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【大阪・天満】日本のガラス工芸は、ここから始まった

大阪・天満宮の正門脇に、ひっそりと石碑が立っています。刻まれた文字は「大阪ガラス発祥の地」。江戸時代、一人のガラス商人がここで始めたものが、今も切子グラスとして職人の手から生まれ続けています。

この工芸が生まれた背景

江戸時代、播磨屋久兵衛というガラス商人が長崎へ渡りました。当時の長崎はオランダとの交易の窓口。彼はそこでオランダ人からガラスの製法を学び、大阪へ持ち帰ります。根を下ろした場所が、天満宮の門前でした。
以来、天満はガラス工芸の街として栄えます。江戸切子(東京)や薩摩切子(鹿児島)がのちに名声を高める中、天満は日本のガラス工芸の「源流」として、その歴史をひっそりと刻んできました。
天満切子という名前は、創始者の宇良武一氏が「かつてガラスの街だった天満への想いを込めて」名付けたものです。失われかけた文化への惜しむ心が、そのまま工芸品の名前になっています。

職人の技術・こだわり

江戸切子や薩摩切子は、V字形の刃でガラスを削ります。鋭角なカットがシャープで規則的な模様を生み出す、いわば「彫刻」に近い技法です。
天満切子が使うのは、U字形の刃。「蒲鉾掘り」と呼ばれるこのカットは、ガラスの表面になだらかな丸みを刻みます。手に持ったとき、指に角が引っかからない。そのやわらかな手触りは、使って初めて気づく違いです。
薬品によるつや出しは一切行わず、全工程を手作業で仕上げます。最後の「手磨き」は職人が布でひとつひとつ磨き上げる工程で、時間がかかるぶん、奥深い輝きが生まれます。さらに、グラスの底に刻んだ模様が側面に映り込むよう計算されたカッティングにより、お酒を注ぐと底から模様が万華鏡のように浮かび上がる仕掛けになっています。

この商品を選んだ理由

今回取り上げたのは「雫(しずく)」と名付けられたフリーグラスの緑色。高さ約90mm、容量160mlというちょうど手のひらに収まるサイズで、金属酸化物含有量24%以上のレッドクリスタルガラスを使用しています。
価格は¥33,000(税込)。手作業・手磨き・桐箱付きという工程を考えると、工芸品としての価格帯に納得感があります。現在Amazonの在庫は残り1点のみで、次回入荷の見込みは立っていません。

こんな場面で使いたい

仕事を終えた夜、グラスに少量のウイスキーを注ぐ。照明を少し落とした部屋で傾けると、底から緑の模様がゆっくりと浮かび上がる。その10分は、普通のグラスで飲む10分とは少し違う時間になります。
父の日や誕生日の贈り物として選ぶなら、桐箱入りのままそのまま渡せます。「日本のガラス工芸が生まれた場所で作られた」という背景ごと贈れるのが、量産品にはない価値です。
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まとめ

天満宮の石碑の前に立ったことがある人は少ないかもしれませんが、そこに刻まれた歴史は今もグラスの中に続いています。天満切子は「見るだけの美術品」でも「ただの食器」でもなく、その両方を兼ねたものとして職人が作り続けています。


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