見出し画像

マイ・フレンド・ダッフィーに登場する「イエティ」は、幻の第8テーマポートの痕跡?

先日、東京ディズニーシー(TDS)で開催された「ジュビリーガラ」にて、懐かしの『マイ・フレンド・ダッフィー』の生演奏を聴くことができました。

ご飯を食べながら気軽に楽しめる、可愛くて大好きなショーだった『マイフレ』。

その音楽に耳を傾けているうちに、私は当時からずっと気になっていた、あるキャラクターのセリフを思い出していました。

かもめのティッピーブルーが放った、あの言葉です。

ティッピーブルーが警告した「3つの危険」

ショーの第2部序盤、ダッフィーはミッキーと一緒に長い航海へと旅立つことになります。

そんなダッフィーを心配して?、ティッピーは旅の途中に待ち受ける危険について、こんな話を連ねるシーンがありました。

「ジャングルには大蛇がいる」
「航海中に嵐に遭ったら巨大なタコが現れるかもしれない」
そして、
「寒い山には雪男イエティがいる」

当時はコミカルな驚かし要素として聞き流していたゲストも多かったかもしれません。しかし、よくよく考えてみると、この3つのフレーズは実際のTDSとリンクしていて面白いのです。

• 大蛇 = ロストリバーデルタの『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー』に登場する大蛇。

• 巨大なタコ = メディテレーニアンハーバー(リドアイル)の床に描かれた大タコ。
(あるいは、ミステリアスアイランドの『海底2万マイル』に登場する巨大な怪物のことかもしれません。ティッピーは海底を見られないので、イカとタコを混同したのかも……なんて想像も膨らみます)

航海の起点となるメディテレーニアンハーバーのタコ、あるいはミステリアスアイランドの怪物、そして奥地のジャングルであるロストリバーの大蛇。

では、最後の一つ――「雪山のイエティ」は、一体どこのことを指しているのでしょうか?

幻の第8テーマポート「グレイシア・ベイ」の噂

ディズニーパークで「イエティ」といえば、カリフォルニアの『マッターホルン・ボブスレー』や、フロリダの『エクスペディション・エベレスト』といった雪山アトラクションでお馴染みの存在です。

TDSにも数は少ないものの、海外パークのアトラクションを独自のストーリーに昇華して取り込んできた実績があります。

そのため当時、私は「これはいつかシーにもエベレストのような雪山のアトラクションができる伏線なのだろうか」とワクワクしていました。

加えて、ファンの間で昔から噂ベースで囁かれていたのが、幻の第8テーマポート計画――「グレイシア・ベイ(氷河湾)」の存在です。

もし本当に雪山と氷河のエリアが作られていたなら、ティッピーの語った「雪山のイエティ」との親和性は完璧です。

私はいつかその伏線が鮮やかに回収される日を、ずっと心待ちにしていました。

――しかし、実際に目の前に現れた第8のテーマポートは、ご存知の通り『ファンタジー・スプリングス』でした。

「存在しなかった未来」に想いを馳せて

新しく誕生した『ファンタジー・スプリングス』のフローズンキングダムの完成度は圧倒的です。ラプンツェルやピーターパンの世界を地続きで体験できる喜びは、多くのゲストが待ち望んでいたものだと思っています。

ただ、初期のTDSが持っていた「空気感」を愛する一人としては、ほんの少しだけ複雑なノスタルジーを抱いてしまうのも事実です。

かつての東京ディズニーシーは、「冒険とロマンス、発見と楽しさに溢れるイマジネーションの世界」でした。

アニメーション原作がある世界ではなく、
未知の海を往く名もなき探検家たちの足跡を追い、
古代遺跡の謎に胸を躍らせる。

あの独自のバックグラウンドストーリーが紡ぐ世界観が、私はたまらなく好きだったのです。

もちろん、これは一ファンの贅沢な妄想に過ぎません。
公式からティッピーのセリフと幻のテーマポート計画を結びつける資料が出たわけでもなく、イエティは単なる「雪山の怖いもの代表」としてシナリオに組み込まれただけかもしれません。

それでも、私は今でも想像せずにはいられないのです。

もし、あの「雪山のテーマポート」が実現していたら、どんな景色が広がっていたのだろう。
どんな人々が住んでいて、どんなストーリーがあったのだろう。
極寒の港町には、どんな冒険の音楽が流れていたのだろう。
そしてその山奥には、本当にイエティが潜んでいたのだろうか。
今となっては、もうその答えを確かめる術はありません。

けれど、こうして20年以上前の初期構想や、すでに終演してしまったショーの何気ない一言から、
「存在しなかったかもしれない未来」をいくらでも妄想できる。

それ自体が、東京ディズニーシーというパークが持つ、底知れない魅力だったのだと思います。

ティッピーが語った大蛇と巨大なタコには、今でもパークで会うことができます。

けれどイエティだけは、今もどこか、私たちには見えない幻の雪山の中で、静かにゲストを待ち続けているのかもしれません。

ジャングルには大蛇がいて、
海には巨大な怪物がいて、
そして雪山にはイエティがいる。

そんな、あったかもしれないもう一つのディズニーストーリーに、今夜も少しだけ想いを馳せています。

いいなと思ったら応援しよう!