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川のほとりのキセキー幼なじみたちの青春賦ー



AIが描いた2枚のイラストをイメージして、物語を書いてと依頼しました。⬇️⬇️⬇️







​第一章:色褪せない約束


​その河川敷は、いつだって彼らの世界の中心だった。

​遮るもののない青空、どこまでも続く緑の芝生、そして優しくきらめく川のせせらぎ。小学生だった頃の彼らは、放課後になると吸い寄せられるようにこの場所に集まり、日が暮れて空が茜色に染まるまで、1つのサッカーボールを追いかけ続けていた。

​「おい、そら! サクラ! 早くしろよ!」

​ツンツンとした茶髪を揺らし、少しやんちゃな笑顔で振り返るのがカイトだった。彼は3人の中でいつも先頭を走るリーダー格で、運動神経が抜群。将来はプロのサッカー選手になるんだと、本気で信じて疑わない少年だった。

​「待ってよカイト、足が速すぎるんだってば」

​苦笑いしながら、マイペースに歩を進めるのがそら。黒髪の、少しおっとりとした少年だ。カイトのように目立つタイプではなかったが、いつも一歩引いたところからみんなを優しく見守っている、バランサーのような存在だった。

​「もう、二人とも置いていかないで!」

​二人の後ろを、白いワンピースの裾をひらひらと揺らしながらついていくのがサクラ。ツインテールがトレードマークの、ひまわりのような笑顔がまぶしい女の子だ。

​カイトが蹴り上げたサッカーボールが、青空へ向かって綺麗な弧を描く。

それをそらが必死に追いかけ、サクラが「がんばれー!」と手を振る。そんな、どこにでもある、けれど彼らにとってはかけがえのない毎日。

​ある日の夕暮れ、激しくボールを蹴り合った後、3人は芝生の上に座り込んで息を整えていた。遠くに見える家々の窓に、ぽつぽつと明かりが灯り始める。

​「なぁ」

​カイトが、まだ少し泥のついたサッカーボールを抱きしめながら言った。

​「俺たち、大人になってもずっとこうしてここでサッカーやろうな。高校生になっても、その先も、ずーっと一緒だ」

​「うん、そうだね。カイトがプロになったら、僕が最初のファンになるよ」

そらが微笑む。

​「私も! ずっとずっと、3人でいようね」

サクラは嬉しそうに言い、小さな小指を差し出した。

​「おう、約束だ!」

​カイトとサクラが小指を絡め、そこにそらも指を重ねる。

夕日に照らされた3人の影が、芝生の上に長く、強く伸びていた。それが、彼らの「始まりの約束」だった。


​第二章:すれ違う足音


​しかし、時間は残酷なほど平等に、そして急激に流れていく。

中学校への進学。それが、3人の関係に少しずつ、目に見えないひびを入れ始めるきっかけだった。

​地元の公立中学に進んだそらとサクラに対し、カイトはサッカーの強豪クラブチームにスカウトされ、私立の中高一貫校へと進学したのだ。

​最初は「学校が離れても、週末はあの河川敷で会おう」と話していた。だが、カイトの生活は一変する。周囲は全国から集まったエリートばかり。少しでも気を抜けば、すぐにレギュラー争いから脱落してしまう厳しい世界だった。

​「もっと練習しなきゃダメだ。あいつらに追いつけない……」

​いつしかカイトの心からは、純粋にサッカーを楽しむ気持ちが消え、焦燥感だけが膨らんでいった。週末の練習は夜遅くまで続き、河川敷に行く時間なんて物理的にも精神的にもなくなっていった。

​ある日の夕方、そらとサクラは二人でいつもの河川敷にいた。

足元には、すっかり空気が抜けて柔らかくなった、あの頃のサッカーボールがある。

​「カイト、今日も来られそうにないって」

スマホの画面を見つめたまま、そらがぽつりと言った。メッセージアプリの返信は、一言「ごめん、無理」だけだった。

​「そっか……。最近、全然話せてないね」

サクラは寂しそうに膝を抱え、川面を見つめる。

​そらは、そんなサクラの横顔を見て、胸がちくちくと痛んだ。サクラの視線がいつもカイトを追いかけていることを、そらは昔から知っていたからだ。

​「カイトは今、すごく高いところで戦ってるんだよ。僕たちも、応援しなきゃね」

そらは自分に言い聞かせるように笑った。

​だが、高校生になる頃には、その距離はさらに決定的なものになっていた。

カイトはさらに学業とサッカーの両立で追い詰められ、笑顔を失っていった。スマホを見る彼の目はいつも真剣で、どこか遠い世界を見ているようだった。

​一方、同じ地元の高校に進学したそらとサクラは、制服を着て一緒に登下校する日々を送っていた。

そらは相変わらず穏やかで、最近ではよく参考書を持ち歩いて勉強に励むようになり、サクラは少し大人びた髪型になっても、あの頃と同じ弾けるような笑顔をそらに向けていた。

​「ねえ、そら。カイト、私たちのこと、もう忘れちゃったのかな」

​ある日、学校帰りに河川敷を歩いていたサクラが、立ち止まって言った。

川の向こうには、カイトが通う私立高校の立派な校舎が夕日に映えている。

​「そんなわけないよ。カイトは今、必死なんだ」

​そらはそう答えたが、確信は持てなかった。

最後にカイトと目が合ったとき、彼はひどく冷めた、疲れた目をしていたからだ。あの頃の、太陽みたいに眩しかったカイトは、もうどこにもいないような気がしていた。


​第三章:あの日のボール


​高校2年の秋。

カイトは大きな壁にぶつかっていた。

​度重なる怪我と、スランプ。次世代の有望株として期待されていたはずが、気づけばベンチを温める日々が続いている。監督からは「お前には決定的な何かが足りない」と言われ、チームメイトからの信頼も薄れていくのを感じていた。

​「クソッ……なんでだよ……!」

​部活の帰り道、カイトは無意識のうちに、かつて通い詰めたあの地元の河川敷へと足を向けていた。

夕暮れ時の風が、ブレザーの襟を揺らす。

スマホを取り出し、スケジュールを確認するが、明日も明後日も、気が遠くなるような遠征と居残り練習の文字が並んでいるだけ。自分の居場所がどこにもないような気がして、カイトは足を止めた。

​その時、前方の芝生の上に、二人の影が見えた。

​ネクタイを少し緩め、参考書を片手に持って地面に座っている黒髪の少年。

そして、その隣で足を崩して座り、楽しそうに笑っているポニーテールの少女。

​「そら……サクラ……?」

​カイトの口から、自然と二人の名前がこぼれ落ちた。

二人はカイトの気配に気づき、同時に振り返った。

​「あ……カイト?」

サクラが目を丸くする。

​そらはゆっくりと立ち上がり、カイトを見つめた。

数年ぶりに至近距離で見るカイトは、背が伸びて体つきも大人になっていたが、その表情は驚くほど暗く、今にも崩れ落ちそうに見えた。

​「よ、よお。久しぶりだな」

カイトは無理に笑おうとしたが、引きつった笑みしか浮かばない。

​「本当に久しぶりだね、カイト。全然連絡くれないから、寂しかったんだよ?」

サクラが少し膨れっ面をしながら言った。その声の温かさに、カイトの胸がズキリと痛む。

​「……悪う。ちょっと部活が忙しくてさ。じゃあ、俺、もう行くわ」

​逃げ出そうとした。今の惨めな自分を、あの頃の純粋な思い出の中にいる二人に、見られたくなかったのだ。

​「待てよ、カイト」

​そらの声が、カイトの足を止めた。

そらは足元にあった、古びて傷だらけのサッカーボールを拾い上げ、カイトに向けて放り投げた。

​カイトは条件反射でそれを胸で受け止める。

抱きしめた瞬間に分かった。これは、あの頃3人で使っていた、あのボールだ。白と黒の模様は色褪せ、空気も少し抜けている。けれど、そこには確かに、自分たちの手垢と、あの黄金色の思い出が染みついていた。

​「それ、サクラがずっと大事に持ってたんだよ。いつかカイトが帰ってきたときに、また3人で蹴れるようにって」

​そらの言葉に、カイトは目を見開いた。

サクラを見ると、彼女は少し恥ずかしそうに、けれど真っ直ぐな目でカイトを見つめていた。

​「俺は……」

カイトの喉が、きゅっと詰まる。

​「俺はさ、もうダメなんだよ。お前らみたいに、普通に楽しく過ごせばよかった。サッカーなんて、上には上がいくらでもいて、俺なんかもう、レギュラーにすら入れなくて……何のためにやってるのか、分かんなくなっちゃったんだ」

​押し殺していた感情が、一溢れ出す。カイトの目から、大粒の涙がこぼれ落ち、ブレザーにシミを作った。

​「忘れたの?」

​サクラが静かに歩み寄り、カイトの前に立った。

​「カイトがプロになって、そらが最初のファンになって、私が応援するって。あの時、ここで約束したでしょ? 上手いとか下手とか、レギュラーとか、そんなの関係ないよ。私たちは、カイトが楽しそうにボールを追いかけてる姿が、一番大好きなんだよ」

​「サクラ……」

​そらもカイトの肩にそっと手を置いた。

​「カイト、君は遠くに行っちゃったわけじゃない。ただ、一人で抱え込みすぎて周りが見えなくなってただけだよ。見上げてみなよ、空はあの頃と何も変わらない、同じ青さだよ」


​第四章:川のほとりのキセキ


​カイトは涙を拭い、ゆっくりと空を見上げた。

そこには、遮るもののない、どこまでも広大な夕焼け空が広がっていた。オレンジから紫へと移り変わるグラデーション。それは、小学生の頃、暗くなるまで夢中でボールを追いかけていたあの日の空と、全く同じだった。

​「……そら、サクラ。ちょっと、付き合えよ」

​カイトは涙の混じった声で笑うと、ブレザーを脱ぎ捨て、ネクタイを外して芝生に投げた。

そして、あの古いサッカーボールを地面に落とし、そらに向けて軽くパスを出した。

​「おっと!」

そらはローファーで不器用にボールをトラップし、苦笑いする。

「僕はサッカー部じゃないから、手加減してよ?」

​「いいから、ほら、サクラにパス!」

​「いくよ、サクラ!」

そらが優しく蹴り出したボールを、サクラが制服のスカートを翻しながら、満面の笑みでトラップする。

​「あはは! 懐かしい! カイト、いくよー!」

​サクラが蹴り上げたボールは、少し不格好に回転しながら、カイトのもとへ。

カイトはそれを優しく足元に収めた。その瞬間、足の裏から伝わる感触が、彼の心の奥底で眠っていた「純粋にサッカーが大好きだった気持ち」を、一気に呼び覚ました。

​何のためにサッカーをやっているのか。

誰に勝つためでもない。ただ、このボールを蹴るのが楽しくて、仲間と一緒に笑い合えるのが嬉しくて、それだけだったはずだ。

​「……ありがとう」

​カイトは小さく呟いた。

張り詰めていた心の糸が解け、代わりに温かい何かが胸いっぱいに広がっていく。

​しばらくの間、高校生の3人は、まるで小学生に戻ったかのように、河川敷の芝生の上でボールを回し続けた。ローファーが泥で汚れるのも、制服が草まみれるのも気にせず、ただ声をあげて笑い合った。

​やがて、太陽が山の向こうに完全に沈み、あたりが穏やかな薄明かりに包まれる。

​3人は自然と、あの頃と同じように芝生の上に腰を下ろした。

カイトが真ん中、その右にそら、左にサクラ。

真ん中にあるサッカーボールを囲むようにして、3人は等間隔で座っている。

​「カイト、スマホばっかり見てないで、こっち見なよ」

サクラがいたずらっぽく笑う。

​「あ、ああ、悪い。なんか、癖になっちゃってて」

カイトは苦笑いしながらスマホをポケットにしまった。

​「でも、本当によかった」

そらがブレザーの膝を抱えながら、川面を見つめて呟く。

「また、こうして3人で座れて。変わっていくものもたくさんあるけど、変わらないものも、ここにはちゃんとあるんだね」

​「うん」

カイトは頷き、そらとサクラの顔を順番に見つめた。

二人の顔には、あの頃と同じ、自分を無条件で受け入れてくれる優しい光が宿っていた。

​「俺、もう少し足掻いてみるよ。お前らが最初のファンでいてくれるなら、ここで諦めるわけにはいかないからな」

​「その意気だよ、カイト。僕も、次の模試に向けて頑張るから、お互い負けられないね」

そらが眼鏡の奥の目を細めて笑う。

​「私は二人をずっと、世界一の特等席で応援し続けるからね!」

サクラが元気よく手を挙げた。

​カイトは、少し照れくさそうにしながらも、左手の小指をサクラの前に差し出した。

​「今度こそ、本当に。何があっても、俺たちは繋がってる。な?」

​「うん、約束!」

サクラが迷わず小指を絡める。

そして、そらも少し照れながら、「僕もね」と、二人の小指の上に自分の小指を重ねた。

​あの頃よりも少し大きく、逞しくなった3人の指。

けれど、指先から伝わる温もりと、互いを信じる気持ちの強さは、あの小学生の夏の日と、何一つ変わっていなかった。

​川のせせらぎが、3人の帰還を祝うように優しく響いている。

遠くの空には、一番星が静かに瞬き始めていた。

彼らの青春は、ここからまた、新しい足音を立てて動き出す。この川のほとりで交わした約束がある限り、彼らはどこまでだって走っていけるはずだ。

        (おわり)



如何でしたか?
AIも中々やりますよね☺️


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