伝わるロジックを構築する技術 ― ホールパート法 #39
企業をはじめとする、何らかの目的を達成するために存在する組織において、意思疎通は極めて重要です。
組織活動では、多くの人が異なる価値観や経験を持ちながら、同じ目標に向かって行動します。そのため、自分の考えを正しく整理し、相手に理解してもらう力は、組織の成果を左右する重要な要素となります。
しかし、現実には次のような場面が少なくありません。
「結局、何を伝えたいのかわからない」
「話の筋道が整理されておらず、主張が伝わらない」
「そもそも、自分自身が何を伝えるべきなのかわからない」
このような状態では、どれほど良いアイデアや問題意識を持っていたとしても、相手の理解や共感を得ることは困難です。
では、自分の考えを相手に受け入れてもらうためには、何が必要なのかです。
相手が理解してくれないことを嘆く以前に、まずは、自分自身が伝えるために、どうすべきか持つが大切です。
■ まず必要なのは、自分自身の考えを整理すること
他者に自分の主張を理解してもらうためには、最初に自分の中でロジックを整理する必要があります。
そして、その主張が「なぜ正しいのか」「なぜ相手にとって価値があるのか」を納得できる形で示さなければなりません。
ロジックとは、論証の筋道、あるいは議論の筋道や構成を意味します。
つまり、ロジカルシンキング(論理的思考)とは、単に難しい言葉を並べることではなく、「主張」と「根拠」が正しい道筋で結び付いている状態をつくることだと言えます。
■ ロジカルシンキングを支える2つの視点
ロジカルシンキングには、さまざまな思考法やフレームワークがあります。
その中でも、基本となる考え方として「縦の論理」と「横の論理」があります。
人が相手の主張を受け入れるか判断するとき、無意識に確認していることがあります。
それは、
「本当にそうなのか?」
「それだけなのか?」
という2つの視点です。
「本当にそうなのか?」という問いは、主張に対する根拠を確認する視点です。
これは縦の論理、あるいは垂直思考と呼ばれます。
一方、「それだけなのか?」という問いは、抜け漏れや重複がないかを確認する視点です。
これは横の論理、あるいは水平思考と呼ばれます。
この2つの視点を持つことで、曖昧だった考えを整理し、複雑な情報を構造化することが可能になります。
結果として、組織内で共有しやすい、理解されやすい考えへと変換することができます。

■ ロジック構築に正解はない
ロジックを構築するための方法には、さまざまなものがあります。
例えば、
* ロジックツリー
* IRAC法
* ピラミッドストラクチャー
* ブレインストーミング
* 5W1H
など、多様な思考法があります。
しかし、大切なのは「どの手法が正しいか」ではありません。
重要なのは、状況に応じて適切な方法を選択することです。
また、一つのフレームワークだけに頼るのではなく、異なる切り口から複数の手法を組み合わせることで、より強固なロジックを構築することができます。

■ ロジックは、伝わって初めて価値になる
どれほど論理的に正しい考えであっても、相手に伝わらなければ意味を持ちません。
そこで重要になるのが、「ロジックの言語化」です。
今回は、多くのロジカルシンキング手法の中でも、プレゼンテーションや説明場面で活用しやすい「ホールパート法」を紹介します。
ホールパート法とは、
「全体(Whole)」
↓
「部分(Part)」
↓
「全体(Whole)」
という流れで説明するフレームワークです。
最初に結論を提示し、その詳細を説明した後、最後に再び結論で締めくくります。
この構造によって、聞き手は最初に全体像を把握できるため、途中の詳細情報も理解しやすくなります。

■ ホールパート法によるロジック構築
具体的には、以下のような流れになります。
まず、ホールとなる「目標(Goal)」や「主張」を提示します。
その際には、単なる意見ではなく、筋道の通った論拠も合わせて示します。
ホールとは、大樹で例えると「幹」になるのかと思います。
次に、そのホールを分解したパートとして、具体的なKGIやKPIなどの詳細を説明します。
パートは3つ程度に因数分解すると、聞き手は全体像を把握しやすくなります。
もちろん、3つという数字自体に絶対的な意味があるわけではありません。
しかし、あえて数値化することで、説明する側も考えを整理しやすくなります。
もし分類が多くなりすぎる場合は、そもそものテーマ設定が大きすぎる可能性があります。
反対に、1つしか導き出せない場合は、テーマが小さすぎる可能性もあります。
KGIとは、やるべきこと、「枝」であり、アクションプランといえます。
また、KPIとは、「葉」であり、指数化した具体的な行動となりますり
このように、分類数そのものをロジックの妥当性を確認する指標として活用することもできます。
最後に、再びホールへ戻ります。
最初に示した主張を改めて提示し、その結果として期待される効果や成果(仮説でも可)を伝えて締めくくります。

■ シンプルな型が、論理的な思考を促す
ホールパート法で重要なのは、この型に沿って情報を整理することです。
限られた文字数や時間の中で伝えようとすると、自然と「何が主張なのか」「その根拠は何なのか」を意識するようになります。
結果として、説明そのものが論理的になります。
また、手順がパターン化されているため、情報がシンプルかつコンパクトになり、受け手にとっても理解しやすい構造になります。
ロジカルシンキングとは、特別な人だけが身につけられる能力ではありません。
適切なフレームワークを活用し、考えを整理し、伝える訓練を積み重ねることで磨くことができます。
組織におけるロジック構築や、個人の「論理的に考える力」「論理的に伝える力」を高める一つの方法として、ホールパート法を活用してみるのも良いかもしれません。
企業などの様に何らかの目的を果たすことか使命の組織にとって、意思の疎通は非常に重要となります。
ところが、実際には、考えの収拾が着かずに何を伝えたいのか言っていることが支離滅裂な人、更には、そもそもの伝えたいことを見出すことができない人も少なくありません。
自分の主張を他者に受け入れてもらうには、まず、自分の中でロジックを整理する必要があります。
その上で、それが、他者にとって有益なものであることを納得してもらわなければなりません。
ロジックとは、論証の筋道、あるいは、議論の筋道・筋立てとされています。
そして、ロジカルシンキングあるいは、論理的思考とは、主張に対して道筋が正しく通っている考え方となろうかと思います。
ロジカルシンキングのためには、様々な思考法が存在しています。

例えば、人が相手の主張を受け入れるか否かは、「本当にそうなの?」あるいは、「それだけなの?」の2つの観点で判断されます。
その主張が「本当にそうなの?」と論拠を求めることを縦の論理あるいは垂直思考と言います。
また、漏れなく、ダブリなく(MECE)を求めるための「それだけなの?」は、横の論理あるいは水平思考と言われます。
これによって、曖昧であったり、理解し難い考えをシンプルにし、組織内で共有させ易くする(構造化)することが可能です。

その他にも、ロジックツリー、IRAC法、ピラミッドスタラクチャー、プレインストーミング、5W1Hなど様々な思考法があります。
ロジック構築とは、一部のロジカルシンキングによる思考法を取り立てるものではなく、様々な角度から検証して、それらを論理を組み上げ、伝えることです。
どの思考法が正しいかではなく、状況によって、どれを選択するかが重要です。
また、切り口を変えて、複数の手法やフレームワークを活用することで、よりロジックを構築させ易くなろうかと思います。
そもそもロジックが成立していようとも、それが相手に伝わらなけば、全く意味がありません。
そこで重要になってくるのが、ロジックの言語化です。
今回は、あまりメジャーな思考法ではありませんが、プレゼンテーションに活かし易いフレームワークでもあるホールパート法をご紹介します。
まず結論であるホール(Whole)を伝えてから、その詳細であるパート(Part)を説明し、最後に結論であるホールで締め括ります。

具体的には、ホールとなる目標G(主張)および筋道の通った論拠を宣言します。
次に、ホールを3つに分解あるいは分類したパートである詳細であるKGIおよびKPIを説明します。
3つには大意はなく、敢えて定量化するために受け取る側も全体像を把握し易くなると捉えております。
また、3つより多ければ、ホールが大きすぎるのかもしれませんし、反対に1つしか導きだせないのであれば、小さすぎる可能性もあると判断する指針と捉えてはどうかと思います。
そして、最後にホールの締め括りとして、効果(仮説可)を宣言して締めます。
そして、このフレークワークの中に如何に、文字数を制限した言語を当てはめるかが重要となります。
忠実に実践しようとすれば、嫌でも主張と論拠を意識せざるを得なくなり、結果的にロジカルになります。
また、手順がパターン化されているために、シンプルでコンパクトな情報となるために受け手にとっても理解し易くなります。
是非、組織のロジック構築あるいは、個々のロジカルシンキングとロジカルに伝える技術を磨くための一つの思考法として取り組んでみてはどうかと思います。
