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不確実な時代だからこそ成長を目指す #42

■ 不確実な時代に直面してすべきこと

かつては「作れば売れる時代」がありました。
良いものを作れば自然と売れ、企業は拡大路線を前提に経営を行うことができました。
バブル時代には、事業拡大そのものが企業の成長戦略であるかのような時代でもありました。

しかし現代は、VUCAに象徴されるように、変化が激しく、将来の予測が困難な時代です。
既存の事業における市場競争は激しくなる一方で、今は需要のある製品やサービスであっても、明日には消えてしまう可能性すらあります。
先行きの予測が難しく、不確実性の高い時代になっているからです。

■ 先手を打って新しい需要を創り出していく必要性

さらに現在の経済環境は、単純なデフレとも異なります。
物価は上昇しているものの、需要が力強く拡大しているわけではなく、原材料やエネルギー価格の上昇などによる「コストプッシュ型インフレ」の色合いが強い状況です。

企業にとっては、コストは上昇する一方で、需要は必ずしも強くないという難しい環境です。
そのため多くの企業がコスト削減や効率化に取り組んでいますが、それだけでは将来の成長を保証することはできません。

だからこそ、いま改めて重要になるのが成長戦略です。

ここで言う成長戦略とは、単に事業規模を拡大することだけを意味するものではありません。
むしろ重要なのは、既存の需要が縮小した場合に備えるためのリスクヘッジという側面です。

どれほど安定しているように見える市場でも、将来にわたって永続する保証はありません。
だからこそ、企業は先手を打って新しい需要を創り出していく必要があります。

■ 成長戦略を考える「アンゾフの成長マトリクス」

企業の成長戦略を整理する際によく用いられるフレームワークに、アンゾフの成長マトリクスがあります。

このマトリクスでは、成長戦略を「市場」と「製品・サービス」の2軸で整理し、それぞれを既存と新規に分けて4つの戦略に分類します。

① 市場浸透戦略

既存市場 × 既存製品・サービス

成長戦略の基盤となる需要です。
この市場が大きく安定していれば、企業の事業基盤も安定します。

逆に、この部分が崩れると事業は一気に衰退する可能性があります。そのため、まずは既存市場での競争力を高めることが重要になります。


② 製品(サービス)開発戦略

既存市場 × 新規製品・新規サービス

既存市場の顧客基盤や販路を活用しながら、新しい製品やサービスを提供する戦略です。

既存のブランド力や販売ネットワークを活用できるメリットがありますが、新しい製品やサービスを開発するためのコストが必要になります。


③ 市場開拓戦略

新規市場 × 既存製品・既存サービス

既存の製品やサービスを新しい市場に展開することで需要を拡大する戦略です。

例えば、国内市場中心だった商品を海外市場に展開する場合などが該当します。新製品開発のコストは抑えられますが、新しい販路を開拓する必要があります。


④ 多角化戦略

新規市場 × 新規製品・新規サービス

4つの戦略の中で最もリスクの高い戦略です。
既存のリソースを活用できないため、すべてを新しく創造する必要があります。

■ バイオリットオーシャンを狙う

しかし、先行きの予測が難しい時代では、既存市場そのものが縮小する可能性もあります。
その場合、企業はリスクを承知で新しい領域に挑戦せざるを得ないこともあります。

市場を競争が激しいレッドオーシャンと、競争の少ないブルーオーシャンに区別して表現したりします。
対して多くは競合の少ないブルーオーシャンを選びたがります。
しかし、需要自体も小さい、あるいは存在しない可能性もあります。
リスクの裏と表を良く理解することも大切です。

市場をブルーオーシャンとレッドオーシャンの二極化して極端に捉えてしまうのは危険です。

例えば、人口減少が確実視される状況にあって、レッドオーシャンである「既存市場」だけで需要維持は困難になりつつあります。
かと言ってブルーオーシャンの「多角化」は、財務力の厳しい中小企業ではリスクが高いと言えます。

ならば、双方の良いとこ取りのバイオリットオーシャンを目指して、既存を活かした「市場開拓」と「製品開発」に取り組むことも一つだと考えます。

■ 成長戦略は「未来への保険」

企業の状況や市場環境によって、どの戦略を選択するかは異なります。
しかし重要なのは、漠然と事業拡大を目指すのではなく、将来の市場縮小というリスクも想定した上で戦略を考えることです。

今ある需要が、明日も同じように存在するとは限りません。
だからこそ企業は、既存事業を磨きながら、新しい市場や新しい価値の創造にも取り組む必要があります。

不確実性の高い時代において、成長戦略とは単なる拡大のための手段ではなく、企業が未来を生き残るための保険でもあるのではないでしょうか

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