#19-2 家庭も仕事も日常のコミュニケーションが軸。「気持ちが通じ合う」関係性の力ー井上 誠也さん
こんにちは。19話目中編(今回の番組は、前編・中編・後編の3回でお届けします)は、以前、ワーク・ライフバランスコンサルタント養成講座73期生として、感想回にご出演いただいた一般社団法人 子育てデザイナーズ協会 代表の井上 誠也(いのうえ せいや)さんを東京都からお迎えし、会社で初の男性「時短勤務」取得のお話や、「『残業ゼロ』を叶える方法」を伺います。
🔽感想回記事
🔽前編記事
🔽プロフィール
井上 誠也(いのうえ せいや)さん
ワーク・ライフバランスコンサルタント養成講座 第73期生
一般社団法人子育てデザイナーズ協会 代表理事
活動拠点:東京都を中心にオンライン
群馬県生まれ。
中央大学経済学部卒業後、生命保険会社に就職し、資産運用業務に従事する。2009年、保育士資格取得とともに、夢であった保育士として勤務する。
2011年の東日本大震災を機に、再び金融業界に戻るが、2015年に第一子を授かり、精力的に育児に関わる中で、日本の育児環境、特に共働き世帯をとりまく育児環境がいかに過酷で危機的状況かを認識し、子育てを総合的にプランニングする必要性を痛感する。
2018年7月一般社団法人子育てデザイナーズ協会を設立。
プライベートでは二児の父。
ワーク・ライフバランスの取り組み
先週は、井上さんの二人目のお子さんを授かった時に、奥様からの一言が転機となり、お勤め先の会社で男性初の「時短勤務」を取得されたというお話をお伺いしました。ご家族も仕事も、Win-Winな関係になる取り組みは、同じ子育てをする親として、大変励みになりました。
良質なコミュニケーションの成果。妻のフルタイム復帰
──その後、家庭での状況はどう変わったのでしょうか。
井上さん 時短勤務で得られたのは、やはり家族との時間だったと思います。17時半頃に帰宅できるようになり、保育園から子供を迎えて、お風呂に入れていました。時短勤務を取得する前も、妻とは、よく会話をしていましたが、タスクを消化するための会話が多かったのです。
時短勤務取得後は、たわいのない会話が増えたと思います。その時に僕が感じたことは、コミュニケーションの質が変わったということです。結局、普段から、気持ちが繋がっていないと、大事なことを決めるときに、かしこまってしまい、ガードを張ってしまいますよね。
恐る恐る「ちょっといい?」と声をかけても、「今から大事な話をしよう」と緊迫した感じになり、ものすごく驚くようなことを言われそうな雰囲気になりますよね。相手からの返事も「なに?」と同じく緊迫していて、さらに、壁ができた状態になりますよ。
このような状態でも、タスクをこなすだけの観点だといいのかもしれません。しかし、日常での家族の雰囲気に壁があると、楽しいと思えない生活になりかねません。日頃から、夫婦間では、たわいのない会話を含めて、コミュニケーションを取ることは大事だと思います。
それによって、「気持ちが繋がる大切さ」を実感できたと思います。結局、二女の産休に入る時には、妻はフルタイムに復帰できていたと思います。

前川 そうなのですね。フルタイムに復帰することは、時間的に可能でも、気持ち的には、なかなか難しいと思うので、きっとコミュニケーションの成果だと思います。
井上さん その気持ちの面での難しさは、よくわかります。僕自身、会社でも、気持ちの面をとても大事にしています。仕事する時に、物理的な時間の負担だけでなく、気持ち的に感じる負担感を重視していて、例えば、1時間で終わるような作業で、とても難易度が高いものや、神経を使う仕事は、人のエネルギーに視点をおくと、多くのリソースを奪っているはずです。
その状況だと、なかなかフルタイムに復帰しようという気になれないというのは、よく理解できます。
前川 奥様の立場がよく分かるので、フルタイムに復帰しようと思えたことは、夫婦間のコミュニケーションの成果だろうなと思います。その成果から、家族のあり方も変わっていくのだなと思いました。
井上さん ありがとうございます。結局、人生は一度きりなので、妻には「この人と結婚してよかったな」と思われたいです。もちろん、僕自身は「妻と結婚して、家族を持って良かったな」と思っています。家族とのコミュニケーションは、これからも大事にしていきたいなと思っていますね。
前川 ふと思い出しましたが、産後のホルモンバランスは不安定で、不安になってしまうことが多かったように思います。時短勤務からフルタイムに復帰することができたのは、夫婦間のコミュニケーションの成果とのことですが、時短勤務を取得してくれたことは、奥様とすると本当に心強かっただろうなと思います。
株式会社ワーク・ライフバランスの小室淑恵さんのお話の中で、「産後の妻の死亡原因の第1位は、産後うつによる自殺である」という調査結果があったと思います。確かに、ホルモンバランスが不安定だったので、私もよくわかりますが、普段、何とも思わないような事にも、過剰に反応してしまい、とても不安になってしまいます。
そんな時に、奥様の近くに、いつも井上さんがいて、コミュニケーションを取ってくれていたのは、本当に嬉しかったと思います。今回、この素敵なエピソードを、お伺いできてよかったなと思いました。
小室淑恵です!平成の女性活躍は、女性が仕事も育児もこなすスーパーウーマンに進化し獅子奮迅の活躍をしたから。令和の女性は疲弊し、次世代は「両立は無理」と揺り戻しの時代に。産後の妻の死亡原因第1位は産後うつによる自殺です。孤独な育児による悲しい死をもうなくそう。この動画を見て下さい https://t.co/ahYryByIjn
— (株)ワーク・ライフバランス (@worklifeb) January 2, 2020
井上さん 時短勤務を取得した時に、妻から直接、言われたわけでないのですが、感謝してくれていると思っています。産後に不安になった話では、もう一つエピソードあるので、お話したいと思います。二女が生まれて、確か1〜2ヶ月頃のことで、二人目の子育てとなると、それなりにタスクが重なり、生活が忙しくなりました。
僕が二女を沐浴させている時に、僕自身は大丈夫だと思っていましたが、二女への支えが危なっかしかったようで、滑り落ちそうになりました。その時、妻が過剰に反応を示したのです。
僕も忙しくて、イライラしていたので、「いつも、沐浴しているのだから大丈夫だよ」と言った時に、妻も過剰に反応してしまったことに、ハッとしてくれて「ごめん、びっくりして、ちょっと言い過ぎたけど…」「私、人生でこんなに大切なもの持ったことがないんだよ」と言ってきたのです。
僕にとっては、その妻の言葉が衝撃的でした。僕も、その言葉でハッとしました。僕は、二女の沐浴をタスクとしてこなしていましたが、妻にとって、タスクではなく、プレッシャーを背負いながら、命に向き合っていたのです。
こういう感覚を持っての育児は、見掛けよりも、はるかに大きいプレッシャーを抱えているのだと感じました。ただでさえ、ホルモンバランスで心身が不安定な時に、これだけのプレッシャーを抱えていたら、「産後うつ」になることは、普通にあることだなと思いました。
そう考えると、「産後の妻の死因の第一位が、自殺」だということも、あり得ることなのだと思いました。
前川 私がすごく感動したのは、井上さんが衝撃を受けた奥様の言葉です。そこまで深く気づいてくれる男性は、なかなかいらっしゃらないと思います。男性は、出産しないので、その感覚を、なかなか理解できないと思います。
井上さんが、産後の奥様の気持ちを理解してくださったのは、大変嬉しいことです。それを奥様に、きちんとお伝えしていたことを想像すると、夫婦の仲は深まっていったに違いないと思いました。
井上さん ありがとうございます。それなりに喧嘩はしているのですが、気持ちはちゃんと伝えるようにしています。
「残業ほぼゼロ」を実現するための工夫とは・・・
───話は変わりまして、井上さんがフルタイムに復帰された後に、再度、昇進の話があり、無事に昇進されて、その後も継続的に「残業ほぼゼロ」を実現されているということですが、ぜひ、具体的な取り組みについてお伺いできたらなと思います。
井上さん 僕がフルタイムに復帰した後、おかげさまでマネージャーに昇進させていただきました。マネージャー昇進後も残業は、ほぼ無しの状況です。こうした勤務を可能にするために、行った工夫をお話したいと思います。
一つ目の工夫は、「タスクの洗い出しと、そこにかかった時間を測ること」です。これは一度やっておくと、その後も意識せずに、感覚的に継続できると思います。残業できない環境、言い換えると「残業ができるという甘えが許されない環境」に身を置いたことで、時間単位の効率性が、格段に向上したと思います。
二つ目の工夫は、「周囲の方との関係性を築くこと」です。結局、仕事でも、仕事以外でも、「周りの人たちと、どういう関係性を築いていくか」が、すごく重要です。部下が仕事で苦しい時に、上司である自分が早く帰ってしまうと、きっと部下はモヤモヤすると思います。
仲がよい良い職場環境なので、部下はモヤモヤしても、僕に言わなかったと思います。しかし、僕は、部下のことモヤモヤさせたくありません。僕の上司も同様に、文句は言ってきませんが、僕に隙ができた時、いつ文句言ってくるかもわかりません。
その時に僕が工夫したのは、「仕事の質」にこだわったことです。結局、量をこなせないので、質は維持しないとパフォーマンスが低調になってしまいます。部下に対する見え方としては、「うちの上司は早くは帰るけど、仕事の質はめちゃめちゃ高いし、やるべきタスクは、必ず終えて帰っている。
だったら、俺も長時間、仕事をしてバリューを出すのではなくて、質で勝負する方向に行ってみようかな」と、きっと考えてくれるだろうと思います。そういうところは、とても意識しました。
☆残業ほぼゼロを実現するための工夫☆
1.タスクの洗い出しと、そこにかかった時間を測ること
→ 時間単位の効率性が格段に向上
2.周囲との関係性を気づくこと
→「仕事の質にこだわる」工夫で、部下にも良い影響を与える
前川 すごくいいですね。長時間働いていると、「短時間でいい仕事をする」ことが、部下もイメージできないけど、上司がそれを実現していたら、「自分もできるかもしれない、頑張ってみよう」と思えるので、きっと部下の方にも、良い環境だろうなと想像しました。
井上さん そういう風に言っていただけると、僕としては、とてもありがたいです。
──よく「管理職、罰ゲーム化」という話を聞きますけど、その解決策にもなるかと思いましたが、いかがでしょうか。
井上さん まさに、そうですね。僕も、そういうところの意識も持って、やっています。現代では、「管理職、罰ゲーム化」は、よくある話ですよね。辛そうな管理職を見ていたら、「自分も管理職になりたい」と思うわけがないですよね。「管理職が輝いてないと、組織が活性化しない」というのは、強く思いますね。
仕事を効率化する「4大テクニック」
──仕事の質を担保できるような、テクニックはあるのでしょうか。
井上さん 自分の中で、継続してやっている「効率化4大テクニック」があります。一つ目は、「会議や作業時間は、30分や45分単位にする」ことです。1時間にせず、30分や45分単位にします。
二つ目は、「作業の時にはアラートを活用する」ことです。昔は、ススマートフォンを使っていましたが、今はApple Watchを使っています。少し話が逸れますが、会社に出勤するとスケジュールを見て、これを全部音声で吹き込み、「会議の3分前にアラートかけて」と、Apple Watchにお願いします。
1年前ぐらいから、やり始めました。スマートフォンでもできるから、Apple Watchでやるメリットを感じていませんでしたが、今ではとても気に入っています。アラームをかけやすいので、すぐに習慣化した気がします。
前川 習慣化するには、大事な事ですよね。ハードルが高いと、なかなかルーティン化できませんが、身につけているものに吹き込むだけだったら、「続けられる」と思えるので、習慣化されていきますよね。
井上さん まさにそうですよね。ぜひ、やってみてください。三つ目が、「作業時間はスケジューラーに登録して確保する」です。既に、取り組まれている方も多いと思いますが、スケジューラーに空きがあると予定をねじ込まれるので、自分の作業は時間を確保してやらないと、どんどん時間は奪われていくと思います。
最後四つ目が、「ミーティングでは、作業範囲とゴール設定を確認する」ことです。これは、結構、意識されている方が多いと思います。特に、株式会社ワーク・ライフバランスの方々は皆さん、やられていると思います。これは、本当に重要だなと思います。
☆仕事効率化4大テクニック☆
1. 会議や作業時間は、30分や45分単位にする
・最初から1時間を単位と考えると集中⼒も持たずパフォーマンスが落ちてしまいます。それよりも30分を1単位、または時間をかけたい作業でも45分を1単位とし、やりこぼしがあった場合残りの15分を充て1時間以内に作業を収めるほうが、格段にパフォーマンスが上がります。
2. 作業の時にはアラートを活用する
・30分または45分ごとにスマホのアラートを使っています。区切りの悪い時間から作業を始めた場合は、時間の感覚がつかみにくくなるため、特に有効。スマートフォンやApple Watchを利用するのもおすすめです。
3. 作業時間はスケジューラーに登録して確保する
・社内で共有しているスケジューラーが空欄だとあっという間に会議などを⼊れられてしまい⾃分の作業は残業時間に持ち越すことになります。あらかじめ⾃分の作業時間を⼊⼒しておくことで、他の仕事が⼊るのをブロック。
4. ミーティングでは、作業範囲とゴール設定を確認する
・最短距離で話し合いがゴールまでたどり着くためには必須です。
冒頭で必ず確認。
前川 そうですよね。ぜひ、多くの方に知っていただきたい内容です。
マネジメントで重視する仕事導入の4つのステップ
──その後、マネージャーとして取り組まれていますが、その内容も、ぜひ、お伺いできたらと思います。
井上さん 管理職としては、個人のパフォーマンスの観点だけではなく、チーム全体として、いかにパフォーマンスを上げていくかの視点が必要です。また管理職は、そういう役割を求められると思います。マネジメントをする上で、僕が大事にしているのは、仕事の導入作業です。
実践していることは、具体的には、先ほどと同じく四つの作業があります。端的に言うと、「アサイン」というところが中心になってきます。一つ目として、「今やっている、もしくはこれからやる仕事が、本当に必要かどうかを確認する」ことです。
まずは、コストパフォーマンスや、リスク等を、最初に確認します。大体、サラリーマンは、上司から仕事が降ってくること多いと思います。その時に、「この作業をやる目的・かかるコスト・やるリスク・やらないリスク」を、作業に入る入口のところでちゃんと確認して、「作業の取捨選択」をするようにします。
慣例的に実施しているような仕事で、「この作業は、やる意味がないのではないか」という発言があったときは、「よし、来た。チャンスだ」と思って、「やめませんか」と作業をやらない提案をします。
前川 素晴らしいですね。
──これは、なかなかできない方も多いような気がしますが、いかがでしょうか。
井上さん できない人の方が多いと思います。それができないのは、多分、仕事のスキルの問題ではないと思います。これはおそらく、上司と部下との関係性だと思っています。
上司から言われた作業に、先ほど挙げたような作業内容の確認をする部下の姿は、なかなかイメージできないですよね。僕は、上司に、「作業内容の確認をいちいちする人」だと認定されているから、何とも思われていませんが、「上司と自分との間の関係性」が、きちんとできてないと、反抗している感じになってしまいます。
それが怖くて、いちいち確認することができない方が、多いと思います。
前川 上司から作業を振られても、「作業内容の確認」をせずに、「わかりました」と言ってしまう方が当たり障りなくいられるというか、企業では、そういう関係性が多いような気がします。しかし、上司と部下の関係性をうまく作れば、やらなくていい仕事を、省いていけるということですね。
井上さん 本当に、そう思いますね。僕のように、マネージャーの中でも中間管理職という立場だと、「作業の取捨選択」をやってあげることで、部下からの信頼も得られます。これは、とても大事にしていることで、それができると、その後もどんどん、「作業の取捨選択」ができていくと思います。
二つ目は、「アウトプットのレベル感や締め切りを、必ず確認して作業量を見積もる」ことです。特に重要なのは、レベル感です。相手が求めていることが、「ラフ案で50点」に対して、レベル感を確認せずに作業をすると、「80点ぐらいは出さないといけない」という先入観で進めてしまうことがありますよね。
時にはクオリティ低い仕事をする勇気を持つことも、すごく大事かなと思います。
前川 確かに、思い込みで、作業に時間をかけていることは、私も結構ありますけど、それがなくなると、本当に時間が短縮できて、方向性も誤らず、仕事がスムーズに行くと思います。
井上さん 「レベル感の確認」をすることで、きっと、上司も助かると思います。僕も、その辺りは、自分の部下に対して言っているので、50点でいい作業に、80点の力をこめる時に、おそらく50点の作業より、2〜3日遅れるので、「そうするぐらいだったら、50点でサクッと出してくれた方が俺も助かる」と伝えています。
そういうことがあると思うので、「勇気を持ってレベル感を確認する」のは、ぜひ、やっていただくといいかなと思います。三つ目は、「締め切り確認して、スケジュールに無理がないかを判断する」ということです。
最後に四つ目は、「その仕事に、誰をアサインするのが最適かをちゃんと考える」というとこです。これは結構マネージャーの腕の見せどころだと思うのですが、僕も弱さが出る時はあって、例えば、「この作業に最適なのはこの人だけど、この人は今、仕事が詰まっているから、頼みにくいな」という時がありますよね。
前川 あります。
井上さん しかし、全体を考えた時に、「どういうアサインをするのが、最適なのか」で、場合によっては、仕事が詰まっている人に、この作業をアサインした方が良いから、詰まっている今の仕事を引き剥がしてアサインして、この人のやっていた作業を違う人にやってもらって、パズルのように、組み立て直してあげればいいだけなのです。
結局、事務仕事は、団体競技なのです。若い時にサッカーをやっていたのですが、真ん中で全体を組み立てるようなポジショニングでした。それと似ている感覚で、「今、ここで自分がどう動けばいいのか、誰がどういうふうに動いてくれればチームとして機能するのか」という感覚は、昔から持っていました。
メンバーの特性とかポテンシャルをちゃんと把握しておくということが、とても重要かもしれないです。メンバーの特性やポテンシャルを把握するには、日頃からメンバーと質の高いコミュニケーションが取れていることも、結局は重要な気がします。
前川 やはり、コミュニケーションに軸があるから、四つ目のようなことが、実現できるのかなと思います。
☆仕事の導入で大事な4つの作業☆
1.今やっている仕事や、これからやる仕事が、本当に必要かどうかを確認する
・「作業の取捨選択」をする
2.アウトプットのレベル感や締め切りを、必ず確認して作業量を見積もる
・勇気をもってレベル感を確認し、「時にはクオリティ低い仕事をする勇気を持つこと」も大事
3.締め切り確認して、スケジュールに無理がないかを判断する
4.その仕事に、誰をアサインするのが最適かをちゃんと考える
・事務仕事は団体競技。どうアサインするかが要。パズルのように組み立て直し最適化する
井上さん 確かに、前川さんに言われてみて気づきましたが、「コミュニケーション」というワードを、何回も口にしていますね。おそらく自分の中で、とても重要視しているということなのだと思います。
特にマネジメントは、そうだと思いますが、結局、「これをやれば、間違いない」という、単一の回答はないと思っています。チームのメンバーの性格・特性・能力などによって、最適解が変わってくるので、その最適解を出すために、メンバーの情報が絶対的に必要です。
その情報は、コマンドではないので、コミュニケーションを大事にしないと、必要な情報を得られないということだなと思います。
「何があっても逃げない」上司としてのコアなブレない価値観
──質の高いコミュニケーションを取ったり、メンバーの状況が分かるようにしたりするために、どのようにされていますか。
井上さん 僕は、Excelを使っています。Excelでメンバーのタスクなどを、ある程度、見える化しています。あとは、メンバーのタスクだけではなく、僕視点でメンバーの得意・不得意分野を把握しています。このExcelの情報は、きちんと管理して保存しています。
自分の中で、とても意識しているのは、「何かあっても、最後は絶対に助けてくれる上司である」ということです。普段は早く帰って、頼りたい時にいないということが、あると思います。
そんな時に部下が困ることは、「そこで何かがあって、自分が判断しなくてはいけない時に、判断を間違えてしまったらどうしよう」というプレッシャーと戦うことだと思います。
「何か起こったとしても、最後は、井上さんがなんとかしてくれるよね」とか、「最後は逃げないで、背負ってくれるよね」と思えると、部下も安心できると思っています。僕は、起こってしまった失敗に、いろいろと言うのは好きではありません。起こった失敗自体を、次に活かすために、分析・振り返りはします。
ただ、「なんで、できなかったのか」とか、「なんで、こういうことしたの」と、問い詰めることに意味ないので、そこは、すごく気を付けています。「マネジメントって、本当に生き物なのだな」と、とても感じます。結局は、ケースバイケースですよね。
今、お話しした内容は、かつての組織の取り組みで、直近の所属している組織では、ちょっと違った考え方や対応を取っていることもあるのですが、重要なのはコアの部分で、信念・価値観の部分的なのだと思います。「何かあった時に、絶対逃げない上司である」というのが、コアな価値観だと思っています。
それをしっかり持っておくいて、その時々、その組織に対して、そこにいる人たちに対して、マッチングさせて、最適化させていくという、そういう感覚で僕は仕事をしている感じです。

※本書のp.64〜65に井上さんの記事が掲載されています。
前川 コアな価値観を持つということや、「最後には、必ず助けてくれる」というコミュニケーションが、信頼関係を作っているのだなと思います。そこがチームとしてまとめられている秘訣だろうなとすごく感じます。
先ほど、Excelを使って見える化したり、メンバーの得意・不得意などを見える化をしたりすることで、より良いチームを作っていかれるというお話をされていたと思いますが、このExcelの管理方法をご家庭でも実践されていることが、「子育てデザインノート」を作っていることにつながっていると伺いました。
ぜひ来週、このお話をお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
井上さん ありがとうございました。来週もよろしくお願いします。
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株式会社ワーク・ライフバランス
経営戦略としてのワーク・ライフバランス福利厚生の一環ではなく、企業業績向上のために。 現代の社会構造に適応し人材が結果を出し続ける環境を構築する「サスティナブルな働き方改革」のプロフェッショナル集団です。
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大家 三佳
東京在住、京都造形芸術大学卒。子育てをしながら、水彩画、ドローイングを中心に人、食べ物、動物を描くイラストレーター。パッケージやポスター、グッズなど幅広い分野で活躍中。透明感のある優しいタッチで、日常の風景や人物を描く。ペーターズギャラリーコンペ2014 宮古美智代さん賞受賞など。
編集、プロデュース、インタビュー:前川美紀(ワーク・ライフチャレンジ プロジェクト代表/ブランディングディレクター)
note編集:松本美奈子(次世代こども教育コンサルタント/認定ワーク・ライフバランスコンサルタント)
note校正:岩下宏文(一般社団法人LIFEイノベーション代表理事/ワーク・ライフバランス認定上級コンサルタント)
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