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MiniMax H3の導入方法 VRAM8G+メモリ16GBでもOK ~I2V(Image to Video)~

MiniMax H3 とは

MiniMax H3とは、MiniMaxが2026年8月3日に公開したオープンウェイトモデルで、ライセンスの範囲内で無料で利用できるマルチモーダル生成AIモデルです。具体的にはテキスト・画像・動画・音声を入力することで動画を生成できます。用途によりいくつかモデルが分かれており、それぞれのタスクで適切なモデルを使用します。

T2V(Text to Video)

画像生成を行ったことがある人なら馴染みがある方法でしょう。テキストプロンプトを記述し、それを元にMiniMax H3のモデルに学習されている概念を利用して動画生成を行います。既にAnimaやKrea2等で静止画を生成できる方は、この記事で紹介するI2Vを利用すると良いでしょう。T2Vよりほとんどの方がI2Vを利用したいと思うので、この記事でT2Vは扱いません。

I2V(Image to Video)

既存の画像を元に、プロンプトに画像の概略を記載し、任意のカットプロンプトを複数記述することで動画生成を行います。Wan2.2を利用したことのある方は、音声が生成されないことをご存知かもしれません。またLTX2.2では音声を生成できますが、MiniMax H3においても日本語音声合成が可能です。

Ref2V(Reference to Video)

オムニリファレンスモデルと呼ばれるMiniMax H3の最も複雑なモデルです。何ができるかというと、画像・動画・音声を参照素材として与えることで、それらを組み合わせた動画を生成できます。具体的にはキャラクターデザインを画像で定義し、動きを動画で参照して抽出し、ゼロショット音声合成を同時に定義して、統合された一つの動画として出力することが可能です。複雑ですが非常に強力なモデルで、非公開となってしまったSora2相当の動画を創り出すことも可能です。今回は紹介に留めますが、Ref2Vの動作検証は終わっているので、次回の記事にしたいと思います。

この記事の流れ

MiniMax H3を使用するには、ComfyUIを利用することが一般的です。前の記事を読んでいただき実践している方は、既存のComfyUIを最新版に更新し、MiniMax H3のモデルを導入するだけで動画生成を行えます。前の記事を読んでAnima導入の手順の後にMiniMax H3を導入することも可能ですが、ComfyUIがはじめての方向けに、ComfyUIのセットアップ方法からご紹介します。

  1. 動作環境

  2. PythonとGit for Windowsの導入

  3. ComfyUIの導入

  4. 前の記事を読んだ方向けのComfyUIのアップデート方法

  5. MiniMax H3の導入

  6. I2Vによる動画の生成

主にコマンドラインでの設定を行いますので、わからない箇所はChatGPTにそのコマンドラインを入力し、どのような動作をするのか確認しながら実行してください。もしこの方法でComfyUIを設定したのであれば、今後の更新もコマンドラインで行う必要があります。エラー等のトラブルに対処する場合、その知識が役立ちます。

動作環境

  • Windows 11で動作します(Linuxの場合でもほぼ同じですが、GPUドライバやCUDAの設定が必要です)。

  • CPUはWindows 11でサポートされているものであれば、特に高いスペックは必要ありません。

  • GeForce RTX 2000シリーズ以降(VRAM 8GB以上)、8GBのVRAMでもComfyUIの起動オプションで動作可能です。

  • GPUドライバは最新版にしておきましょう。CUDA 13.0向けのPyTorchを使用します。

  • メインメモリは64GBあると理想的ですが。16GBでも動作します。この場合**--disable-pinned-memory**オプションが必要です。

  • SSDの容量は最低100GB以上空けておきましょう。MiniMax H3のモデルは巨大で、I2V/Ref2Vの2つのモデルだけで約60GBあります。

  • ComfyUIはWebブラウザからローカルに接続して使用します。Chrome/Edge/Braveなどがおすすめです。

PythonとGit for Windowsの導入

Pythonはバージョン3.13.15を使用します。理由としては、Comfy.Orgの公式ドキュメントで推奨されているバージョンである点と、プレビルドバイナリ(Pythonのパッケージ)を導入する際にバイナリレベルでの互換性が今後3.13系になる可能性がある点です。パッチレベルで更新があった場合は、Windows向けビルドが提供されていれば更新すると良いでしょう。セキュリティFIXがある場合、リスクを減らせます。ただし動作中の環境で入れ替える場合は、venvの構築からやり直す必要があります。特にComfyUIに `--listen` オプションを付けず、インターネット越しに利用するつもりがないのであれば、無理に更新しないという考え方もあります。

Git for Windowsは最新版を導入しましょう。インストール時に更新がある場合はポップアップを表示するオプションにチェックしてください。Gitは直接インターネット経由でソースコードをダウンロードするツールであるため、セキュリティFIXは必ず適用しましょう。

ダウンロードが行えたら、どちらを先にインストールしても構いません。ただし Python と Git の両方をシステムの PATH 変数に設定するようにしてください。そうしないと毎回ターミナル上で `set PATH=C:\~\Python\bin;%PATH%` 等と実行しなければなりません。Git for Windowsについては既定で PATH 環境変数に追加されるようなので、そのまま進めて良いです。エディタの選択は VSCode を導入済みなら VSCode を選んでください。導入していない場合は Notepad を指定しても構いません。本記事の範囲ではエディタをあまり使用しないので、Notepad でも問題ありません。

Pythonセットアップ
git for windows アップデート・ターミナルへの追加
git で使用するエディタ
windowsのデフォルトターミナルでgitを使用

ComfyUIの導入

今回はマニュアルインストールのComfyUI v0.30.2を導入します、先の記事でセットアップ済のComfyUIがある場合更新方法は次のセクションで述べます。

ComfyUIのインストール

この作業ではWindowsのコマンドラインを使用します、Windowsキー+R で cmd と入力してターミナルを開いて下さい。

次に以下のコマンドラインと一行一行コピペして実行してください、ペーストした後にEnter/Returnキーで実行です、全文をコピーして貼り付けても動作しますが、何かエラーが起きた場合把握し辛くなるので、一行一行実行すると良いでしょう、ターミナル上で右クリックするとコマンドラインをペーストできます。

c:
mkdir C:\Software
cd C:\Software
git clone https://github.com/Comfy-Org/ComfyUI.git
cd ComfyUI
py -3.13 -m venv venv
.\venv\Scripts\activate
pip install torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/cu130
pip install -r requirements.txt
pip install comfyui-manager

PyTorchを先にインストールしている理由は、requirements.txtからインストールするとCPU版が入る場合があるためです。

ここで問題なのですが、素の ComfyUI は起動するたびに Python 仮想環境を有効化し、`python` でスクリプトを実行する必要があります。そこで、簡単に起動できるようにバッチファイルを作成しておきましょう。

Windowsキー+R を押し、`notepad` と入力してメモ帳を起動し、以下のうち自分の環境に合った内容を貼り付けてください。

  • VRAM16GB環境でメインメモリも64GBある場合

@echo off
call .\venv\Scripts\activate.bat
python -s main.py --enable-manager
  • VRAM12GB環境向け

@echo off
call .\venv\Scripts\activate.bat
python -s main.py --lowvram --enable-manager
  • VRAM8GB環境やメインメモリが少ない環境向け
    ※もし VRAM8GB の環境で動作させたい場合や、メインメモリが64GB未満の場合は、--enable-manager の後に --disable-pinned-memory を付けてください。このオプションは、VRAMに載らなかったモデルの一部をメインメモリに配置せず、必要に応じてSSDから読み込むオプションです。RTX 5060(VRAM 8GB)+16GBメインメモリの環境においても実用的な時間で動作します、0.4Mp(解像度864x480)で5秒の動画を生成する場合おおよそ7~8分で生成可能です。

@echo off
call .\venv\Scripts\activate.bat
python -s main.py --lowvram --enable-manager --disable-pinned-memory

このテキストを `C:\Software\ComfyUI\run.bat` に保存してください。拡張子が `.txt` になってしまった場合はエクスプローラーで `C:\Software\ComfyUI` に移動し、`run.bat.txt` から `run.bat` に名前を変更してください。毎回エクスプローラーでこのパスをたどるのが面倒なので、デスクトップにショートカットを作成しても良いでしょう。

前の記事を読んだ方向けのComfyUIのアップデート方法

この手順通りでエラーが出る場合は、ChatGPTにターミナルのテキストを選択して貼り付け、原因を探ってみてください。なお、この記事では Python 3.13.15 を使用していますが、既に 3.12.10 を利用している場合は venv の再構築が必要になる点に注意してください。面倒であれば、`C:\Software\ComfyUI` を `ComfyUI-v0.27.0` 等に変更して、上のセクションから始めても構いません。

c:
cd c:\Software\ComfyUI
.\venv\Scripts\activate
git switch master
git fetch --tags
git tag
git branch 202608-local
git commit -a -m "requirements.txt changed."
git checkout v0.30.2
pip install -U -r requirements.txt
pip freeze > requirements-backup-202608.txt

`git commit -a -m "requirements.txt changed."` の箇所は、`requirements.txt` の torch 関連をコメントアウトした場合に必要です。ComfyUI の git リポジトリを変更していない場合は必要ありません。

MiniMax H3の導入

ComfyUIでMiniMax H3のテンプレートを開くと必要なモデルのダウンロードが実行されますが、安定した環境で手動ダウンロードして配置した方が確実です。現在は修正されているかもしれませんが、ComfyUI上からのダウンロードは失敗時に途中から再開できない場合があります。

MiniMax H3の公式モデルはdiffusersでの利用を想定した物で、ComfyUIで扱う事は考慮されていません。しかしながらComfy.OrgによりComfyUIに適合したモデルが配布されているのでこれをダウンロードして使用します。

・配置場所

C:\Software\ComfyUI\models\diffusion_models\MiniMaxH3

※MiniMaxH3フォルダは無いのでエクスプローラーで作成してください。

・配置場所

C:\Software\ComfyUI\models\text_encoders\MiniMaxH3

※MiniMaxH3フォルダは無いのでエクスプローラーで作成してください。

・配置場所

C:\Software\ComfyUI\models\vae\MiniMaxH3

※MiniMaxH3フォルダは無いのでエクスプローラーで作成してください。

I2Vによる動画の生成

ここまで来たら ComfyUI を起動しましょう。先ほど作成した C:\Software\ComfyUI\run.bat をダブルクリックして実行します。

[INFO] To see the GUI go to: http://127.0.0.1:8188

コンソールにローカル URL が表示されていれば成功です。URL 部分を Ctrl+クリック すると Web ブラウザで ComfyUI が開きます。

テンプレートを開く

ワークフローを手動で構築するのは難易度が高いため、MiniMax H3 のテンプレートを呼び出して使用しましょう。ComfyUI のツールバーから テンプレート をクリックし、検索ボックスに MiniMax と入力してください。すると MiniMax H3 画像から動画へ というテンプレートが表示されるのでクリックします。

ComfyUIツールバー
MiniMax H3のテンプレート
テンプレートワークフロー

ここでモデルはテンプレートが想定しているパスと異なるため、それぞれ以下のように切り替えます。

  • `unet_name` → `MiniMaxH3/minimax_h3_fl2va_pruned_int8_convrot.safetensors`

  • `clip_name` → `MiniMaxH3/qwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq.safetensors`

  • `vae_name` → `MiniMaxH3/minimax_h3_video_vae_fp16.safetensors`

  • `audio_vae` → `MiniMaxH3/minimax_h3_audio_vae_fp32.safetensors`

モデルパスの変更

I2Vに使用する画像の設定

次に I2V に使う画像を設定します。ComfyUI ワークフロー上の 画像を読み込む というノードに、エクスプローラーから使用する画像をドラッグ&ドロップします。すると以下のような画面になります。画像自体は Anima や ChatGPT で生成したもので構いません。使用例の画像も以下に添付していますので、ダウンロードして設定しても構いません。

画像読み込みにD&Dした結果
ダウンロード用(右クリックで保存してください)

プロンプトの設定

テンプレートから少し記述を変えて、この画像を動かせるようにしましょう。

Editorial tech product film. The animal woman from <Picture 1> in its original
scene: A woman wearing miko outfit stands in the foreground, with a forest of fresh green foliage spreading out and torii gate in the background.
SHOT 1: The woman moves her upper body slightly and waves her right hand.
SHOT 2: The woman is doing knee bends and stretching exercises.
SHOT 3: The woman runs toward the foreground, and the scene opens up to reveal only a forest.
Audio: A woman says, "キツネはコンコン鳴かないんですけどね"

画像のアスペクトレシオの設定

縦長のソース画像ですので 3:4 (Portrait Standard) を選択します。

アスペクトレシオ設定

動画生成

ComfyUI 上部にある 実行する という水色のボタンを押します。これで動画の生成が始まります。生成が完了すると ComfyUI 上でプレビューできます。ビデオを保存 というノードの左下にある再生ボタンを押してください。

ワークフローの実行

生成された動画は C:\Software\ComfyUI\outputs\Video\ 以下に出力されます。以下は生成結果例です。

後書き

ここまでで基本的な I2V による動画生成は完了です。テンプレートのプロンプトを見ると、

  1. 動画のスタイルを指示し、画像に写っている被写体の特徴を記述し、`<Picture 1>` でキャラクターを認識

  2. `scene:` でキャラクターの外観や背景の状況を記述

  3. `SHOT n:` でショットごとのキャラクター動作を記述

  4. `Audio:` でキャラクターに喋らせる日本語テキストを指定

といった形になっています。

もっとプロンプト記述について知りたい場合は、MiniMax H3 の公式ドキュメントを読んでください。

MiniMax H3導入、おつかれさまでした。

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