強い組織をつくる妥協のない環境 #47
人は、一人で成せることには限りがあります。
だからこそ、同じ目的を掲げる仲間と組織をつくる。
組織が組織として機能するために必要なものは、決して複雑ではありません。
目的の共有と、その実現に向けて貢献しようとする意志。
そして、それらを支える質の高いコミュニケーションです。
■ 「仲の良さ」は、強さではない
ここで注意したいのは、コミュニケーションを「仲良くすること」と誤解してしまうことです。
確かに、関係性の良さは大切です。
しかし、それは単なる“なれ合い”とはまったく別物です。
本当に良いコミュニケーションとは、
まず互いをリスペクトし合える関係性の上に成り立ちます。
貢献を称えることも重要ですが、
ご機嫌取りのような過剰な賞賛は、むしろ組織を弱くします。
時と場合によって、嫌われる勇気も必要です。
さらに近年は、「失敗を美化しすぎる」風潮も見受けられます。
しかし、すべての失敗が価値を持つわけではありません。
■ 失敗には「質」がある
失敗には、大きく分けて2種類あります。
• 学びにつながる「価値ある失敗」
• 学びがない、あるいは学ぼうとしない「価値のない失敗」
前者は、成長の糧になります。
しかし後者が繰り返される組織は、確実に劣化していきます。
高校バレーボールのある著名な指導者は、
こんな厳しい言葉を残しています。
「ミスを許し合うだけの
甘いチームが勝てるわけがない。
なぜ『それは違う』と言えないのか。
その曖昧さこそが、組織の弱さだ。」
耳が痛い話ですが、本質を突いています。
■ 高い目標ほど、無関心は許されない
組織が高い目標を掲げるほど、
メンバー同士が互いの失敗に無関心でいることは許されません。
• 見て見ぬふりをする
• 波風を立てないように黙る
• 「まあいいか」で済ませる
こうした態度は、一見平和に見えて、
実際には組織の衰退を静かに進めています。
必要なのは、妥協しない対話です。
ときには衝突も避けられません。
しかし、それは悪ではありません。
■ チームは「衝突」を経て強くなる
チームの成長プロセスを説明するモデルに、いわゆる「タックマンモデル」があります。
組織は、以下の段階を経て成熟していきます。

1. 形成期
まだ関係性が浅く、不安定な状態
2. 混乱期
価値観の違いが表面化し、衝突が起こる状態
3. 統一期
衝突を乗り越え、相互理解が進む状態
4. 機能期
高いパフォーマンスを発揮できる状態
重要なのは、このプロセスが一直線ではないということです。
実際の組織は、
• 前に進んだと思えば後退し
• 安定したと思えば再び衝突し
• ときには混乱に逆戻りする
まさに組織は、「生きもの」のように揺れ動きます。
■ 崩壊する組織と、進化する組織の違い
分岐点はどこにあるのか。
それは、混乱期との向き合い方です。
混乱期を避けようとする組織は、停滞します。
抜け出せない組織は、やがて崩壊に向かいます。
一方で、強い組織はこう考えます。
• 衝突は避けない
• 不満は陰で言わない
• 批判も含めて正面から伝える
ただし、ここで重要なのは「言い方」です。
率直な意見は必要です。
しかし、それが感情的な攻撃になってしまえば、組織は壊れます。
組織において、破壊的な批判は絶対に受け入れることはできません。
求められるのは、建設的な対話です。
建設的であれば、それが批判でも受け入れることが大切です。
次の前提があれば、衝突も一時的なものになるはずです。
• 目的に立ち返る
• 相手を否定せず、行動や事実に向き合う
• より良くするための議論にする
むしろ、建設的な衝突を経たチームほど、
雨降って地固まるではないですが、
強固な信頼関係と高いパフォーマンスを手に入れることができるはずです。
■ 結局、組織を強くするのは何か
結論はシンプルです。
仲の良さではなく、向き合う強さが組織を強くする。
• 失敗から目を背けない
• 違いを恐れない
• 必要なことを、必要な形で伝える
その積み重ねが、
やがて組織を「機能するチーム」「強い組織」へと押し上げていきます。
そしてその先に、ようやく
目的の実現が見えてくるのだと思います。
