これからの日本は「生活苦を愛国ポルノで誤魔化す国」になりかねない。では、どうするか?
そろそろ、政治(衆院選)の話は一段落にしたいのだが、この件で何度か議論する機会があり、そこであたらしく考えたこともあるのでその分は書いておこうと思う(このnoteのコンセプトは「昨日考えたことを忘れないように書いておく」なので)。
なので今日は昨晩公開した與那覇潤さんとの先の衆院選についての総括動画の収録で考えたことや、動画で語りきれなかったことなどをまとめておきたい。
動画は僕が(全く嬉しくないが)中道改革連合の「壊滅」をかなり早い段階で正確に予言していたことから始まるのだけれど、その僕の今後の未来予測は高市早苗政権が長期化し、その間に円安と物価高により、庶民の生活はより厳しいものになり、その辛さを緩和してくれる精神的な麻薬として、高市早苗的なナラティブ(愛国ポルノ)が与えるナショナリズムや伝統文化が(具体的にはソフトな排外主義と伝統の名に基づいたジェンダー後進性への居直りというかたちで)機能するというものだ。
要するに僕はこれからの日本は経済的な衰退による苦しみを差別と言う名の麻薬で解消するどうしようもない国になっていくと考えている。
おそらく資産を多く持つ人々はグローバルなビジネスパーソンとして、逆に本当に持たざる者たちはより高い賃金を求めた移民として、日本を離れていくことになるだろう。そして取り残されたそのどちらでもない人々が、現実から目を背けながら、オピオイド的に国家の物語や伝統を消費し、自分たちより立場にいる人を抑圧することでプライドを維持していくのだ。
つまり、この最悪のシナリオをどう回避していくのか、難しければせめてどう緩和していくかというのが、今後の日本の課題になるだろう。
僕の考えは、二つある。
一つ目はこのシナリオを「回避」するためのもので、二つ目はそれが間になわないことを想定して「緩和」するための手を今から売っておくための提案だ。
まず一つ目は既存の左派、リベラルを一旦「全部切る」ことだ。
動画で話したように限界左翼(とあまり区別のつかないリベラル)はSNSでは目立つが、ほとんど戦力にならないくらい数字がない(明らかに嫌われて、本人たち以外誰も支持していない)。
だから自民党のオルタナティブは浮動票(無党派層)+低関心層+自民党左派(石破茂、小泉進次郎路線)支持層の糾合で形成する他ない。そしてその中核になるのは、消去法で国民民主党しかない。
この来たるべき新勢力に、譲れない一線を維持させることが僕は重要だと思う。
そしてその「譲れない」ものとは何か。それは軍事とエネルギー「ではない」。なぜならばこの二者はゼロかイチかの問題ではなく、グレーゾーンの領域が大きく、かなりテクニカルな側面が大きいからだ。
そもそもここで原理的に戦っても仕方がなく、僕は高市早苗の安直な中国「挑発」は「問題外」だと思う。僕は日本は台湾を支援するという気持ちを絶対失ってはいけないと思うのだが、そのためにこそ思いつきのネトウヨへのアピールのために中国を挑発するというのは悪手でしかないと考える。台湾を全力で支援すると言うことと、形式もタイミングも考えずうっかりやってしまった挑発的な総理大臣の発言を無理矢理正当化するというのは完全に別問題だ。こういうリアリズムに基づいた思考は、原理原則だけで判断する考えからは絶対出てこない。
そもそもとりあえず、ここまでリベラルが敗北してしまったら、「(自分を賢く見せたいので)負けた側につきたくない」と言う卑しい根性が作用してしまうので、当面イデオロギーを論点にすることは難しいだろう。
とりあえず最初に野党がやらなければいけないのは、高市早苗のマクロ経済政策で本当に国民の生活が楽になるのかを問うことだ。手取りが増えても、物価高が収まらなければ意味がない。
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u-note(宇野常寛の個人的なノートブック)
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