目標があるのに達成できない人へ―時系列的なマネジメント #13
将来の目標があって、そのために、「やるべきこと」もある。
それなのに、緊急ではないことを棚に上げて、その「やるべきこと」を先延ばしにしてしまう。
結果、切羽詰まってからの場当たり的な行動となってしまう。
当然ながら先延ばしをしていては、目標はなかなか達成できません。
しかし、こういう人は意外と多いのではないかと思います。
そのための解決のヒントになるのが、
“フィードフォワード(Feed Forward)”
というマネジメント思考です。
■ 目標とは思い切った望ましい結果
長期的な目標を設定する時、よくある間違いがあります。
それは、現実の延長線で「予想される結果」を目標として考えてしまうことです。
しかし、本来の長期目標とは、そういうものではありません。
長期目標は、「望ましい結果」として、
ある意味、思い切った、今の延長線では到底届かないような結果でなければなりません。
そもそも、目標というものは、そのような存在であるべきです。
なぜなら、長期目標の役割は、自分の未来の方向性、あるいは可能性を決めることだからです。

■ 順算してギャップを可視化する
長期目標を設定したら、次にやることがあります。
それは、現実から見込みを「順算思考」で積み上げてみることです。
つまり、「このまま進んだらどうなるか」
「予測される結果」を冷静に分析するわけです。
この考え方を
フォアキャスティング(Forecasting)
といいます。
そして、ここでほぼ確実に起こることがあります。
それは、「目標(望ましい結果)」と「現実の見込み(予測される結果)」の差であるギャップ(Gap)が可視化されます。
そして、このギャップこそが、目標を達成させるために解決すべき課題になります。
言い換えると、
・ 自分に足りないも
・ 組織に足りないもの
・ 今のままでは実現できない理由
それらが、すべて課題として見えてきます。
■ 課題は逆算して具体化する
課題が見えたら、次に行うのは「逆算思考」で具体化します。
これを
バックキャスティング(Backcasting)
といいます。
目標から逆算して、
✅ 長期目標
↓
✅ 中期課題
↓
✅ 短期課題
↓
✅ 今やるべきこと
というように、目標を分解していきます。
すると、中期目標、短期目標も自然に見えてきます。
将来のことなので、最初は仮説も多くなります。
しかし、時間軸が現在に近づくほど
課題はどんどん具体的になります。
■ 課題を具体化するフレームワーク
ここで重要なのが、課題を曖昧にしないことです。
そのために役立つのが
5W1Hです。
• Why(なぜ)
• What(何を)
• Where(どこで)
• When(いつ)
• Who(誰が)
• How(どうする)
さらに
• How much(いくら)
• Whom(誰に)
• How many(どれだけ)
を加えた6W3Hまで使うと、課題はかなり具体的になります。

■ 特に重要なのは「期限」
課題を設定するとき、最も注意すべきなのが期限です。
期限が曖昧な課題は、ほぼ確実に先延ばしになります。
課題を達成しても、期限に間に合わなければ成果にならない場合もあります。
逆に、課題が完全に達成できなくても、期限までの進捗を報告することで成果として評価されることもあります。
だからこそ、やるべきことを先延ばししてはいけないのです。
■ そこで必要になるPDCA
課題が決まれば、あとは実行です。
しかし、計画通りに進むことはほとんどありません。
むしろ、ギャップが生じない方が不思議と考えるべきでしょう。
そこで必要になるのがPDCAサイクルです。
• Plan(計画)
• Do(実行)
• Check(検証)
• Act(改善)
計画には必ず仮説が含まれています。
実行することで初めて、その仮説が正しかったのか検証できます。
そして検証結果をもとに改善を行う。
このサイクルを回し続けることで、成果に近づいていきます。
■ 目標達成は「小さなPDCA」の積み重ね
ここで大切なことがあります。
目標達成は一つのPDCAではありません。
長期目標の中には、中期目標、短期目標など、いくつもの小さな目標があります。
そして、それぞれに小さなPDCAサイクルが存在します。
その小さな成果の積み重ねが、最終的な目標達成につながるのです。
「成功するには、目標達成に向かって粘って粘って最後まで諦めずにやり抜くということが必要です。」― 稲盛和夫
結局のところ、目標達成に必要なのは特別な才能ではありません。
必要なのは
・ 未来から考える思考
・ 課題を具体化する力
・ PDCAを回し続ける姿勢
そして何より、先延ばしをしないこと。
それが未来を変える一歩になるのだと思います。
