ、ここへ来たのか。
どこから来て、
どこへ向かうのか。
“なにかひとつ”の答えは、
この島のどこかにあるはず……
その答えを探すための旅が、
今、始まろうとしていたーーー
……たぶん。
✅第2話 連作短編、やってみます……
