若手の退職で毎回思うこと
こんにちは!皆さん。
今日は「若手の退職で毎回思うこと」について書きたいと思います。
若い人が退職する時。
僕は毎回、かなり寂しくなります。
もちろん、本人が悩み抜いて決めたことです。
新しい道に進むことは、決して悪いことではありません。
むしろ、その人にとって本当に必要な選択だったのかもしれません。
それは頭では十二分にわかっています。
でも、心はそんなに器用ではありません。
「そうか。次の場所でも頑張ってね。応援しているよ」
そう笑って言いながらも、心のどこかでは重いものが引っかかっています。
引っかかるどころか、細くて鋭いトゲが少し刺さっています。
大ケガではないのですが、家に帰って一人になった時や、ふとした瞬間にチクっと気になります。
若手が辞める時、世間や職場の裏側ではよく聞く言葉があります。
「最近の若い人はすぐ辞めるよね」
「うちのやり方に合わなかったんだから仕方ないよ」
「本人の根性の問題だから気にしすぎない方がいいよ」
「会社は学校じゃないからね、手取り足取りは教えられないよ」
たしかに、そういう見方もあると思います。
現場には現場の事情があります。
仕事には仕事の厳しさがあります。
本人の価値観も多様化しています。
人生のタイミングもあります。
ただ、僕はそこで簡単に片付けたくないのです。
特に、その人にとって社会に出て初めての職場だった場合は、なおさらです。
初めての職場というのは、その人の中にかなり強く、深く残ります。
最初に出社した日の、あの張り詰めた緊張。
初めてお客様の前に立った時の、手足が震えるような感覚。
重いトレイを運んだ時の、落としたらどうしようという恐怖。
インカムから飛んでくる、早口で聞き取れない指示への戸惑い。
最初に失敗して、バックヤードでうつむいた時の冷たい空気。
そして、初めてお客様から「ありがとう」と微笑まれた時の、あの泣きそうになるくらいの安心感。
「働くってこういうことなんだ」と肌で感じた瞬間。
そういうものは、この先の人生で何度も何度も思い出されるはずです。
良い記憶として残ることもあります。
苦い記憶として残ることもあります。
もしかしたら、本人もその時は気づいていないかもしれません。
でも、あとからじわっと、ボディブローのように効いてくることがあります。
初めての職場は、その人にとって社会という大きな世界への入口です。
入口が暗くて冷たいと、その先の道まで少し暗く見えてしまうことがあります。
逆に、入口に少しでも明かりがあって、誰かが手を引いてくれた記憶があると、その後つらいことがあっても踏ん張れることがあります。
だから、若手が辞める時、僕はいつも思います。
守れなかったのではないか。
もっと力になれなかったのではないか。
もっと良い職場に、もっと働きやすい環境にできなかったのではないか。
その人にとって、初めての社会が、少しでもあたたかい場所であれたのか。
そこを深く考えると、自分の無力感に嫌気がさすことがあります。
本当にあります。
もっと自分に力があれば、何か変えられたかもしれない。
マネジメントとして、もっとできることがあったはずだ。
そう思うのです。
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「すぐ辞める」で終わらせたくない
若手が辞めると、職場ではいろいろな言葉が飛び交います。
「今の若い人は難しいね」
「もう少し頑張れば仕事の面白さもわかったのに」
「ちょっと注意しただけで打たれ弱いのかな」
「合わないなら仕方ない、次を探そう」
こういう言葉が出る気持ちも、痛いほどわかります。
残る側にも大きな負担がのしかかるからです。
急に人が減れば、シフトの組み直しが必要になります。
ギリギリで回していた現場なら、誰かが抜けた分、残った誰かが身を粉にして支えなければいけません。
ランチやディナーのピークタイム。
余裕のない時ほど、つい強い言葉が出ます。
人間ですから。
僕も聖人ではありません。
ただ、若手の退職を「本人が弱かったからだ」で終わらせるのは、組織として少し危ない気がしています。
もちろん、本人側の課題がまったくないとは言いません。
給料をもらって働く以上、必死に覚えることもあります。
責任もあります。
自分で歯を食いしばって踏ん張らなければいけない場面も、必ずあります。
でも、それだけでは説明できないことも多いのです。
職場の空気。
複雑な人間関係。
マニュアルだけでは伝わらない教え方。
相談しやすさの欠如。
このままでいいのかという将来への不安。
小さな、本当に小さな違和感の積み重ね。
こういうものが薄い紙のように一枚一枚重なって、ある日突然、限界を超えて「退職」という形になることがあります。
退職に至るまでには、突然起きたように見えて、実は前から小さなサインが出ていたのかもしれません。
元気がなくなった日。
「はい」という返事が少し小さくなった日。
メモを取らなくなった日。
会話の輪から少し離れて、一人で作業するようになった日。
失敗しても、悔しそうな顔をしなくなった日。
こういう変化は、同じ現場にいると意外と見えているものです。
でも、圧倒的な忙しさの中で、つい流してしまうことがあります。
「まあ大丈夫だろう」
「今日はたまたま疲れているだけだろう」
「こっちも余裕がないし、あとで声をかけよう」
そう思っているうちに、「あとで」は永遠に来ず、心の距離が少しずつ離れていきます。
そして、気づいた時には、改まった顔で「お話があります」と言われていることがあります。
これが悔しいのです。
僕は、若手が辞めること自体を全否定したいわけではありません。
人には必ず、合う場所と合わない場所があります。
一度入った職場に、ずっとしがみついていなければならない時代でもありません。
違うと思った時に、早めに方向を変える勇気も、時には必要です。
ただ、その人が去る時に、
「ここで過ごした時間は、辛いだけで全部無駄だった」
と思って去るのは、あまりにも寂しいです。
そこだけは、何としてでも避けたいのです。
たとえ辞めるとしても、
「あそこで学んだ接客の基本は、今も役に立っている」
「あの先輩は、不器用な自分をちゃんと見てくれていた」
「最初の職場として、厳しいこともあったけど悪いことばかりではなかった」
そう思ってもらえたら、少し救われます。
もちろん、きれいごとかもしれません。
でも、僕はそこを諦めたくないのです。
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守れなかったという感覚
若手の退職で一番胸の奥に重く残るのは、「守れなかった」という感覚です。
これは、少し重すぎる言葉かもしれません。
でも、正直に言うと、そう感じてしまいます。
もっと早くサインに気づけなかったのか。
もっと膝を突き合わせて話を聞けなかったのか。
バックヤードで、もっと気軽に声をかけられなかったのか。
もっと安心して、失敗を恐れずに働ける場所にできなかったのか。
そういう問いが、自分の中にぐるぐると残ります。
もちろん、すべてを自分の責任にするのは違うと思います。
ここはとても大事なポイントです。
若手の退職は、本人の問題だけでもありません。
職場の問題だけでもありません。
直属の上司の問題だけでもありません。
環境、相性、タイミング、仕事の内容、人間関係、給与、将来への不安。
ありとあらゆるものが複雑に絡み合っています。
だから、誰か一人に「お前のせいだ」と責任を押しつけても、あまり意味がありません。
とはいえ、
「いろいろあるから仕方ないよね」
と、思考停止して終わらせたくもありません。
ここに、現場で働く人間の深い葛藤があります。
全部を背負うことはできません。
でも、何も背負わないのも違います。
この「間」に立つことが、たぶんマネジメントとして一番大事なのだと思います。
全部を抱え込むと、こちらがメンタルを病んで潰れてしまいます。
でも、何も感じなくなると、人をただの「数字」や「コマ」として見るようになります。
退職者数。
欠員率。
補充枠。
採用コスト。
もちろん、経営の視点から見れば数字は大事です。
店舗を回すためには、ドライに数字で見ることも絶対に必要です。
でも、その数字の裏には、一人ひとりの人生と顔があります。
スーツに着られていた初出勤の日があります。
トレイを落として割ってしまった時の、泣きそうな表情があります。
初めて一人でオーダーを取れた時の、少し誇らしげな顔があります。
それを忘れたくないのです。
若手が辞めるたびに、僕は自分の無力さを突きつけられます。
これはたぶん、どれだけ経験を積んでもなくならないと思います。
何年やっても、寂しいものは寂しいです。
慣れたくもありません。
「ああ、また一人辞めたか。次を募集しよう」
と、何も感じなくなったら、僕はサービスマンとして少しまずいと思っています。
心が鈍くなることは、一種の防御本能です。
毎回真剣に傷ついていたら、正直しんどいですし、身が持ちません。
でも、何も感じなくなると、お客様の小さなサインや、スタッフのSOSといった「大切なもの」まで見えなくなります。
それはサービス業として致命傷になります。だから避けたいのです。
#管理職の悩み #リーダーの責任 #現場マネジメント #部下の退職 #店長のリアル
初めての職場は、人生の記憶に残る
社会に出て初めての職場。
これは、本人が思っている以上に、その後の人生に大きな影響を与えます。
その人の中で、働くことの「絶対的な基準」になります。
上司とはこういうものなのか。
先輩とはこういうものなのか。
注意されるとはこういうことなのか。
褒められるとはこういうことなのか。
仕事で失敗するとはこういうことなのか。
相談するとはこういうことなのか。
そういう基準が、初めての職場の空気を通して作られていきます。
もちろん、その後に転職していろいろな経験をして、上書きされることもあります。
でも、最初の印象というのは強烈です。
初めて行った海外旅行の空気を、何十年経っても意外と鮮明に覚えていることがあります。
初めて会った人の表情を、妙に覚えていることがあります。
それと同じです。
たとえば、学校を卒業して初めて働く人にとって、上司や先輩の一言は、僕らが思っている何十倍も大きいです。
忙しい時に何気なく言い放った、
「なんでこんなこともできないの?前に言ったよね?」
という言葉が、呪いのようにずっと残ることがあります。
逆に、
「最初は失敗して当たり前。できなくて普通だから、一つずつ確実に覚えればいいよ」
という言葉も、お守りのようにずっと残ることがあります。
どちらも、発した側からすればほんの一言です。
でも、受け取る側での残り方がまったく違います。
言葉は空気のように軽そうでいて、けっこう重いのです。
小さな紙切れに見えて、実は分厚い鉄板のように心に沈んで残ることがあります。
だからこそ、若手と関わる時は、こちらの言葉の重さを少し意識した方がいいと思っています。
もちろん、腫れ物に触るように甘やかすという意味ではありません。
ここも誤解されやすいところです。
優しくすることと、何でも許して甘やかすことは違います。
丁寧に教えることと、求めるプロとしての基準を下げることも違います。
若手を守ることと、職場のルールをなくして無法地帯にすることも違います。
僕が大事だと思うのは、厳しさの前に「信頼関係」があるかどうかです。
信頼がない状態での厳しさは、相手にはただの「理不尽な攻撃」に見えます。
信頼がある状態での厳しさは、成長のための「愛のあるメッセージ」になります。
同じ言葉でも、届き方がまったく変わるのです。
「そのグラスの置き方、もう少し丁寧にした方がいいよ」
という言葉も、普段からちゃんと見てくれている先輩に言われると、「なるほど」と素直に受け止めやすいです。
でも、普段は無関心で放置しているのに、失敗した時や目に余る時だけ強く言われると、人は一瞬で心を閉ざします。
これは若手に限りません。
大人でも同じです。
僕だって同じです。
急に知らない人から上から目線で強く言われたら、心の中で小さくシャッターを下ろすと思います。
ガラガラガラ、と。そして鍵までかけます。
#ファーストキャリア #新卒1年目 #上司の言葉 #信頼関係の作り方 #初めての職場
退職の前には、小さなサインがある
退職の話が出てから、慌てて引き止めの面談をすることがあります。
もちろん、しないよりはした方がいいです。
最後に腹を割って話を聞くことにも、大きな意味はあります。
でも、本当はそのもっと前に、できることがたくさんあったはずです。
朝の挨拶の声のトーン。
目線の合わせ方。
仕事中の迷っているような仕草。
質問の減り方。
周りのスタッフとの距離感。
こういう小さな変化に、もっと早く気づけなかったのかと思うことが多々あります。
若手は、最初から自分の悩みをはっきりと論理的に言えるとは限りません。
「業務量が多すぎて困っています」
「先輩の指示が抽象的で不安です」
「スキルがついていけません」
「このままだと辞めたいです」
そう綺麗に言葉にして伝えられる人ばかりではありません。
むしろ、言えない人の方が多いかもしれません。
忙しい先輩に迷惑をかけたくない。
こんな初歩的なことを言ったら怒られるかもしれない。
自分だけが不器用で、できていないのかもしれない。
相談したところで、結局何も変わらないかもしれない。
そうやって一人で抱え込み、黙ってしまうことがあります。
そして、黙っているうちに、心の中で少しずつ「辞める」という決断が進んでいきます。
周りから見ると、ある日突然辞めたように見えます。
でも、本人の中では長い時間をかけて、孤独に決めていたのかもしれません。
ここが難しいところです。
退職届が出た時、あるいは「お話が」と言われた時には、もう本人の中では結論が出ていることがほとんどです。
その前の段階、まだ迷っている段階で、どれだけ関われるか。
そこが本当に大事なのだと思います。
「最近、どう?ちょっと疲れてない?」
たったこれだけの言葉でも、タイミングによっては命綱のような意味を持ちます。
もちろん、一回聞いただけで何でもペラペラ話してくれるわけではありません。
聞いて終わりでもありません。
でも、日頃からそういう言葉が飛び交っている職場と、まったくない職場では、流れている空気が根本的に変わります。
職場の空気。
これをものすごくざっくり言うと、「そこにいる人が安心して呼吸できる雰囲気」です。
目には見えません。数値化もできません。
でも、そこにいる人にははっきりとわかります。
わからないことがあったら、素直に話しやすい場所。
「これ、どうやればいいですか?」と質問しやすい場所。
失敗しても、全員でカバーして次を考えられる場所。
そういう空気があると、人は少しずつ前を向けます。
逆に、いつもピリピリと緊張している場所では、人は仕事をする前に疲弊します。
質問したら「それくらい自分で考えろ」と怒られそうな場所。
失敗したら裏で何を言われるかわからない場所。
誰にも本音を言えない場所。
そういう場所では、若手はスキルが成長する前に、心が先に干からびて疲れてしまうことがあります。
これは、本人のメンタルの弱さだけでは絶対に片付けられません。
環境の力、空気の力というのは、人が思っている以上に暴力的で、大きいのです。
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育てる側にも余裕が必要です
若手が辞める背景には、若手本人の課題だけでなく、育てる側の「圧倒的な余裕のなさ」もある気がしています。
先輩も自分の業務で忙しい。
上司も数字に追われて忙しい。
職場全体が常に人手不足で忙しい。
目の前の業務をこなすだけで精一杯の日が続くこともあります。
新人教育にしっかり時間を使いたくても、その時間が物理的に取れないことがあります。
この状態で、
「もっと若手に寄り添おう」
「若手を大事に育てよう」
と精神論だけで言っても、かなり難しいのが現実です。
気持ちはあっても、それを実行する「仕組み」がなければ続きません。
気合いだけでは限界があります。
気合いは大事です。飲食店なんて気合いがないと回らない日もあります。
でも、気合いだけで職場は恒久的には良くなりません。
朝に気合いを入れても、ピークを越えた夕方には体力的にも精神的にも充電が減ります。
人間ですから。
古いスマホより早く電池が減る日もあります。
だから、若手の退職を考える時は、個人の優しい気持ちだけでなく、システムや仕組みも見直さないといけないと思います。
誰が最初に、何を教えるのか。
どこまで教えたら一人でできる状態とみなすのか。
困った時に、誰に聞けばいいのかというエスカレーションのルールはあるか。
最初の一週間で、何を優先して覚えればいいのか(そして、何を後回しにしていいのか)。
無駄な業務を減らして、教える時間をどうやって生み出すか。
こういうことが曖昧だと、若手は何をしていいかわからず不安になります。
そして、教える側も疲れます。
「何回言えばわかるんだ!」
となります。
でも、実は一回も、相手が理解できる形では伝わっていなかったということも多々あります。
言ったつもり。
教えたつもり。
わかったつもり。
この「つもり」は、職場でかなり厄介な魔物です。
「つもり」は、相手に確認しないとどんどんズレていきます。
地図を見ているつもりで、実は少し違う道を歩いているようなものです。
最初は数センチの小さなズレです。
でも、時間が経つと何キロも大きく離れてしまいます。
若手が辞める時、僕が猛烈に悔しくなるのは、たぶんこの「つもり」に気づかされるからです。
ちゃんと見ていたつもり。
適切に声をかけていたつもり。
彼らを守っていたつもり。
でも、本当に届いていたのか?
そこを突きつけられると、自分のマネジメントへの自信がなくなります。
もっとできたのではないか。
もっと早く気づけたのではないか。
もっと違う言葉、違うアプローチを選べたのではないか。
この問いは、けっこう胸に重く残ります。
退職を失敗だけで終わらせない
最近は少しだけ、マネジメントとしての考え方を変えています。
退職をただの「失敗」とだけ捉えないようにしています。
もちろん、猛烈に悔しいです。
寂しいです。
守れなかったと思うこともあります。
でも、その負の感情だけで終わると、次に進めません。
大事なのは、悔しさを「改善」に変えることです。
悔しさは、そのまま抱えているとただの重い荷物です。
ずっと背負っていると、歩くのがしんどくなります。
でも、その荷物の中には、次に使える「道具」が入っていることもあります。
「次は、初日にもっと面談の時間を取ろう」
「忙しい時ほど、新人を一人で放置しない仕組みを作ろう」
「一週間目で必ず、第三者を交えて話を聞こう」
「注意する前に、まず事実確認と本人の言い分を聞こう」
「辞めると言われる前に、小さな違和感を拾うために声かけの回数を増やそう」
こうやって、具体的な行動に変えていくしかないと思います。
すべてにおいて完璧な職場はありません。
たぶん、世界中のどこにもありません。
人が集まっている以上、すれ違いは必ずあります。
予期せぬ忙しさもあります。
どうしようもない相性もあります。
些細な誤解もあります。
でも、完璧ではなくても、「良くしようと努力し続ける職場」は作れます。
ここが大事だと思います。
若手にとって本当に必要なのは、完璧な上司ではないと思います。
ミスをしない完璧な先輩でもないと思います。
むしろ、完璧すぎる人は隙がなさすぎて近寄りにくいです。
ピカピカの展示品みたいで、触るのが怖いですし、自分がポンコツに思えてきます。
必要なのは、不器用でも「向き合おうとしてくれる人」です。
失敗したら、一緒に原因を考えてくれる人です。
できたことを、小さなことでもちゃんと見てくれて、褒めてくれる人です。
そして、辞める時にも、最後まで一人の「人」として扱ってくれる人です。
僕はそう思っています。
退職が決まった若手に対して、こちらができることはもう多くないかもしれません。
無理に引き止めることが正解とも限りません。
でも、最後の関わり方は選べます。
「辞めるならもう関係ない。裏切り者だ」
という態度ではなく、
「短い間だったけど、ここまで働いてくれてありがとう」
「次の場所でも、あなたの真面目な良さが出るといいね」
「もしここで嫌な思いをさせたなら、私の力不足だった。申し訳なかった」
「ここで学んだことが、次のステージで少しでも役に立ったら嬉しい」
そう、心から伝えることはできます。
もちろん、美しい言葉だけで全部が救われるわけではありません。
でも、最後の言葉が、その人の記憶に一生残ることはあります。
退職の日の、あのなんとも言えない空気は、意外と鮮明に覚えているものです。
最後に冷たくあしらわれた記憶は、一生の傷として残ります。
最後にちゃんとあたたかく送り出してもらえた記憶も、一生のお守りとして残ります。
だから、最後まで人間として丁寧でありたいのです。
これは、辞めていく相手のためでもあります。
そして、残ってくれているスタッフたちのためでもあります。
退職者への上司の接し方を、残った若手はしっかりと見ています。
「ああ、この会社は、辞める人には手のひらを返してこういう態度を取るんだ」
「自分もいつか辞める時は、こうやって冷たくされるんだ」
そう直感で感じ取ります。
つまり、退職者への対応は、その職場の「価値観そのもの」なのです。
ここを雑にすると、職場への信頼が根底から少しずつ削れます。
目に見えないところで、確実に削れます。
だから、若手が辞める時ほど、その人の、そして組織の本当の丁寧さが出ると思っています。
人が増える時より、人が去る時にこそ、その場所の本質がむき出しになります。
#退職面談 #気持ちの良い送り出し方 #組織改善 #失敗から学ぶ #ポジティブな退職
というわけで
若手が辞める時、僕は毎回寂しく思います。
守れなかったことを悔います。
もっと力になれなかったかと自問自答します。
もっと良い職場にできなかったかと、自分に問いかけます。
その無力感に嫌気がさすこともあります。
でも、それでも僕は、その感情を絶対に捨てたくないです。
悔しいと思えるうちは、まだ自分も組織も変われると思うからです。
寂しいと思えるうちは、まだ人を「コマ」ではなく「人」として見ていると思うからです。
無力だと感じるうちは、もっとマネジメントの力をつけたいと思えるからです。
若手の退職は、終わりのようでいて、こちら側にとっては強烈な「始まり」でもあります。
次に来る誰かのために。
今、目の前で頑張ってくれている誰かのために。
そして、辞めていくその人の記憶の中に、少しでもあたたかいものが残るように。
僕は、また明日から、職場を少しずつ良くしていきたいと思います。
魔法のような大きなことはできないかもしれません。
でも、泥臭い小さなことならできます。
相手の目を見て挨拶をする。
名前を呼んで声をかける。
「見ているよ」というサインを送る。
失敗した時に、一緒に原因を考える。
辞める時にも、最後まで一人の人間として丁寧に送る。
たぶん、本物の職場づくりはそこからです。
派手な制度改革より、日々の地味なまなざしです。
制度も大事です。
仕組みも不可欠です。
でも、最後に人の記憶に残るのは、
「あの時、ちゃんと自分を見てくれていた」
という生身の感覚なのかもしれません。
人は、ちゃんと見てもらえたという確かな記憶を持って、また次のステージへ進んでいけます。
僕はそう信じています。
そして、もし職場で若手が辞めるたびに胸が痛む人がいるなら、その痛みは絶対に無駄ではないと思います。
それは、あなたがまだ教育を諦めていない証拠です。
まだ人を人として見ている証拠です。
その温かい気持ちを、次の誰かへの具体的な関わり方に変えていけばいいと思います。
完璧に守れなくてもいいです。
でも、守ろうとする姿勢だけは持っていたいです。
すべてを変えられなくてもいいです。
でも、自分が関われる半径数メートルの範囲を、少しでも良くしたいです。
若手の退職で毎回思うこと。
それは、寂しさです。
悔しさです。
無力感です。
そして、それでも次はもっと良くしたいという、小さな決意です。
この小さな決意を、僕はこれからも手放さずにいたいと思います。
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