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【松本滞在4時間】国宝・松本城と湧き水を巡る、弾丸街歩き

先日、家族で信州を訪れる道中で、急遽「長野県松本市に4時間滞在できる時間」ができました。

4時間といえば、旅行なら「観光地に1-2箇所行って、お昼ご飯を食べたらタイムアップ」という長さでしょうか。

しかし、事前に『ブラタモリ』の松本編を見ていた我が家は、迷わず国宝・松本城へ向かうことに決めました。

結果として、お城だけでなく、豊かな湧き水が織りなす「水の町・松本」を堪能する素敵な時間を過ごせました。
そんな半日旅行の様子をご紹介します。

旅の始まりはパンフレットとの出会いから

まずは、松本駅近くの駐車場に車を止め、松本城に向かって歩き始めます。
松本駅周辺から松本城までは徒歩15分ほどの距離。
道沿いにはお洒落な商業施設や博物館があり、歩いているだけでワクワクしてきます。

その途中で「松本市観光情報センター」に立ち寄ります。
「地元のいいところは、地元の人に聞くに限る」ということで覗いてみると、素敵なパンフレットを発見しました。

その名も、『まつもと水巡り』

パンフレットには、湧き水をテーマに、市内を巡るコースがいくつか紹介されていました。

実は松本は、湧き水が豊富な街なんです。
『ブラタモリ』でも、松本の湧き水が紹介されていました。

今回の目的は松本城なので、紹介されているコースのうち、城周辺を巡る「お城の外堀の水をたどるコース」(所要時間約20分)を旅程に組み込むことにしました。

国宝・松本城:スリリングな急階段

そして、やってきました、国宝・松本城!

松本城。大きい。

戦国時代に建てられた天守がそのまま現存している、日本最古の天守の一つです。

入場チケットを買い、靴をビニール袋に入れてさっそく城内へ入ります。

入って驚くのが、階段のきつさです。
1段の高さが膝丈ほどある場所もあり、階段の幅もまちまち。
「大人でもちょっと足がすくむな……」というレベルなので、足腰が弱い方は少し注意が必要です。

場内には火縄銃などの歴史的資料が展示されているのですが、我々は子連れ旅なので、ゆっくり見ることは叶いませんでした。
「次の階段を登りたい!」と一心の子供に急かされ、展示コーナーは早々にスルーすることに……。
火縄銃、じっくり見たかったな(涙)。

初夏の蒸し暑い日でしたが、お城の中は窓が多くて風通しが抜群でした。
深いひさしが日光を遮ってくれるため、城内は思ったより涼しくて快適でした。

最上階から、ぼんやりと日本アルプスの山々を眺める時間は、本当に贅沢なひとときです。

最上階からの眺め

階段で起きた、ハプニング

そんな松本城を下りているとき、ハプニングが起きました。
急な階段の下り口に近づいた瞬間、耳からお気に入りのイヤリングが外れてしまったのです!
狭くて人がぎゅうぎゅう詰めの階段を、コロコロと転がり落ちていくイヤリング。
階段は「くの字」に曲がっているため、あっという間に見失ってしまいました。
「これはもう見つからないな……」と紛失を覚悟しました。
しかし、

「どなたかイヤリング落としましたよ!」

階下から声が上がりました。
「私のです、すみません!」と答えると、なんと階段にいた周りのお客さんたちが、バケツリレーの要領でイヤリングを私まで手渡してくださったのです!

落としてから手元に戻るまで、わずか1分足らず。
バケツリレーに加わってくださった方のほとんどは、お礼を言う間もなく人混みに紛れてしまいましたが、見ず知らずの皆さんの優しさに胸が熱くなりました。

もちろん、イヤリングは速攻でカバンにしまいました(笑)。

「扇状地」の恵み。ブラタモリで見た「北門大井戸」へ

松本城を堪能した後は、外堀を半周して、お城の北側にある松本神社の方へ向かいます。

松本神社。車道中央の御神木がとても立派!!

ここからは、先ほど手に入れた『まつもと水巡り』のパンフレットを片手に、井戸を探しながら城周辺を散策するルートを歩きます。

梅雨の時期だったので、タチアオイの花があちこちに咲いていて見ごろでした。

街の至る所に、咲いているタチアオイ

通りを歩いていても、あちこちに井戸を見かけます。

葵の井戸。コップが備え付けてあった。

松本にこれほど湧き水が多いのは、急峻な山々に囲まれた「扇状地」の麓という地形に由来するのだそう。
しかも、先ほど見た松本城のお堀の水も、この湧き水だけで賄われているのです。

公共の井戸の多くは水質検査の「成分分析表」が貼られているので、安心して飲むことができます。

そして、ルートの出発地である「北門大井戸」に到着しました。

北門大井戸。

ここは『ブラタモリ』でタモリさんも訪れた場所です。

豊かな水が湧き出ており、お城の総堀の水源にもなっています。
この湧き水は、近所の方の生活用水となっているようで、大きなポリタンクを持った地元の方が何人も水を汲みに来られていました。

近くのご婦人にお話を伺うと、「昔からこの水を使っていて、お米を炊いたり、お湯を沸かしたりするのに使っている」とのこと。
まさに生活に根差した生きた水源なのだと実感しました。

インパクト大!お堀の上に浮かぶ店でランチ

総堀沿いを歩いていると、なんとも素敵なお店を見つけたので、ここでランチにすることにしました。
驚いたのはその立地です。
なんと、お店がお堀の真上に建っている(というか浮いている)のです!

堀に浮かぶ「かき舟」さん

「かき船」さんの店内に入ると、絶妙に床が傾いているような感覚があり、「ここでビー玉を転がしたら勢いよく転がるだろうな……」なんて思うのも、水の上の店ならではの醍醐味です。

ここでいただいたカツ丼は、お肉がジューシーで大変美味しく、歩き疲れた体に染み渡りました。

店内から、お堀が一望できる

暗渠(あんきょ)を追いかけて、旅の終着地「ナワテ通り」へ

お腹を満たし、再び駅に向かって歩きます。

道中、今度は「私設の井戸」とにも出会いました。
公共の井戸の多くは整備されていますが、私設のものは生活感があって実にシンプル。

私設の井戸?実用的。
不思議な花壇。ここも、昔はクマの口から湧き水が出ていたのかも?

お堀から流れる水は、いつしか「暗渠(地下に埋設された水路)」となり、建物の地下へと消えていきます。
しかし、少し歩くとまた地上に顔を出し、清らかな水がサラサラと流れていきます。

暗渠が顔を出している①
暗渠が顔を出している②

この「暗渠探し」の街歩きが、宝探しのようでなかなか楽しい。

暗渠を探していると、道の下のいたるところから水の流れる音が聞こえてくることに気づきます。
街中の湧き水を川に流すため、無数の暗渠が松本の地下を網の目のように巡っているのでしょうか?

暗渠を追いかけるように進むと、レトロな雰囲気が素敵な「ナワテ通り」に入り、コースの終着点である「縄手若返りの水」と女鳥羽川に到着。

若がえりの水

ここでちょうどタイムアップとなり、松本の街を後にしました。

旅を終えて:4時間で街の「ルーツ」に触れる

松本といえば、国宝・松本城や、綺麗に整備されたナワテ通りなどの観光名所が有名です。
しかし、その足元には、古くからこの地の人々の暮らしを支え、お城を守ってきた「湧き水」が今も変わらず流れ続けています。

滞在時間は4時間弱でしたが、『ブラタモリ』の情報 × 地元の観光パンフレットのおかげで、街の成り立ちを味わう、充実した時間になりました。

皆さんも松本を訪れた際は、ぜひ「足元の水」に注目して歩いてみてください。
きっと、普通に歩くだけでは見えてこない、水の街としての一面に出会えるはずです。

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