歌舞伎『鎌髭(かまひげ)』ってどんなお話?
いちばんやさしい、歌舞伎のあらすじ
歌舞伎の有名なお話のひとつ、『鎌髭』をしょうかいします。
主人公は、とっても強い武士。なんと、刀鎌でも、首が切れません。そんな不死身のヒーローが出てくる、ワクワクするお話です。
まずは、ひとことで
強い武士が、敵の作戦(さくせん)を全部見ぬいて、堂々としているお話です。
主人公は「景清(かげきよ)」
主人公の名前は、景清といいます。
ものすごく力もちで、なにがあってもびくともしない、つよい武士です。本当の名前は「悪七兵衛景清(あくしちびょうえ かげきよ)」。
「悪」という字が入っていますが、わるい人ではありません。むかしの言葉で、「悪」は「すごく強い」という意味なのです。
お話の流れ
1. 変装して、やってくる
景清は、お坊さんのふりをして、ある鍛冶屋(かじや)に行きます。鍛冶屋は、刀などをつくるお店です。
でも、このお店のおじさんは、ふつうの人ではありませんでした。じつは景清のてきで、「景清をやっつけよう」と、ねらっていたのです。
2. 「ひげをそって」
景清は、自分からこう言います。
「わたしのひげを、そってくれないか」
おじさんは、心の中で「やった、チャンスだ」と思います。ひげをそるふりをして、景清をこらしめようとたくらみます。
3. 鎌でも、切れない!
おじさんは、大きな鎌をふりあげました。そして、景清の首を切ろうとします。
でも――あれ? 何回やっても、切れません。
景清は不死身。普通の人とは、全然違ったのです。
4. 実は、ぜんぶ知っていた
おどろくのは、ここからです。
景清は、おじさんの作戦を、はじめからぜんぶ知っていました。
それでも、知らないふりをして、わざとやってきたのです。「やれるものなら、やってみろ」という気もちです。
景清は、最後までまったく慌てません。胸をはって、堂々と帰っていきます。その姿が、とてもかっこいいのです。
名前のひみつ
このお話の名前が『鎌髭』なのは、「鎌でひげをそる」場面があるからです。
鎌は、本当は草をかるための道具。それでひげをそろうなんて、びっくりですね。
ここがすごい
ひとつめは、首が切れない強さ。本当はありえないことを、わざと大きく、かっこよく見せるのが、歌舞伎のおもしろいところです。
ふたつめは、「じつは」がいっぱいあること。
- おぼうさんに見えて、じつは景清
- 鍛冶屋に見えて、じつはてき
- ひげそりに見えて、じつは作戦
見ている人は、「そうだったのか!」と、なんどもびっくりします。
まめ知識
- 『鎌髭』は、今から250年くらい前から伝わる、古いお話です。
- 長いあいだ上演されていませんでしたが、2013年に、市川團十郎(いちかわ だんじゅうろう)さんがふたたびよみがえらせました。
おわりに
景清がかっこいいのは、力が強いからだけではありません。
あわてない。さわがない。どんなときも、どうどうとしている。
その落ち着いた強さこそ、いちばんのかっこよさなのです。

この「鎌髭」、夏に歌舞伎座で観ることができます!
【ご一緒しませんか?】
7月5日(日) 16:15の回
料金:5,000円
枚数:2名分上記チケットの余裕がございます。
ご一緒いただける方は、お気軽にコメントをお願いします。
