切り口を変えることでブランド力を高める ― アメリア・イアハート効果 #50
企業や個人が1位を目指すのは、単なる順位以上の代え難い価値があるからです。
市場において「1位である」という事実は、強力なブランド価値になります。
例えば、「業界No.1」「地域で一番」「〇〇分野の専門家」といった言葉は、顧客に安心感や期待感を与えます。
多くの選択肢が存在する現代において、顧客が選択する際の判断基準として、「1位である」という認識は大きな影響力を持つのです。
だからこそ、企業も個人も、より高い価値を得るために1位を目指して競争を続けています。
■ ブランドとは「選ばれる理由」をつくること
ブランドとは、製品やサービス、場合によっては企業そのものの価値を識別し、他との差別化を生み出すための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、またはそれらを組み合わせたものです。
そしてブランディングとは、そのブランド価値を高め、競合との違いを明確にし、顧客から「選ばれる理由」をつくる活動です。
つまり、ブランディングの本質は、単に知名度を高めたり、見た目を整えたりすることではありません。
「なぜ、あなたでなければならないのか」
その理由を、顧客の中に築くことです。
その意味で、1位であることは非常に大きな差別化要素になります。
■ 「1位」と「2位」には大きな違いがある
かつて、国家予算事業の実態を把握し、その予算の適正な運用を判断する「事業仕分け」が行われた際、ある発言が大きな話題となりました。
「世界一になる理由は何があるんでしょうか?」
「2位じゃダメなんでしょうか?」
この問いは、科学技術分野における世界一の意義を問うものでした。
一方で、世界有数の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、次のような趣旨の考えを示しています。
「追随者には、楽であること以外に得るものはない。ビジネスは一番手か、それ以外か。」
ビジネスやブランディングの視点で考えると、この言葉には重要な意味があります。
なぜなら、1位であること自体が、強力な差別化になるからです。
もちろん、これは2位以下に価値がないという意味ではありません。
優れた商品やサービスは、順位に関係なく多くの価値を生み出します。
しかし、顧客の記憶の中で「第一想起される存在」になることには、追随者にはない大きなブランド価値があります。
だからこそ、誰もが1位を目指すのです。

■ しかし、すべての市場で1位になる必要はない
では、すでに強力な競合が存在する市場で、後発企業や個人が1位になることは不可能なのでしょうか。
答えは違います。
ここで重要になるのが、「どのカテゴリーで勝負するか」という視点です。
マーケティングにおいて大切なのは、単純に順位を競うことではありません。
自分が1位になれる切り口を見つけ、そこに価値を集中させることです。
その代表的な考え方が、「アメリア・イアハート効果」と呼ばれるものです。
アメリア・イアハートは、映画『アメリア 永遠の翼』(2009年公開)でも描かれたアメリカの女性飛行士です。
1927年、チャールズ・リンドバーグがニューヨークからパリまでの大西洋単独横断飛行に成功しました。
その後、1932年にアメリアも大西洋単独横断飛行を成功させています。
しかし、彼女は史上初の成功者ではありません。
それ以前にも成功した人物は存在しました。
それにもかかわらず、アメリア・イアハートが現在でも英雄として語り継がれている理由。
それは、「女性飛行士」という新しいカテゴリーにおいて、象徴的な存在になったからです。
重要なのは、単に女性だったから評価されたということではありません。
それまでとは異なる視点で価値を定義し、新しいカテゴリーを形成したことに意味があります。
マーケティングでは、この考え方が非常に重要になります。
全体市場では1位でなくても、切り口を変えれば1位になれる。
つまり、競争する場所を変えることで、新たなブランド価値を生み出すことができるのです。

■ マーケティングの役割は「勝てる1位」を設計すること
優れたマーケティングとは、単に商品を売るための活動ではありません。
顧客は誰なのか。
どんな価値を求めているのか。
競合にはない強みは何なのか。
どの市場カテゴリーなら価値を最大化できるのか。
これらを分析し、自分たちが選ばれる場所を見つけることです。
つまり、マーケティングの重要な役割の一つは、「自分が1位になれる切り口を発見すること」なのです。
例えば、
・市場全体ではなく、特定の顧客層で1位になる
・全国ではなく、特定地域で1位になる
・幅広い分野ではなく、専門領域で1位になる
という考え方があります。
これは、ランチェスター戦略にも通じるものです。
すべての戦場で勝とうとするのではなく、自分が勝てる場所を選び、そこで圧倒的な価値を築く。
それが、ブランドを育てる戦略になります。
■ 1位を目指しながら、自分だけの1位をつくる
アメリア・イアハートは、こんな言葉を残しています。
「それを行う最も効果的な方法は、それを行うことです。」

過去を変えることはできません。
すでに競合が存在していることも、後発であることも変えられません。
しかし、見方を変えることはできます。
どこなら1位になれるのか。
誰にとって唯一無二になれるのか。
どんな価値なら選ばれるのか。
その答えを探し続けることが、マーケティングであり、ブランディングです。
1位には、確かな価値があります。
だからこそ、誰もが1位を目指すべきです。
しかし、1位になる方法は一つではありません。
視点を変え、切り口を変えることで、自分だけの1位をつくることもできます。
ブランドとは、与えられる称号ではありません。
自ら価値ある場所を見つけ、磨き続けることで築き上げるものなのです。
製品やサービス、場合によっては企業の価値を識別し、さらには差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたものがブランドです。
更にブランディングとは、ブランドの価値を高め、より差別化効力を高めることで、製品やサービスが自然と売れやすい仕組みをつくることです。
かつて、国家予算事業の現場実態を把握し、その予算の適正な運用を判定する事業仕分けの席で、仕分け人からの発言が話題となったことがありました。
「世界一になる理由は何があるんでしょうか?」
「2位じゃダメなんでしょうか?」

対して、世界一の投資家と言われるアメリカのウォーレン・バフェットは、「追随者には楽であること以外、得るものは何もない。ビジネスは二者択一。一番手かその他。」と言っています。
ブランディングの観点からも、2位じゃダメなのです。
1位であることが大きな差別化となります。
勘違いされては困りますが、2位が存在価値がないと言っているのではありません。
あくまでも、唯一無二の存在である1位だからこそ、そのブランド価値は、追従する2位以下とは違うと言うことです。
しかしながら、ビジネスの世界では、1位でないにも関わらず、十分な価値を生み出し、成果を上げている企業や個人も存在するのも事実です。
マーケティングの中で使われる「アメリア・イアハート効果」と称されるものがあります。
アメリア・イアハートとは、「アメリア 永遠の翼(2009年公開)」として、映画にまでなったアメリカの女性飛行士です。

1927年にチャールズ・リンドバーグが、ニューヨークからパリまでの大西洋横断単独飛行に成功します。
アメリアは、その後、1932年に、この大西洋横断単独飛行に成功しています。
そもそも、アメリアは、1位でないばかりか、実際、もっと早く大西洋横断単独飛行に成功した人は、他にも何人か存在したそうです。
しかしながら、アメリアは現在でも、アメリカで英雄として名を残しているのは何故かです。
それは、紛れもなく、アメリアが女性だったからです。
ここで、決して、勘違いして欲しくないのが、女性だからと言って、特別扱いしたり、差別視しているのではありません。
マーケティングでは、例え、2位以下であっても、切り口を変えたら1位になれると言うことです。
つまり、1位ではないアメリアが、あくまでも「女性と言うカテゴリー」の中では、1位になれたと言うことになります。
「アメリア・イアハート効果」とは、切り口を変えることで、1位のブランド称号を手に入れることが出来ることを意味します。
切り口を変えることで、価値ある戦略や戦術を見出すことができるランチェスター戦略も、これに近い概念かと思います。

アメリアが残した言葉です。
「それを行う最も効果的な方法は、それを行うことです。」
過去は変えることは出来ないかもしれません。
しかし、出来ないことを嘆いてばかりいても何も変わりません。
思考の切り口を変えて、出来る方法、活路を見出して行動すべきかと思います。
